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電子書籍「執筆を効率化したい人のための秀丸エディタ実践入門」 の一部コンテンツ(第 1、2、3、4、6、8 章)を公開しています。

目次

はじめに

雲泥の差という言葉がありますが、これは執筆作業にも当てはまります。

私たちはパソコン上で文章を書く際、多くの前提のもとで動いていますが、これらをどれだけ把握し、使いこなすかによって執筆の効率は何倍、何十倍、何百倍と変わってきます。たとえばタイピングスピードや語彙力や記憶力といった能力、たとえばエディタとその機能や設定といった手段、たとえばファイルや変換といった概念や知識 etc――。

私は書くことが大好きです。趣味では日記や備忘録から小説まで書いていますし、仕事では色々な文書を書いています。一日一万文字以上書くことも珍しくありません。しかしながら、お世辞にも能力面は優れているとは言い難く、メモ帳や Word で書くには無理がありました。そんな私だからこそ、効率の良い執筆方法について考えることは自然なこと、いや避けられないことでした。かれこれ 10 年以上は試行錯誤しています。その結果、出した結論が 秀丸エディタを使うこと です。

本書は秀丸エディタについて詳しく解説した本です。単に機能や使い方を紹介するだけでなく、使い所や周辺知識、さらには執筆に関する「知っておくと捗る考え方や手法」についても取り上げていきます。執筆者の執筆効率を根本的にグレードアップすることを目指し、一人の執筆者として、実践的な内容をお届けします。

執筆についてしっかりと基礎を固めたい方。「とりあえず」や「なんとなく」でも便利にしてみたい方。より効率的に、よりストレスフリーに執筆の効率を高めたい方や、編集作業の要領を鍛えたい方。もちろん秀丸エディタの新たな機能や使い方について知りたい方も。本書から何かしらヒントをつかんでいただければ、筆者としてこれほど嬉しいことはありません。

本書の内容とゴール

本書が扱うことは次のとおりです。

本書が扱わないことは次のとおりです。

以上を踏まえて、本書のゴールは次のとおりです。

結論として、本書では 秀丸エディタを執筆手段として手足のように、呼吸のように使いこなせるようになる(そのための足がかりを得る)こと を目指します。

対象読者

本書が想定する読者は、たとえば次のとおりです。

本書は秀丸エディタについて扱った本なので、秀丸エディタに関するネタが多いです。しかしながら、秀丸エディタに依存しない汎用的な知識やノウハウの解説も多数盛り込んでいるため、秀丸エディタを使っていない方にとっても学びや発見はあるものと期待します。

本書が想定していない読者は、たとえば次のとおりです。

本書は エディタ(特に秀丸エディタ)を使っているが、プログラマーやエンジニア、あるいはマニアほど技術に精通していない方が読む ことを意識しています。したがって、技術的に高度なトピックを求めるニーズには応えられません。

また「エディタって何?」「ファイルって何?」「インストールって何?」のような「パソコンに関する基本事項を知らない方」向けの丁寧な解説も書いていません(このあたりは知っていることを前提とします)ので、あらかじめご了承ください。

他のエディタを使っている方へ

本書は、他のエディタを使っている方にとっても価値のある内容になるかと思います。つまり、秀丸エディタという優れたエディタがあるのだということを知る機会になります。

私が考える秀丸エディタのメリットは次のとおりです。

本書をお読みいただき、現在お使いのエディタから浮気したくなったら、遠慮なく乗り換えましょう。秀丸エディタの心地よき世界へようこそ。

エンジニアの方へ

プログラミングにおいては、秀丸エディタの出る幕はありません。今時のリッチで高度なプログラミングを支えるためには、どうしても Visual Studio Code や Atom、あるいは Eclipse のような IDE か、そうでなければ Vim のような柔軟性に富んだエディタに分があります。かく言う私自身もエンジニアの一人であり、高度なプログラミングでは秀丸エディタを使っていません。

しかしながら、依然として私のメインは秀丸エディタです。

秀丸エディタの真価は 日本語の文章を書く ところにあります。長らく国内の執筆者を支えてきただけあって品質はピカイチです。「日本語の扱いに難がある」という海外製エディタあるある問題は起きません。ポテンシャルも素晴らしく、ちょっとしたメモ書きから、一ファイル十万文字を超えるようなドキュメントまで、秀丸エディタ一本でまかなえます。設定も、エンジニアとして目の肥えた私が満足できるほどきめ細かいですし、動作も軽快で、正規表現やスクリプトといったマニアックな(しかしエンジニアには欠かせない)機能も揃っています。私はもはや秀丸エディタ無しには生きていけません。

エンジニアにとって道具は命ですが、日本語の文章を書くための道具として、秀丸エディタは強力な選択肢になります。本書をお読みいただき、その気が湧いてきたら、ぜひインストールして試用してみてください。その魅力がわかったら、すぐにでも購入することになるでしょう。

本書の構成

本書は章の単位で「きりのいい一つの機能や概念や設定」を解説しています。また、関連する章は「部」の単位でまとめており、計五つの部から構成しています。

内容の難易度ですが、前の章ほど基本的で平易な内容となり、後の章ほど応用的で難しい内容となっています。特に後の章では、前の章の内容を前提としているケースもあります。

本書で用いている記法について

画面の辿り方やキーの押し順序は > を用いて記します。

ファイルパスや文法などは以下のように強調して記します。

複数行にまたがるスクリプトや文法の表記などは以下のように強調して記します。

// 例:
// 今開いているファイルがあるフォルダを開くマクロ
run "explorer \"" + directory + "\"";
endmacro;

重要箇所や注目箇所は太字アンダーラインで記します。

意味的に区切りをはっきりさせたい場合や、単語や固有名詞として強調したい場合には「」で囲んで記します。

本書の読み方

本の読み方には一から順に読み進める「精読」と、気になる箇所をピンポイントに読む「拾い読み」がありますが、本書はどちらの方法でも読むことができます。

体系的に一通り学びたい場合は、精読をおすすめします。ただし、いきなり全てを理解するのは難しかったり、既に知っている内容だったり、あるいは読むのが単に面倒くさかったりしますから、適宜飛ばしながら読んでも良いでしょう。

知っていることが多い方は、気になる部分を拾い読みして「そんな機能があるのか」「そんな仕組みになってたんだ」「そんな考え方があるのか」といった発見をしていただければ幸いです。また、既に知っている内容についても、理解や定着の再確認として用いることができます。

なお、本書は全体的に「広く浅く」解説した本となっているので、物足りないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。「~~についてもっと深く知りたい」と思った方は、ネットなどで調べてみてください。

本書が前提とする環境について

本書の内容は、以下の環境で執筆することを前提としています。

これ以外の環境の場合、一部内容が食い違ってくる可能性があります。しかし Windows Vista 以前や秀丸エディタ Ver 7.X 以前など、よほど古くない限りは大差は無いかと思います。

本書における「執筆」という言葉の意味について

本書では「執筆」という言葉を「主にテキストエディタで文章を扱うこと」と定義します。

「執筆」というと作家やライターなど書き物を仕事にしているプロの作業、というイメージがあるかもしれませんが、本書ではこのイメージに限定しません。単に「書くこと」くらいの意味合いです。また、新たな文章を書くのではなく既存の文章を読んだり修正したりする「編集」作業も含みます。

