パターン:備忘録調パターン
サマリー
- ASD 部下とのテキストコミュニケーションは、備忘録調を使うとやりやすい
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背景とアプローチ
- テキストコミュニケーションの腰が重たい理由は、以下の三点
- 1: あらゆる誤解に備えたい、しかしハイコンテクスト的に最小限の表現で済ませたい、を両立するのが大変だから
- 2: 枕言葉その他言葉遣いや作法など形式の構築に手間がかかるから
- 3: 句読点、感嘆符、絵文字といった非言語的ニュアンスのもたせ方を考えるのが大変だから
- これに耐えられず、対面口頭で直接やればいいじゃん、となりがちだが、対面口頭は ASD 部下には重たい
- 👉️軽く行えるテキストコミュニケーションをすればいい。特に備忘録口調は使いやすい
アプローチ詳細
- 備忘録調とは:
- 備忘録調を用いたテキストコミュニケーションとは:
- 備忘録調により必要な情報を列挙し、必要なら構造化することで見やすくするという形のテキストコミュニケーションのこと
- ❌形式的な文書や綺麗な文章を書く
- 🔺備忘録的に書く
- ⭕備忘録的に書く + 読みづらい部分は適宜構造化する(例: 結論を先に 3 行で書く)
- 箇条書きと相性が良い
- あるいはパワポとよく向き合う人は、あの感じ――特に箇条書きで並べる、あの感じを思い浮かべてもらえばいい
- ただし、上層部向け・顧客向け・外部向けなどフォーマルなニュアンスにならないよう注意。内部向けの、雑な資料や LT をつくるくらいの意識で良い。備忘録調の名前のとおり、自分だけが読むメモの書き方で書いたものを相手に見せるイメージ
例
- このドキュメント
- 割と備忘録調を使っており、箇条書き多めで、まるでメモのように並べていることがおわかりいただけるはず
- それでも通じることがおわかりいただけるはず
🐰慣れない人向け
備忘録(メモ)を書く時間を増やしてみましょう。
備忘録調パターンが行えない人は、おそらく普段からテキストを書く機会が少ないと思います。自分だけが読むメモすら書けない人が、ASD 部下含む他者向けのメモを書くことなどできません。
- 練習の例:
- ノー準備で向かう会議の前に、数分かけて思考をメモしてみましょう
- いきなり資料をつくる前に、どんな内容をどんな構造でつくるかをメモしながら検討してみましょう
- 5分でいいので、毎日自分ひとりが読む日記や日報を書いてみましょう
上記のようなことに対して「やる価値やモチベはさておき、やろうと思えばまあ難なくできる」くらいに思えたら及第点です。
ここでよく「Xでポストしてるから慣れてる」「LINEやDicordでの短文のやりとりはよくやるから慣れてる」などの声が挙がりますが、それらはメモではありません。備忘録調パターンは、仕事で日頃投げるような「それなりに煩雑で長いテキストメッセージ」 を、備忘録調ベースで書いたら楽して書けるよというものです。SNS やチャットのつぶやきや短文程度では練習にならないと思います。その域を超えた、もう少しまとまった文章を(自分ひとり向けのメモでいいので)書けるくらいの力が必要だと言っています。