原則:半日委譲と四半確認
サマリー
- 半日委譲
- 仕事を任せる際は半日(午前や午後など2~3時間くらい)は確保する
- 四半確認
====
背景とアプローチ
- ASD は「一緒に過ごして」「高頻度またはランダムにコミュニケーションが発生する」状況が苦手。あるいはできても消耗が激しいため長時間持続しない
- 👉そういう状況を回避する。仕事を任せる「委譲」と、進捗や成果を見たり相談したりする「確認」に分けて、その切り替えのバランスを考える
- ASD は与えられた文脈を前提とした「妥当な解」を素早く出すのが苦手
アプローチ詳細
- 委譲と確認のバランスをどう取るか、の問題と言える
- 委譲については、半日が無難
- 1時間未満は少なすぎる。頭の切り替えや文脈の理解だけで食いつぶしてしまう
- また、ASD はすべての打ち合わせに対して、事前の備え(何をどう言うかの整理や発表練習)を必要とする。その場で適当に濁せる能力がないため。つまり備えの分の時間も取らねばならない
- かといって一日は長すぎるし、きりがわるい。このあたりを踏まえると「半日」が無難だろう
- 確認については、進捗度目線で 1/4(四半、クォーター)を置く
- 深い意味はないが、認識がズレたまま進ませすぎると後戻りがもったいない、しかしすぐ確認していてはマイクロマネジメント的になってしまう
- 仮に 50%(半分)だとしても、ちょっと遅いよなぁ、もうちょっと早く確認したいよなぁと感じる
- わかりやすさも考慮して、1/4 つまりは 25% の段階で一度は確認する、くらいがバランスが良いのではないか
運用例: 委譲とインターバルのサイクル
委譲(半日) → インターバル → 委譲(半日) → インターバル → ……
- インターバルは区切りであり、軽い様子見をしてもいいし、何もしなくてもいい
- 逆に毎回会話を振ったりチャットで尋ねたりするのは、やりすぎかもしれない(やってもいい)
- インターバルとして何をどの頻度で行うかは要調整
- しかし、四半確認は行うこと
議論
- Q: 進捗 25% はどうやって測るか?
- Ans: 正解はない。いくつか例を挙げる
- 例:
- 締切など期間から逆算する
- 1週間を4日+バッファ1日と捉え、この4日を100%と考える(つまり1日経ったら25%とみなして確認をはさむ)
- 進捗は常時見えるようにしてもらい、それをこまめにチェックして、25% くらい進んだと思ったら確認用の打ち合わせを設定する
- Q: インターバルに入ったときに 25% を超えていたら、そこで確認をはさもうとしているが、当日いきなり打ち合わせを入れることになる。ASD 部下としては負荷が高いようだ。どうすればいい?
- Ans: 期間から逆算して、事前に確認の場を設定してしまうのが良い
- よくあるアンチパターンとして、インターバルを定期的な会議として設定する(特に昼会と夕会を毎日設けるなど日次定例)ことが挙げられるが、避けねばならない。詳細で述べたとおり、ASD は軽い会議であっても負担が高く、毎日二つもあるのは相当な高負荷となる
- 筆者がよく使うのは次のやり方:
- 「週一で定例会議をする」を基本とする
- 他の打ち合わせが必要なら都度入れる。ただし当日いきなり入れたり定期開催にするのはなしで、都度翌日以降に設定する