何が言いたいかというと、本書は 「テキストエディタで文章を扱う方」全般 を対象としているものであり、作家やライターなどプロの方のみを想定した、高度なものではないということです。プロの方も、そうではない方も、気軽にお読みいただければ幸いです。

注意事項

執筆の効率を高めるとはどういうことか

本書は執筆の効率を高めることを目指していますが、そもそも「執筆の効率」とは何でしょうか。ここで明らかにしておきます。

執筆の効率を高めるとは、一言で言えば できるだけ楽をする ということです。もっと言えば次のとおりです。

詳しく見ていきます。

1: 脳の疲労を軽減する

これは 執筆の最中にかかる頭への負担を抑える ということです。

執筆はしばしば「一時的な記憶」を要します。たとえば何らかの資料やルールに従って執筆する場合は、それら資料やルールの内容を覚えておかねばなりません。また、ある程度長い文章を書いている時は、文章全体の辻褄を合わせるために、やはり「前に書いた内容」を覚えておく必要があります。

中には「一度読んだら頭に入る」「自分で書いた文章はすべて頭に入っている」という方もいますが、そんな才能は一握りだと思います。普通はどうするのかというと、同じファイル中でスクロールしたり、別のファイルを開いたり、と 一時的に別の部分を読みに行く ことをしているはずです。読みに行って、内容を頭に入れてから、また元に戻ってきて執筆を再開します。

そういう意味で執筆とは「覚えておくべき事項を読み返す作業」と「執筆という実作業」を交互に繰り返す作業だと言えますが、これはとても疲れる上に集中も阻害されます。極端な話、読み返すためにいちいち何十秒も要しては、作業時間は肥大化する一方ですし、執筆にも集中できませんよね。これが、たとえば数秒以内に行えるとしたら、だいぶ楽できるとは思いませんか。

では具体的にどうやって楽をするのか。方法は多数ありますが、3 点ほど取り上げます。

例1:目次も強調表示もない → 目次と強調表示で読みやすい

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例2:一ファイル内をあちこちスクロールして行き来する → 分割して並べればスクロール操作を減らせる(たとえば片側を見る用、もう片方を書く用にする)

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例3:ファイル切替はマウスでウィンドウを切り替える → タブを開いておいて、ショートカットキー一発で切り替える

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いかがでしょうか。パッと見ただけでは「たかがそのくらい」と思うかもしれませんが、これが効いてきます。事実、私は人並以上に記憶が苦手なのですが、このような書籍を執筆できています。上記のようなテクニックを駆使しているためです。

※ちなみに「え? 普通に頭で覚えられるけど……」という方は、無理してこのような効率化に取り組む必要はありません。むしろ高速で融通の利く脳内処理に勝る手段はありませんから、そのままご自身の脳を活用しましょう。しかしながら、読み返す作業自体は何度も発生すると思いますので、覚えておいても損はありません。

2: エディタの操作を効率化する

これは 執筆において一日何十、何百、何千と発生する「エディタの操作」を素早く行う ということです。

新規作成する、保存する、別の場所にスクロールする、別のファイルを開く、選択する、切り取りやコピーや貼り付け、検索置換、~~な部分を~~のように修正する……など執筆時には様々な操作を行っています。これらをいかに素早く行えるようにするかは重要なテーマです。

たとえば 1 時間で 100 回の操作を行うとしましょう。1 つの操作に 5 秒かかるのと、1 秒かかるのとでは、トータルでみたら効率はだいぶ違います。また、操作が素早ければ、その分思考も阻害されないので、より執筆に集中しやすくなり、作業は加速します。

タイピングを思い浮かべてみてください。いちいちキーを探しながら打っていたのでは執筆もままなりません。しかし、タッチタイピングを習得して、手元を見ずにスラスラ打てるようになれば、頭で思い浮かべたことをスラスラと執筆できます。エディタの操作についても同じで、後者のように、素早く手慣れた操作を手に入れることで、執筆効率がグンと高まります。

操作効率化の例

エディタ操作の効率化について、例を 3 点ほど挙げます。

例1:検索ダイアログを呼び出す

例2: 英単語を範囲選択する

例3: 今開いているファイルのあるフォルダを開く

ここでは「ショートカットキーの割り当て」や「クリックしやすい場所(ツールバー)へのアイコン配置」といったテクニックを使っています。一つ一つは微々たる効率化ですが、積み重ねると効いてきます。

3: 大変な手作業を軽減する

これは 手間や時間のかかる手作業をもっと楽に行う ということです。

特に既存の文章を修正する仕事では、「真面目に手作業で行うとかなり時間がかかるぞこれ……」という場面にしばしば出くわします。こんな時は、エディタの力を借りれば楽できます。不正確でスピードも遅い人間の手よりも、正確でスピードも速い機械(プログラム、もっというとエディタ)に任せるのです。

たとえば 20 万文字の小説原稿に対して「主人公の名前は “隆史” なのに、誤って “貴史” と書いた箇所が何箇所もあるっぽいぞ……」という場合、あなたならどう対処しますか。エディタの力を使うと、以下のように、

whatisefficient_replace.jpg \

置換機能で一発です。一分もかかりません。

他にも手作業軽減の例をいくつか挙げておきます。

この手の効率化では、主に検索や置換、正規表現、マクロといった手段に頼ります。習熟するのは中々に難しいのですが、知っているのと知らないのとでは作業効率に何倍、何十倍、何百倍という差が出ます。本書でも、その入口は紹介していますので、参考にしていただければと思います。

なんでも軽減できるわけではない

ただし、なんでもかんでもエディタに任せれば良いわけではないことには注意が必要です。

たとえば「3 万文字のこのドキュメントから、敬語表現がおかしいところを全部直せ」という仕事をエディタに任せるのは厳しいでしょう。エディタ(というよりコンピュータ全般)が得意なのは単純な機械的作業だけです。敬語表現のような意味や機微に富んだものを任せるには無理があります。このような仕事は人の手でやるしかありません。

しかし、部分的には楽できるかもしれません。たとえば「仰る」の使い方が間違っているとわかったら、「仰る」「仰」「おっしゃ」などで検索すれば、同様の間違いをしていた部分を素早く探せます(律儀に目視しながら探す必要はありません)。しかし、やり方を誤ると漏らしてしまう危険があります。たとえば「仰る」だけで検索すると、「仰られて」という表現が漏れてしまいますよね。

エディタに固執しない

プログラムの手を借りるにしても、エディタではなく別のツールを使った方が速いこともあります。

たとえば秀丸エディタにはファイル比較という、二つのテキストファイルの違いを視覚的に表示する機能があるのですが、実はこの手のジャンルは別ツールの方が圧倒的に使いやすいです。WinMerge という定番ツールがあります。

秀丸エディタは多機能ですが、だからといってあらゆる機能が最も優れているとは限りません。特に大変な手作業を効率化する場合は、エディタのみに固執しないという視点も大事です。本書ではこのような情報も適宜紹介しています。

