ここでは、「造語とは何か」および関連する概念との違いについて、これまでの議論を整理する。
造語 とは、既存語ではうまく表現できない意味や概念のために、新しくつくった言葉である。
ただし、実際には「完全に新しい単語を発明する」場合だけでなく、次のようなものも広い意味では造語に含まれることがある。
一方で、厳密には「造語」と呼びにくいものもある。
その違いを整理することが重要である。
新しい語そのものをつくること。
例:
これらは、既存の辞書的表現をそのまま使っているのではなく、独自に語の形をつくっているため、造語と呼びやすい。
既存語を使っていても、新しい概念名として再編成・再定義しているもの。
例:
この場合、「語そのものを発明した」というより、概念に新しいラベルを与えた と言う方が正確だが、広い意味では造語的活動といえる。
造語と混同しやすいものとして、以下がある。
複数の要素を束ねるためのラベル。
例:
これらは単語そのものを新しくつくっているわけではなく、分類名・フレームワーク名・覚えやすい略称に近い。
したがって、厳密には造語とは言いにくい。
既存語に対して、特定の文脈で厳密な意味を与えたもの。
例:
これらは単語自体は既存語だが、独自の理論やフレームの中で意味を与えている。
したがって、「造語」というより 独自定義語 に近い。
既存の英単語や日本語を、そのままラベルに使うもの。
例:
これは意味が伝わりやすいが、通常は造語ではない。
やっていることは 新語の発明 ではなく 既存表現の採用 である。
これは 造語と呼んでよい。
理由:
より正確には、概念名としての造語 である。
これは 厳密には造語ではない。
理由:
ただし、広い意味では 造語的活動の一部 と言える。
なぜなら、独自概念に対して新しいラベルを与えているからである。
これは 造語ではない。
理由:
ただし、3S の構成要素として定義しているなら、これは 独自定義された用語 である。
これは 通常、造語ではない。
理由:
したがって、これは 概念の命名 ではあっても 造語 ではない。
たとえば 3S で示している概念を、単なる枠組み名ではなく造語として立てたいなら、
その概念全体に対して固有名を与える 必要がある。
これらは、Slack / Solo / Stress の三要素を束ねた「状態」や「可能性」そのものに名前をつけている。
この場合は、明確に造語と呼びやすい。
概念を扱うときは、次のようにレイヤーを分けると整理しやすい。
概念全体の説明的な名前
例:
覚えやすいラベル
例:
中身をなす要素
例:
その概念全体を独自概念として立てる名前
例:
このように分けると、「どこが造語で、どこが説明ラベルなのか」が明確になる。
ある名前が造語かどうかを見るときは、次の観点が使える。
この区別をつけると、用語設計がかなりやりやすくなる。