このドキュメントについて
このドキュメントは、ASDの部下と上手く付き合うためのナレッジを整理したものです。マネジメントガイドと題してはいますが、体系的な書籍ではなく、ウィキのようなヒント集とお考えください。
読者対象
主な読者対象
「ASDの部下を持つ」「ホワイトカラーの」「中間管理職」 です。
現役のASD部下である筆者が「こうすれば上手くいくと思う」をお伝えします。
ASD や発達障害についてご存知でない方も安心してください。かんたんですが解説しますし、参考文献も取り上げてます。ですが、巷のサイトのように一般論・抽象論を言って終わりにはしません。あくまでも私という生きた例と、そんな私による提案をお見せすることを重視します。
なおホワイトカラー以外の人には、おそらく当てはまりません。またホワイトカラーであっても当てはまらない可能性もあります。適宜読み替えてください。
一応の読書対象
ASD部下側の人 も想定します。ASD のあなたは、おそらく上司や周囲から配慮を引き出さねばなりません。これから苦しむか、あるいはすでに苦しんでいることと思います。一緒に頑張りましょう。
発達障害者と向き合う人事部の人 も想定します。このドキュメントでは ASD のみを扱いますが、生きた事例として参考にできるはずです。制度や施策の検討にお役立てください。
いずれにせよ、このドキュメントは主に上司側の読者を想定して書いています。当てはまらない部分は適宜読み替えてください。
このドキュメントの方針
濃いサンプルを提供する
前提として、ASD は一律的なものではなく、対処は常に特殊解 です。ASD が 100 人いたら、解も 100 通りあるのです。
このドキュメントでは、私という人間を存分に表現します。「一つの濃い例」として、遠慮なく向き合っていただければと思います。たとえば、あなただったらどうするかを考えてみてください。
幸いにも私とあなたは赤の他人です。利害関係はありません。どうか肩の力を抜いて、ごゆるりとお楽しみください。
このドキュメントのスタンス
以下の 1 と 2 を前提とさせていただきます。
1: ASD部下と上司であり、カミングアウトも済んでいること
- ASD部下
- 自身が ASD であることを、少なくとも上司にはカミングアウトしている
- 上司
- ASD部下の上司であり、部下からカミングアウトを受けている
- それも自己申告ではなく、診断書を見せてもらっている
- しかし障害者手帳は見せてもらっていない
- 立場として 所属上の上司か、プロジェクト上の上司か、あるいは両方 であり 「中間管理職」や「マネージャー」のポジションに就いている
ですので、カミングアウトしていない場合や、しているが診断書による証明がなく自己申告でしかない場合などは想定していません。また、障害者手帳を見せてもらっているケースも想定していません。つまり、以下のレベル感で言えば、
- Lv1: ASD っぽいが診断はない
- Lv2: 診断はされたが、障害者手帳はない 👈️ここにフォーカス
- Lv3: 障害者手帳もある
Lv2 にフォーカスしています。Lv1 や Lv3 の場合でも参考にはなると思いますが、Lv2 前提で書いているので合わない部分も出てきそうです。適宜読み替えてください。
2: あなた=上司
このドキュメントは、読者=ASD 部下を持つ上司、と想定して書いています。ですので、たとえば「マネージャーであるあなたは……」のような書き方をします。
一方で、現実では上司でなくチームリーダーその他メンバーが対応にあたることもありえます。その場合、ASD 部下というより ASD メンバーというべきでしょう。適宜読み替えてください。
このドキュメントの読み方
- トップページから 1-ページ 1-話題 でアクセスできるようにしています
- 補足説明には 🐰 をつけます
- 引用の脚注は *1 のように書き、リンクは末尾でまとめています
- 本書は GitHub にて提供しているため、ソースコードのように扱えます
- たとえば AI エージェントに読み込ませて解説させたり、対話したりできるでしょう
注意事項
- このドキュメントの内容に基づく運用結果について、筆者は一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
- このドキュメントに記載されている名称には各社の商標または登録商標が含まれていることがあります。本文中では ™、®、© マーク等は表示していません
- このドキュメントでは、可読性の観点から「障がい」ではなく「障害」と書きます
- このドキュメントでは、「ASD とは~~である」「~~のようなものである」と大胆に表現しますが、仮説でありスコープを絞っているとお考えください
- もとより ASD のすべてを包括的に扱えるとは思っていません
筆者紹介
筆者の立ち位置
- 大手のIT企業に勤めるアラフォー平社員です
- これまで 20 以上のチーム、40 以上のプロジェクトを担当してきました
- 長く定着できずに追放されるか、組織が変わるタイミングで私だけ切り離されることがよくありました
- 私の戦略が「新しいことをやる」「小さな(ソロで活動しやすい)プロジェクト」で稼ぐ、であることも関係しています
- 知識とスキルは周囲で一番詳しかったり、詳しすぎて誰もついてこれないこともざらにありました。また、数多く渡り歩いてきたことからもわかるとおり、新領域への飛び込みやキャッチアップをこなす素養もあります
- 2022年、(たぶん ASD だろうなと思いつつ)検査をしてみて、予想どおり ASD と診断されました
- 同年、当時の上司と上位上司に診断書とともにカミングアウトしました(=ASDとして配慮してもらう生き方に舵を切りました)
- 産業医や人事部を交えた面談や継続的な対話もしています
- クローズ就労です。会社に正式に提出しているわけではありません
- 🐰ちなみに現時点でオープン就労の意思はありませんし、むしろ私は実力と意欲は持っており、会社やチームの配慮の仕方が悪いだけだと思っています。オープン就労は断固として拒否しています。欧米ではローパフォーマンスや役割不履行で解雇できるでしょうが、日本はそうではなく、ずっと付き合っていくことになります。上手い付き合い方をちゃんと考えてほしいな、向き合ってほしいなとは常々思っています。もっと言えば、そんな日本だからこそ可能だと信じています
🐰このドキュメントを始めた思い
長いので別ページに移します
参考
- 1 ここにコメントを書いたり URL その他引用元を記載したりします