4: 公開や共有の負担を軽減する

これは コンテンツ(執筆内容)の公開や共有に要する負担を減らす ということです。

執筆した文章はたいていコンテンツでもあります。コンテンツは何らかの手段で公開、共有、提出する必要がありますが、その際何らかのルール(特にファイル形式やファイルフォーマット)に則った形で仕上げることが要求されます。

ルールの例:

※Word とは Microsoft Word のことです。長いので本書では Word と略します。

ここで「全部 Word で書けばいいじゃないか」あるいは「全部テキストエディタで txt ファイルを書けばいいじゃないか」と思うかもしれませんが、そう単純な話でもなかったりします。たしかに Word にせよ、テキストエディタで txt ファイルなどの簡単な形式を扱うにせよ、どちらにもメリットはありますが、デメリットもあります(詳しくは次の節で解説します)。

そこで昨今では相応の問題を解消した、新たな手段が主流となってきました。それが 「テキストエディタでマークアップ言語を書く」ことです。特に文章を作成して 公開・共有することまで を考えると、この「テキストエディタ + マークアップ言語」が最も効率的な手段となることが多いです。

「テキストエディタ + マークアップ言語」の必要性

執筆の効率に関する話はここでおわりにしますが、前述した「4: 公開や共有の負担を軽減する」の節を読んで、以下の疑問を抱かれた方もいらっしゃるかと思います。

そこで本章の最後として、この疑問に答えます。

「全部 Word で書けばいいじゃないか」に対する反論

Word は高機能ですが、以下問題点を抱えています。

Word の問題点:

一言で言えば シンプルに「文章」に集中するための手軽さが無い と言えます。もちろん、印刷を考慮したきめ細かいレイアウトを実現するためには、Word は強力な手段となりますが、あらゆる文章作成でそこまで目指すとは限りません。もっと簡単に、楽に、「文章」だけに集中して執筆や管理がしたい……そんなニーズも少なからずあります。

そこで使えるのがテキストエディタです。

テキストエディタのメリット:

「全部テキストエディタで txt ファイルを書けばいいじゃないか」に対する反論

シンプルに「文章」に集中しやすいテキストエディタですが、これはこれで問題点を持っています。

テキストエディタの問題点:

つまりは 「文章」に集中している分、削がれているものも多い と言えます。

Word はすべて備えているが手軽じゃない。テキストエディタは手軽だが足りない要素もある……と、どちらも一長一短です。どちらを使えば良いのでしょうか。普段はテキストエディタで書いて、足りない要素が必要になったら Word を使えばいいのでしょうか……?

幸いにも、両者の良いとこ取りをしたアプローチがあります。

マークアップ言語というアプローチ

現在主流となっている文章作成のアプローチとして マークアップ言語 があります。これは以下のようなアプローチを取ります。

つまり (1) つくる時は手軽なテキストエディタで行い、つくった後で、その作成物を (2) 読みやすいように変換する、という二段階のステップを踏みます。そうすることで、執筆者はテキストエディタの手軽さでストレスフリーに文章を書きつつも、読み手には「ただのテキストよりも読みやすいコンテンツ」を提供することができます。良いとこ取りです。

さらに言えば、テキストエディタ側で設定を工夫することで、ある程度の文字装飾や階層構造を実現できます。参考として、この書籍執筆時のスクリーンショットを載せておきます。

whatisefficient_markdown_use_sample.jpg \

これは後述する Markdown というマークアップ言語を、秀丸エディタの設定を工夫してカラーリングしたものです。具体的には「** で囲んだ部分は太字の文法なので、太字の装飾で表示する」のような設定をいくつか定義しています。秀丸エディタを使うと、このようなカラーリングもお手の物です。

HTML はマークアップ言語の先駆け

話を戻します。マークアップ言語として最も有名なのは HTML でしょう。ご存知の方は多いかと思いますが、ウェブサイトを記述するためのマークアップ言語です。

一般的にウェブサイトの内容は文字装飾やら図表やらハイパーリンクやらとリッチですが、これは何も Word でつくった文章を表示しているわけではありません。HTML ファイルという「マークアップ言語で書かれたテキストファイル」を、ブラウザという「マークアップ言語を読み取って読みやすく表示するツール」が表示している、という仕組みになっています。

したがって、ウェブサイトをつくる側は(Word を使わずとも)テキストエディタで HTML ファイルを書くだけで済みますし、ウェブサイトを見る側はブラウザのおかげで、読みやすい見た目で読むことができます。

ちなみに、この読みやすく表示させる処理は、ブラウザが人工知能か何かで「このファイルのこの部分は太字にして表示した方がいいだろう」と判断してそうしているわけではありません。ブラウザは「HTML ファイルに書かれた指示」に従って、太字にしたり文字色をつけたり、あるいは図表を入れたりといったことをしているだけです。

もっと言えば、マークアップ言語では、ただの文章を超えた要素(図表や文字装飾やレイアウトなど)を扱うために それら要素をどのように表示させるかという「命令」を記述する ようになっています。たとえば太字にしたい場合は <strong>太字</strong> と書きます。

一つだけ HTML の例を挙げておきます。以下は本書、前項の内容を HTML で書いたものです。

<h3 id="マークアップ言語というアプローチ">マークアップ言語というアプローチ</h3>
<p>現在主流となっている文章作成のアプローチとして <strong>マークアップ言語</strong> があります。これは以下のようなアプローチを取ります。</p>
<ul>
  <li>文章作成はテキストエディタで行う<ul>
    <li>その際、<strong>マークアップ言語という専用文法に則って書く</strong></li>
  </ul></li>
  <li>作成した文章を読む時は、テキストエディタ以外の手段で読む<ul>
    <li>手段1: マークアップ言語を解釈して見易く表示するもの</li>
    <li>手段2: 作成した文章を「別のファイル形式」に変換するもの</li>
  </ul></li>
</ul>

h3 という部分は見出し(レベル 3 の小見出し)を表現し、p という部分は段落、strong は太字、ul や li は箇条書きの構造を示しています。執筆者がこのようなルールで書いておけば、HTML に対応したツール(つまりはブラウザなど)がちゃんと見出しやら段落やら太字やら箇条書きやらを反映して、見易く表示してくれます。

ともあれ、HTML というマークアップ言語のおかげで、ウェブサイトはいちいち Word でつくらなくても済むようになりました。

Markdown というマークアップ言語

最近ではもっぱら Markdown(マークダウン) というマークアップ言語も使われています。

これは一言で言えば HTML よりも書きやすいマークアップ言語 です。たとえば太字は <strong>太字</strong> ではなく **太字** です。書きやすさが違いますよね。

この書きやすさがヒットとして、Markdown は世界的に広がりました。「あらゆる文章作業を Markdown だけで済ませたい」と考えるエンジニアも出てきて、彼らの手によって様々な変換ツールが誕生しています。

たとえば Markdown で書かれたファイル(拡張子は .md なので MD ファイルと呼ぶこともあります)を docx ファイルや PDF ファイルに変換したり、電子書籍用のファイルに変換したりするツール もあります。また、ブログサービスとしては 2013 年に始まった「はてなブログ」が Markdown による執筆をサポートしています。

実は本書も Markdown で書いています。もっと言えば、私は普段の執筆はほぼ Markdown で書いています。Markdown との出会いは、私の執筆人生において間違いなくトップ 3 に入る衝撃です。それくらいに、Markdown は私の執筆手段を変えました。

Markdown をご存知でない方は、ぜひとも知っていただきたいと思います。本書でも後の章で取り上げています。

まとめ

少し長くなりましたが、「なぜテキストエディタでマークアップ言語を書く手段が必要なの?」について解説しました。改めてまとめましょう。

なぜテキストエディタでマークアップ言語を書く手段が必要か:

テキストエディタでマークアップ言語を書く、とはどういうことか:

テキストエディタでマークアップ言語を書くと何が嬉しいのか:

テキストエディタでマークアップ言語を書く際のデメリットは何か:

◆ 第1部 秀丸エディタの基礎知識 ◆

本パートでは秀丸エディタを使う上で欠かせない基本事項について扱います。入手やインストール方法、画面の見方に始まり、秀丸エディタ固有の、しかし重要でもある概念についても解説します。

いずれも秀丸エディタ固有の話なので、秀丸エディタを使わない方は読み飛ばすことができます。

本パートで身に付くこと:

第1章 入手とインストールと初期設定

本章では秀丸エディタの導入に関する話題を取り扱います。具体的には入手、インストールと初期設定について簡単に扱います(詳細は公式サイトやヘルプに譲ります)。

本章は特に新しく秀丸エディタに乗り換える方や、試しに使ってみたい方を対象としています。ただし既に秀丸エディタを使っている方でも、最後の初期設定については一読してみると良いでしょう。新たな発見があるかもしれません。

秀丸エディタの入手

秀丸エディタは公式サイトから入手することができます。

詳細は上記公式サイトを参照してください。

秀丸エディタは無料なの?

はじめに結論を書いておくと、秀丸エディタは 試用目的なら無料で使えるが、継続利用したいなら有料 です。

秀丸エディタはシェアウェアとなっています。シェアウェアとは 有料だが、試用のために一部機能を解禁しており、ある程度無料で使うことができる タイプのソフトウェアです。主に「基本機能は使えるが、それ以外の機能を使いたいならお金を払う」「30 日間は使えるが、30 日後に使えなくなるので、まだ使いたいならお金を払う」といった形態があります。

秀丸エディタでは起動時に「購入を促すポップアップウィンドウ」を表示します。つまり 購入するまでは秀丸エディタを起動する度に「購入してね」ポップアップが表示される ので少し煩わしい、ということになります。しかし機能面の制約はないため、試用にはもってこいです。本書を読んで「使ってみたい」と思った方は、気軽にインストールして試用してみると良いでしょう。

購入価格は 2019 年 3 月現在で税込み 4320 円です。その他詳細につきましては公式サイトを参照ください。

ちなみに「秀丸エディタフリー制度」という制度があり、金銭的に難儀している学生やフリーソフトウェア作者の方などは、申請して承認されれば無料で使うことができます。

必ず行っておきたい初期設定

秀丸エディタをインストールした後、必ず行っておきたい設定についてまとめておきます。

もちろんこれは筆者が考える必須ですから、万人に当てはまるとは限りません。また設定は後からいつでも変更できますので、あまり気張る必要もありません。面倒ならとりあえず飛ばしても構いませんが、あるのと無いのとでは大違いなので、よくわからない方はとりあえず設定しておくことをおすすめします。

設定画面を増やす

秀丸エディタは初期状態では設定画面内の設定項目が一部省略されているので、これを解除しておきます。

install_check_for_master.jpg \

手順:

タブモードを有効にする

タブモードとは、一つのウィンドウ内に複数ファイルを包含させて、これらをタブで切り替える表示形式です。

install_tabmode_after.jpg \

昨今のアプリケーションでは標準的に搭載されており、単にウィンドウを複数枚並べるよりも圧倒的に便利なので、ぜひとも導入をおすすめします。

install_tabmode.jpg \

手順:

スクロールしてもカーソル位置は固定する

秀丸エディタを使い始めたユーザーがすぐに遭遇するのが、文字列を範囲選択している時にスクロールを行って「あれ、範囲選択が広がっちゃう……」と戸惑うことです。

install_scroll_cursor_wide_problem.jpg \

これは秀丸エディタが「スクロールしてもカーソル位置を固定しない」設定になっているために起こります。この挙動に違和感がある場合は、固定する設定に変えましょう。

install_hold_cursor.jpg \

手順:

設定フォルダには専用フォルダを割り当てておく

秀丸エディタでは、設定情報を格納する設定フォルダとして「マクロファイル用のフォルダ」「設定ファイル用のフォルダ」の二つがあります。初期状態では、これは秀丸エディタのインストールフォルダになっているのですが、このフォルダには秀丸エディタのプログラムに関するファイルも多数あってごちゃごちゃしており、そのまま使うと使いづらいです。

そこで 「設定フォルダ用のフォルダ」を専用につくってから割り当てる ことをします。

install_folders.jpg \

手順:

同じファイルを別々に更新して壊してしまうのを防ぐ

パソコンで作業をしていると、同じファイルを別々のウィンドウやタブで開き、一方の更新で他方の更新を上書きしてしまう(他方で更新した分が失われてしまいます)といったミスをしてしまうことがあります。これを防ぐために、同じファイルを開こうとしたら、既に開いている方にジャンプする という一種のガードをかけておくことをおすすめします。

install_haitaseigyo.jpg \

手順:

第2章 画面構成と見方

本章では秀丸エディタの画面構成と各領域について、さわりのところを解説します。

本章を読むと、秀丸エディタのポテンシャルを画面解説ベースで知ることができます。各機能や領域の詳細説明については次章以降に譲ることとし、本章ではあくまで「どんな感じか」を掴んでいただくための最低限の解説のみ行います。

全体像

screen_overview.jpg \

番号 名前 役割
メニューバー 機能の呼び出し(階層分類 + 数クリック)
ツールバー 機能の呼び出し(フラットに配置 + ワンクリック)
タブバー ファイルの切り替え
補助領域(アウトライン/エクスプローラ/アウトプット等が存在)
編集領域 編集エリア
ステータスバー 今開いているファイルの情報表示

以下、各部分について簡単に見ていきます。

メニューバー

screen_menubar.jpg \

メニューバー は秀丸エディタの各種機能を呼び出す領域です。ファイル、編集などの親項目が並び、これをクリックするとサブ項目がズラリと表示されます。

強み:

弱み:

操作の素早さと設定の柔軟性には欠けますが、扱いやすいため、何かと重宝します。とりあえず迷ったらメニューバーを開いてみて、目的を満たせそうな機能が無いか探してみましょう。

ツールバー

screen_toolbar.jpg \

ツールバー はツールバー表示を有効にすると表示される領域で、一機能一アイコンで並べることができます。何のアイコンを並べるかは自分でカスタマイズする必要があります。

強み:

弱み:

ワンクリックで呼び出せる素早さが最大のメリットです。特によく使う機能でマウス操作を伴うもの(表示・設定変更系の機能など)を配置しておくのが良いでしょう。

※ちなみに、よく使う機能でキーボード操作を伴うもの(文章入力中に呼び出す編集・検索系の機能など)については、後の章で扱う「キー割り当て」の方が相性が良いです。

タブバー

screen_tabbar.jpg \

タブバー はタブモードを有効にすると表示される領域で、今開いているファイル(を表すタブ)がズラリと並びます。複数のファイルを扱う場合には欠かせない機能です。

強み:

弱み:

タブはパソコンのユーザーインターフェースの中でも特に偉大な発明だと私は思います。もしタブモードを有効にしていない場合は、よほどの理由が無い限り、有効にしてしまうことをおすすめします。もし新しいウィンドウとして表示したくなったら、タブを分離すれば済みます。

screen_waku.jpg \

は補助的なビュー(情報表示)を提供する領域で、編集領域の上下左右いずれかに配置することができます。秀丸エディタには「アウトライン解析の枠」「ファイルマネージャ枠」「アウトプット枠」の三つの枠があります。

強み:

弱み:

枠は無くても困らない存在ですが、一度知ってしまうと手放せなくなる存在でもあります。特にアウトライン解析の枠は、文章を見出し単位の目次で俯瞰し、またジャンプや並び替えといった操作も行えるようにする手段で、長文を扱う際には欠かせません。後の章にて詳しく取り上げます。

編集領域

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編集領域 はその名のとおり文章を編集する領域です。

縦軸の行番号や横軸のルーラーは設定により表示・非表示を変更できます。

文章やカーソルのカラーリングは ファイルタイプごとに固有の設定 として保持されており、たとえば txt ファイルならこのように表示する、log ファイルならこのように表示する……といったように、ファイル(拡張子)の種類別に変えることができます。

また、秀丸エディタは多彩な表示形式を用意しており、たとえば以下を利用することができます。

ステータスバー

screen_statusbar.jpg \

ステータスバー はステータスバー表示を有効にすると表示される領域で、主に今開いているファイルに関する諸情報を表示します。表示内容は右クリックメニュー等から自由にカスタマイズできる他、表示部分を左クリックしてさらに便利機能を呼び出すこともできます。

強み:

弱み:

第3章 秀丸エディタのヘルプを理解する

秀丸エディタには優秀なヘルプが付属しています。わからないことは Google で検索する方も多いかと思いますが、秀丸エディタの場合は まずはヘルプを読む のが定石です。

ヘルプというと、皆さんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。私は以下のようなことを思い浮かべます。

しかし秀丸エディタのヘルプは違います。動作も軽く、必要なことが端的にまとまっており、読みやすいです。秀丸エディタの優れている点の一つは、このヘルプにあると私は思っています。

ヘルプから必要な情報を調べる要領は、覚えておいて損はありません。本章にて一通り紹介しておきます。

ヘルプを見る

ヘルプを見るためにはいくつか方法があります。

とりあえずはメニューバーの「その他」から開ける、ということだけ覚えておけば良いでしょう。

設定画面に対応するヘルプを開く

秀丸エディタの設定画面にはヘルプボタンが配置されていることがあります。この場合、ヘルプボタンを押すことで当該設定画面に関するヘルプページを開くことができます。

以下は検索ダイアログの例です。

help_buttonsample.jpg \

ヘルプボタンを押すと、検索に関するヘルプページが開かれます。

この機能は地味に便利です。特に設定画面で「これ、どういう意味だろう」という言葉があったら、ヘルプボタンをとりあえず押してみましょう。

ヘルプの読み方

ヘルプを開くと、以下のような画面が表示されます。

help_overview.jpg \

右ペインにはヘルプ内容が表示されます。リンクをクリックすると別のページにジャンプします。地味に便利なのが「戻る」操作で、Backspace キーを使うと素早いです。私はヘルプを次々と読みこなす場合は、右手はマウス、左手は Backspace キーの上に置いておいて、すぐに戻れるようにしています。

左ペインは便利機能を提供するエリアです。目次、キーワード、検索、お気に入りなどがあります。本書ではキーワード、検索の二つを取り上げます。

キーワードタブ

キーワードタブ は、キーワード検索を行い、該当するページを開く機能です。

help_keyword.jpg \

ただし右ペインに表示されるのは「そのキーワードを含むページ全体」であり、 「具体的にどこに含まれているか」までは導いてくれない ので、Ctrl + F キーでページ内検索を呼び出してから該当部分までジャンプするのが良いでしょう。

それから「キーワード」ですが、キーワードとは秀丸エディタ(のヘルプ)側で定義された用語 を指すことに注意してください。ここで探せるのはヘルプコンテンツすべてではなく、ヘルプ内に定義された用語だけです。ヘルプ全体から探したい場合は、次に解説する検索タブを使います。

検索タブ

検索タブ は、指定された語句をヘルプ内から検索して、該当ページを表示します。

help_search.jpg \

指定語句を含むページはすべて候補に挙がるので、語句によっては候補が多く、読むのに苦労するかもしれません。まずはキーワードタブで調べてみて、上手くヒットしないようなら、次にこの検索タブを使うのが良いでしょう。

キーワードタブと違うのは、右ペインには最初から「指定語句がどこに含まれているか、の強調表示がされている」ことです。Ctrl + F キーでページ内検索を使わずとも、スクロールしていけばそのうち強調表示された部分が見つかります。

ちなみに語句を半角スペースで区切ると OR 検索になります。AND 検索は行なえません。

秀丸エディタマクロヘルプ

秀丸エディタには実はヘルプが二種類あります。「秀丸エディタヘルプ」と「秀丸エディタマクロヘルプ」です。ヘルプというと普通は前者の「秀丸エディタヘルプ」を指します。本章でもここまでは前者の「秀丸エディタヘルプ」について言及してきました。

まだ言及していない後者の方、「秀丸エディタマクロヘルプ」について、開き方だけ取り上げておきます(マクロについては後の章を参照してください)。

一番簡単なのは秀丸エディタヘルプのトップページ、その一番下にあるリンク「マクロヘルプはこちら」です。

help_where_macrohelp.jpg \

いちいちここをクリックするのが面倒な方は、メニューバーを編集して「その他」メニューに表示させる、ツールバーにアイコンを配置する、あるいはキー割り当てでコマンド > その他 > マクロヘルプに何らかのキーを割り当てても良いでしょう(これら設定方法は後の章を参照してください)。

第4章 秀丸エディタの機能(コマンド)を理解する

本章では秀丸エディタの根本を成すコンセプトである コマンド について解説します。

※以降では秀丸エディタが使用する用語「コマンド」を使います。しかし「コマンド」という響きに馴染みがない方は、「機能」と置き換えて読み進めるとわかりやすいかと思います。

このコマンドという仕組みを理解しておくと、秀丸エディタでやりたいことを探したり設定を変えたりする際に、あたりをつけやすくなります。秀丸エディタと付き合うなら、ぜひ覚えておきたいところです。

秀丸エディタはコマンドの集合である

秀丸エディタは、大胆に言ってしまえば「コマンドが集まったもの」 だと言うことができます。

ユーザーが特定の操作を行いたい時は、その操作を実現するコマンドを呼び出すことになります。呼び出し方は様々で、メニューバーから辿る、ツールバーに配置したアイコンをクリックする、キー割り当てで割り当てたショートカットキーを押す……などがあります。

つまり秀丸エディタ上の操作とは、

と言い換えることができます。図で示すと、以下のようになります。

command_callrelation.jpg \

~~な操作を行いたいんだけど、どうすればいい?

テキストエディタを使っていると、しばしば「~~を行うにはどうしたらいいんだろう」と迷う時があります。この時に秀丸エディタユーザーが行うことは一つです。

すべてはコマンドありきです。コマンドで実現できることは実現できますし、コマンドが無ければ実現できません。

したがって 秀丸エディタにどんなコマンドがあるかを把握すること、あるいは必要な時に調べられること が重要です。

コマンドとは何か

ここでコマンドという言葉について、改めて定義しておきます。

コマンドとは 秀丸エディタ側で用意された、特定のきりのいい操作や処理を行う単位 です。

以下にコマンドの例を挙げます。

コマンドには名前がある

各コマンドにはちゃんとした名前(呼び名)がついています。

これは秀丸エディタ上でコマンドを探す際に重要な手がかりとなりますので、少しずつでも覚えていきたいところです(実際は使っていくうちに自然と覚えていきますが)。

以下にいくつかのコマンドについて、その名前を挙げます。

コマンドには(マクロから呼び出す用の)命令名がある

これは秀丸エディタマクロの話になるので、興味ない方は飛ばしてください。

各コマンドには、秀丸エディタマクロから呼び出すための命令名もついています。

以下に先ほど例に挙げたコマンドについて、その命令名を挙げます。

この命令名ですが、たいていのコマンドには付いています。つまり たいていのコマンドはマクロからも呼び出せます。どんな命令があるかは「秀丸エディタマクロヘルプ」が詳しいです。特にマクロを使う方は、まずは「呼び出したいコマンドを呼び出すための命令名を、マクロヘルプから調べる」ことを心がけると良いでしょう。

どんなコマンドがあるか

ここまでコマンドについて説明してきましたが、では秀丸エディタにはどんなコマンドが用意されているのでしょうか。

コマンドは数が多いため、ここでは紹介しません。しかしながら大まかなカテゴリは存在しており、それらは 秀丸エディタのヘルプから見ることができます

command_catgory_in_help.jpg \

ファイル系、カーソル移動系、クリップボード系……といったカテゴリで分類されていますね。これらを一読すれば、おおよそどんなコマンドが存在するかがわかります。

コマンド一覧

秀丸エディタには「コマンド一覧」というコマンドがあります。このコマンド一覧を実行すると、秀丸エディタが持つほぼすべてのコマンドにアクセスできます。

コマンド一覧はメニューバー > その他 > コマンド一覧からアクセスできます。

command_commandlistmenu.jpg \

実行すると、秀丸エディタ左上にメニューがずらりと並びますので、ここから開きたいコマンドを選んで実行します。

command_commandlist_after.jpg \

※(余談) マクロを使う方向けのネタになりますが、マクロでコマンド一覧を呼び出すには execcommand 命令を使います(なぜかマクロヘルプには記載されていません)。この命令を記述したマクロを登録し、ツールバーなどに配置しておけばワンクリックでコマンド一覧を呼び出せるようになり、地味に便利です。

第5章 機能(コマンド)を呼び出す4の方法

◆ 第2部 基本的な操作や概念 ◆

本パートではテキストエディタで文章を扱う際に頻出する基本事項について扱います。言葉を挙げると「元に戻す」「コピペ(コピー&ペースト)」「検索」「置換」「文字数」「表示設定」「カーソル移動」「他ファイルのオープン」などです。これらは秀丸エディタに限らず、どのエディタにおいてもおおよそ共通する概念ですが、秀丸エディタ固有のものもあります。

本書は秀丸エディタの本なので、本パートでも秀丸エディタにおけるもの(秀丸エディタの機能や概念として提供されているもの)を取り扱いますが、秀丸エディタ以外のエディタを使う方にも有益になるものと期待します。

本パートで身に付くこと:

第6章 「元に戻す」と「やり直し」

ご存知の方も多いかと思いますが、エディタは「元に戻す」「やり直し」という強力な操作を用意しています。特に「元に戻す」操作は Ctrl + Z キーとして知られており、最も有名なショートカットキーの一つだと思います。

本章では、この「元に戻す」と「やり直し」に関する基礎と、秀丸エディタ固有の用語や仕様などについて取り扱います。

元に戻すとは? やり直しとは?

「元に戻す」も「やり直し」も ユーザーが行った操作を遡る 操作です。

undoredo_overview.jpg \

たとえば以下のように文章を入力していったとします。

この時、現在の文章は『私は「太郎」です』ですが、ここで「元に戻す」操作を行うと、一つずつ前の文章を復元していくことができます。つまり『私は「太郎」です』 → 『私は「太郎」』 → 『私は「太郎』 → 『私は「』 ……という具合です。言わば 元に戻すとは過去の状態に戻す ということです。

もう一つ、元に戻っている状態で「やっぱり戻らなくていいや」という場合には、逆方向に遡ることもできます。これを「やり直し」と言います。以前あなたが行った操作を、もう一度やり直していることになるので、この名が付いています。 やり直しは(過去のある時点より)未来の状態に戻す 操作だと言えます。

元に戻す・やり直しのメリット

では「元に戻す」あるいは「やり直し」操作が行えると、一体何が嬉しいのでしょうか。

それは 直感的に「あー、ちょっとあそこまで戻したいな」といったことを実現できる ところにあります。文章を編集している時は、しばしば「やっぱりこれは無し、ちょっと前まで戻りたいな」「あー、戻ってみたけど、あそこまではやっぱり採用したいから、やり直そうか」といったことが生じます。この時、いちいち自分が何を書いていたかを思い出しながら、改めて書き直していたのでは手間です。「元に戻す」や「やり直し」があると、これら操作を何回も連打して呼び出すだけで実現できます。

元に戻す操作にはたいてい Ctrl + Z キーが、やり直し操作はたいてい Ctrl + Y キーが割り当てられています。結論として Ctrl + Z、Ctrl + Y キーを連打していくだけで過去の状態を自由に行き来できる ことになります。ブラウザでも戻るボタンや進むボタンがありますよね。あれと同じで、文章の状態についても、自由に戻ったり進んだりできるようになるわけです。

やり直しのやり直しってどういうこと!? 用語を整理する

ここで「元に戻す」と「やり直し」に関する用語を整理しておきましょう。

まず「元に戻す」と「やり直し」については既に説明したので割愛します。

次に英語名ですが、「元に戻す」は Undo(アンドゥ) と呼びます。Do(やったこと)を Un(打ち消す)、つまり一つ前の状態に戻る、といった意味ですね。また「やり直し」は Redo(リドゥ) と呼びます。Re(もう一度) Do(やる)、つまり Undo で打ち消したことをもう一度辿るということです。これら英語名はたまに見かけるので、覚えておくと良いでしょう。

最後に秀丸エディタ上での呼び方を取り上げます。 秀丸エディタでは元に戻すことを「やり直し」と呼び、やり直すことを「やり直しのやり直し」と呼びます。以下はヘルプの記載内容です。

undoredo_help.jpg \

少し紛らわしいですが、この呼び方を頭の片隅に置いておくと、「やり直しのやり直しって何!?」と面食らうことはなくなります。

秀丸エディタで元に戻す・やり直しを使うには

これは単純で、元に戻すは Ctrl + Z キー、やり直しは Ctrl + Y キーです。秀丸エディタの用語を使うなら、やり直しが Ctrl + Z キーで、やり直しのやり直しが Ctrl + Y キーです。

他にもメニューバーの「編集」メニューから呼び出したり、ツールバーに配置してクリックして呼び出す(以下画像参照。ただし初期状態では最初から配置されていると思います)こともできます。

undoredo_toolbaricon.jpg \

ちなみにCtrl + Z と Ctrl + Y の覚え方ですが、以下のように覚えましょう。

つまり「元に戻すは Ctrl + Z」はもう覚えるしかないとして、やり直しは「その一つ前のアルファベットである Y」だと覚えておけば、思い出しやすいと思います。

操作履歴の仕様

元に戻すとやり直しにより「状態」を遡ることができると述べましたが、そもそも「状態」とは何でしょうか。また元に戻す、あるいはやり直す対象となる「操作」の単位はどの程度でしょうか。このあたりの仕様について、簡単にまとめます。知らなくても実践上は何ら問題はありませんので、興味があれば読んでみてください。

「操作」の単位

秀丸エディタにおける「操作」の単位は、たとえば次のとおりです。

基本的には ごく自然な「一つの操作」が一単位になっている ので特に違和感は無いかと思います。

一つ意識しておくなら、全角文字の入力でしょうか。たとえば入力ミス無しで『私は「太郎」です』と入力した場合を例に挙げますと、まず一度の変換で入力した場合は、操作は次のとおり一つだけ積まれます。

ここで Ctrl + Z キーを押すと、『私は「太郎」です』の文章は丸々消えます。

次に三回の変換、たとえば『わたしは』『「たろう」』『です』のタイミングで使った場合、操作は次のように積まれます。

ここで Ctrl + Z キーを押すと 3: → 2: → 1: と戻れます。また Ctrl + Y キーだと 1: → 2: → 3: とやり直せます。

この仕様を意識しておくと、日本語の文章を執筆している時の元に戻す・やり直し操作が、少しだけ楽になるでしょう。というのも、スペースキーをあまり押さない人は Ctrl + Z、Ctrl + Y キーを押す回数が少なくて済みます(目視しながら操作していけば良い)し、逆によく押す人は連打のつもりでたくさん押す(操作回数が多いのでいちいち目視していては効率が悪い)必要があります。

ちなみに私は後者、こまめに変換するタイプです。『私は「太郎」です』の場合だと『わたし』『は』『「』『たろう』『」』『です』と六回に区切りますので、あとで元に戻したい時は Ctrl + Z キーを六回押さないといけません。その際、いちいち画面を確認しながら一回ずつ押すのは面倒ですから、とりあえずダダダダッと連打しちゃいます。行き過ぎたとわかれば Ctrl + Y キーでやり直せるので、気兼ねなく連打できます。

操作履歴の限界

いくら元に戻せる、やり直せるからといっても、すべての状態と行き来できるわけではありません。以下の性質があります。

1: については、一つ例を挙げます。操作が X → Y → Z と遷移した後、Y の時点まで元に戻し、別の操作 P を行ったことを考えてみましょう。操作履歴は X → Y → P となっています。こうなると操作 Z に行くことはできなくなります。元に戻った状態で新たな操作を行うと、別の世界線に行ってしまう からです。以下画像を見てください。

undoredo_worldline.jpg \

2: については、操作履歴の記録スペースにも限界があるため、無限に遡れるわけではないことを意味します。具体的に何回まで遡れるかは数値化できませんが、もし少ないと感じたなら、設定より引き上げることができます。メニューバー > その他 > 動作環境 を選び、設定の対象 > パフォーマンス > 詳細ボタン > やり直しバッファサイズ のところを変えましょう。

undoredo_performance.jpg \

詳しくはヘルプを参照してください。

第7章 コピペの基礎

第8章 検索

執筆にせよ編集にせよ、しばしば行っている操作の一つが「特定の語句や文章を探すこと」です。

最も原始的な探し方はカーソルキーやスクロールなどを駆使しながら目視することですが、人による処理は遅い上に不正確です。限界があります。そこでエディタの「検索」機能を使います。

検索とは

検索とは 今開いているファイル中から指定した語句(が記載されている位置)を探し出して、その位置にジャンプする操作 です。人が目視で探すよりも圧倒的に速く正確で、たとえば 10 万文字以上の文章からでも秒単位で探すことができます。

秀丸エディタにも検索機能があります。

find_dialog.jpg \

このような検索ダイアログを用いて検索を行います。以下、秀丸エディタの検索について解説していきます。

まず検索の流れは次のとおりです。

ここまで実行すると、カーソル位置が「最初に見つかった位置」にジャンプします。この状態で「上検索」操作を行うと一つ前の該当位置に、「下検索」操作だと一つ次の該当位置にジャンプします。つまり以下 3 つの基本操作があります。

次に呼び出し方ですが、以下の方法があります。

ここまでを押さえれば、もう検索を使うことができます。普段検索を使わない人は、早速試してみましょう。何か適当なファイルを開いてから、適当な語句で検索してみてください。その際、意識すべきは 3 点でした。(1) ダイアログを表示、 (2) キーワードを入力して検索を実行、 (3) 上検索や下検索で結果にジャンプ――この 3 点でしたね。これを意識して、しばし操作に慣れてみてください。なお、ダイアログにはたくさんのチェックボックスがありますが、いったん無視して構いません。

おすすめの検索オプション

検索機能には多数のオプションがあります。すべてを解説すると長くなってしまうので、ここでは個人的におすすめしたい設定を厳選して解説します。

その1:一周する

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「一周する」を有効にすると、上検索や下検索のときに一周できるようになります。

一周とはどういうことかを示すために、一周しない場合とする場合について挙動の違いを示します。

まず一周しない場合ですが、次のとおりです。

つまり 「一周しない」場合は、上端にせよ下端にせよそれ以上は進めない ということです。

一方、一周する場合は、次のようになります。

つまり上端と下端がつながっていて、ぐるぐるとループするイメージです。

下画像を見てください。検索キーワード「A」の該当位置が 3 箇所ありますが、「下検索」をした場合は番号の順でループします。これがもし「一周しない」設定だと、(2) の後で「下検索」をしても (3) は発動しません。

find_option_loop_explanation.jpg \

このように、「一周する」を有効にすると、いちいち検索の方向を変えずに文書全体を巡ることができます。連打するだけで辿れるとも言えます。これが地味に快適で、私も普段は「一周する」を有効にしています。

その2:検索文字列を強調

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「検索文字列を強調」を有効にすると、見つかった位置すべてが強調されます。見やすいのでぜひチェックを入れましょう。

以下を見比べてください。見やすさの違いは一目瞭然です。

find_comparison_with_emphasis.jpg \

ちなみに強調表示を消したい場合は Esc キーを押します。

その3:検索したら閉じる

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「検索したら閉じる」を有効にすると、検索を実行した後に検索ダイアログが消えます。検索ダイアログは邪魔なので、消した方が使いやすいと私は考えます。

ただし、そうすると「上検索や下検索はどうやって呼び出すの?」「別の語句で検索したい場合、またいちいち検索ダイアログを開き直さないといけないの?」といった問題が生じますが、これはショートカットキーで解決します。具体的には「検索ダイアログを表示する」「上検索」「下検索」の三つの操作について、キー一発で呼び出せるようにします。

私は以下のように F1、F2、F3 キーに割り当てています。キー一発ですぐに検索できるのでおすすめです。

find_myquickcall_keyassign.jpg \

あるいはツールバーに並べておいても良いでしょう。

find_myquickcall_toolbar.jpg \

たまに役に立つ検索オプション

前項では「常に有効にしておくと良いオプション」について取り上げましたが、本項では「たまに役に立つオプション」をいくつか取り上げます。

find_option_lowerupper.jpg \

大文字小文字の区別

「大文字/小文字の区別」を有効にすると、アルファベットの大文字と小文字が別の文字とみなされます。

例を挙げます。区別する場合は「app」で検索した時、「apple」はヒットしますが、「Apple」はヒットしません。区別しない場合は「app」で検索した時、「Apple」もヒットします。

このオプションの用途をいくつか挙げます。

このオプションが特に役立つのは、英文や(英語の)固有名詞といった「大文字と小文字の違いに意味がある」シチュエーションです。

単語の検索

「単語の検索」を有効にすると、検索キーワードを単語とみなして検索します。

例を挙げます。単語を検索しない場合は「app」で検索した時、「apple」もヒットします。先頭三文字が部分的に一致しているからヒットしています。一方、単語を検索する場合は「app」で探しても、「apple」はヒットしません。「apple」は「app」という単語ではないからです。単語の検索においては、部分的に一致するかどうかは関係がありません。あくまでも単語として丸々一致しているかどうかだけを見ます。

ここで一つ注意したいのが、単語とはほぼ英単語を指しているということです。もっと言えば 日本語の単語に対しては単語の検索は機能しません(このあたりの話は次節で詳しく取り上げます)。たとえば「Japan の和訳は日本です。これは日本語で書かれています」という文章に対して「日本」という単語で検索するとします。期待する動作としては、「日本です」の「日本」にはヒットするが、「日本語」の「日本」にはヒットしない、となると思います。しかし実際はどちらにもヒットします(単に「日本」を含む部分がヒットしてしまう)。これは「日本」というキーワードが単語として正しく認識されない(さらに言えば秀丸エディタが「日本語」という文字列を「日本語」という単語であると認識できない)ためです。

さて、この単語の検索オプションですが、主な用途は、検索キーワードを部分一致ではなく単語として探すことです。たとえばアプリケーション(Application)の略語としての app という単語を検索したい場合、apple や approach はヒットしてほしくないわけです。そういう時に「単語の検索」を有効にすると、apple も approach もヒットしなくなります。

(余談) 「単語」とは何か

前項にて日本語の単語は単語ではないと書きました。これはどういうことでしょうか。

プログラム(ツールやソフトウェアやサービス)における「単語」は、私達人間が認識する「単語」とは違います。定義を書いておくと、単語とは「スペースや記号で区切られた文字列」 です。英語の場合、各単語はスペースで区切られていますから、単語として正しく認識されます。しかし日本語は、各単語がスペースや記号で区切られていませんから、各単語は正しく認識されません。

この仕様はプログラムの都合によるものです。私達人間は、というより日本語を知っている人であれば、見ただけで単語がわかります。たとえば「これはプログラムの都合によるものです」という文章を見ると、単語は「これ」「は」「プログラム」「の」「都合」「に」「よる」「もの」「です」だとわかります。

しかしプログラムにはこのような判断はできません(厳密に言えば自然言語処理といった分野である程度は可能ですが、エディタのような「ちょっとしたプログラム」が採用するにはハードルが高いです)。プログラムにできることと言えば「スペースで区切られた部分を単語とみなす」といった単純な判断だけです。英単語の識別は、この単純な判断で実現できますが、日本語の識別は到底不可能です。

これは秀丸エディタも例外ではありません。したがって「単語の検索」として日本語の単語を検索することができないわけです。

また、この仕様は秀丸エディタに限らずプログラム全般(他のツールやサービスなど)にも当てはまります。未来がどうなるかはわかりませんが、2019 年現在では 「日本語は単語ではない」「したがって単語に関する操作を日本語に対して実行しても、期待した効果はたぶん得られない」と捉えておいたほうが良いでしょう

検索の便利な使い方

本章の最後として、検索機能の便利な使い方をいくつか取り上げておきます。

その1:前回の作業位置にジャンプする

たとえば長文を執筆していて、いったん作業を中断する場合、次に再開する時は続きから再開したいものです。これをスムーズに実現する方法の一つとして 自分独自のマークをつけておいて、後から検索する があります。

一つ例を挙げます。

このようにすると、検索で瞬時に続きから再開できます。たとえ原稿が 10 万文字であっても、一瞬でジャンプできます。長々とスクロールしなくていいのでストレスがありません。

その2:見出し単位でジャンプする

長文にもなると目的の位置に辿り着くだけでも一苦労です。上に下にと何度も何度もスクロールする羽目になります。検索を工夫して使うと、このような移動を楽にすることができます。

一つ例を挙げます。

上記の方法では文書中を見出し単位で素早く移動できます。たとえ一章分の分量が一万文字あったとしても、上検索または下検索一回でこの一万文字分を一気にスルーできます。たとえば第三章にいる状態で第七章に移動したい場合、下検索を 4 回ほど行うだけで、もう辿り着くことができます。もし検索を使わず、地道にスクロールで移動するとしたら、もっと時間がかかりますし、押しっぱなしにしていると「あ、通り過ぎた」となってしまって、戻る手間もあります。

この「特定の単位(ここでは章単位など “見出し” を例にしました)」でジャンプする、というアイデアは長文編集時には欠かせないテクニックです。覚えると非常に快適になりますのでおすすめです。

※ちなみにこのアイデアをより拡張・一般化したのが「アウトライン」ですが、詳しくは後の章で取り上げます。

まとめ

2 つほど便利な使い方を紹介しました。

いずれにしても以下の点が共通しています。

つまり検索という機能を使って 一種のカーソル移動 を実現していると言えます。語句(ここでは★や●)を選んだりわざわざ書いたりといった手間はありますが、そのかわり、高速なカーソル移動が手に入ります。

おわりに

本章では検索機能の基本について解説しました。検索を使うと、今開いているファイルから指定語句を素早く探せるようになります。また、「目印を付けておく」「目印を検索語句にして検索する」ことで目印単位のジャンプができるなど、応用的な使い方もできます。検索は非常に便利な機能なので、ぜひ取り入れてみてください。

続きは…

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(参考までに) 目次

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