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『問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術』 用語整理

1. 本書の中心概念

問いかけ

相手の思考・感情・反応を動かす働きかけ。単なる質問ではなく、チームの状態そのものを作るものとして扱われる。

問いかけの作法

問いをうまく機能させるための技術体系。本文では、問いかけはセンスではなく、習得可能なスキルとして説明される。

チームのポテンシャル

まだ発揮されていない潜在能力。個々人の魅力や才能だけでなく、チームとして出せる力も含む。

魅力と才能を引き出す

本書の目的を表す中核表現。問いかけによって、相手の個性・こだわり・能力を表に出すこと。

良い問いかけ

相手の個性や思考を引き出し、対話や成果につながる問い。本文では「味方を活かすパス」と比喩される。

無自覚な問いかけ

意図せず相手の口を閉ざしたり、受動性を強めたりする問いかけ。

直接的な要求

「意見を言って」「主体的に動いて」など、相手に直接求める働きかけ。これが悪循環を生む要因として描かれる。


2. チーム状態・循環を表す用語

孤軍奮闘の悪循環

期待 → 直接的な要求 → 受動的な態度 → 変わらない現状 → 失望、という負のサイクル。

チームワークの好循環

良い問いかけ → ポテンシャルの発揮 → チームの成果 → 信頼 → さらに高い期待、という正の循環。

期待

チームやメンバーに対する前向きな見込み。問いかけ次第で信頼にも失望にもつながる。

失望

期待が裏切られた結果として生じる状態。悪循環の終着点。

信頼

良い問いかけと成功体験の反復により育つチームの基盤。

受動的な態度

問いや場のつくり方によって生じる、黙る・賛成だけする・考えを出さない状態。

変わらない現状

働きかけが機能せず、チームが停滞している状態。

お通夜ミーティング

誰も意見を言わず、空気が重い会議の比喩表現。本書の問題提起の象徴。


3. 組織観・仕事観の用語

ファクトリー型

上から設計図が与えられ、分業・効率・正確性を重視する仕事のスタイル。

ワークショップ型

対話・試行錯誤・目的発見・多様性を重視する仕事のスタイル。

ウォーターフォール型

工程を段階的に進める、ファクトリー型に近い開発の考え方。

アジャイル型開発

短いサイクルで仮説検証を重ねながら進める開発方法。ワークショップ型との親和性が高い。

VUCA

不安定性・不確実性・複雑性・曖昧性の時代を表す言葉。ワークショップ型への移行が必要な背景。

理念を探究する

ワークショップ型の経営層の役割。あらかじめ与えるのでなく、現場との対話で見出していく。

問題を発見する

現場が自ら問いを見つけること。ワークショップ型の重要な特徴。

解決策を探索する

固定解ではなく、試しながら見つける姿勢。

分業

役割を分けて進めること。ファクトリー型では中心概念。

多様な個性

ワークショップ型チームの価値源泉。異なる専門性・視点・こだわりを指す。

試行錯誤

やってみて学ぶプロセス。ワークショップ型の核。


4. チームを阻害する概念

4つの現代病

ファクトリー型への適応がもたらした副作用として示される4分類。

判断の自動化

考えずに処理できるようになった適応。効率に有効だが、新しい発想を妨げる。

認識の固定化

過去の経験や暗黙の前提に縛られ、新しい見方が出にくくなる状態。

部分的な分業

相手を部分的にしか知らないまま協力関係を築く適応。

関係性の固定化

「あの人はこういう人」と決めつけ、相互理解が止まる状態。

逸脱の抑止

規範から外れないよう無意識にブレーキをかける適応。

衝動の枯渇

やってみたい、言ってみたいという内発的な動きが弱る状態。

手段への没頭

方法やプロセスばかりが目的化してしまうこと。

目的の形骸化

本来の意味や目指す価値が空洞化すること。

固定観念

自動化された判断や前提が硬直したもの。

とらわれ

思い込み・前提・成功体験などに縛られた状態。問いによって揺さぶるべき対象。


5. 才能・創造性に関わる用語

こだわり

本人やチームが大事にしている視点・感覚・価値基準。引き出すべき資源。

こだわりの芽

まだ明確でないが、育てればチームの核になりうる萌芽。

チームとしてのこだわり

個人のこだわりを対話の中で昇華した、共有される指針。

個性

メンバー固有の見方・感じ方・専門性。

視点

物事を見る切り口。多様な視点がチームの強みになる。

創造性

新しい可能性を生む力。問いかけによって引き出される。

主体性

自ら考え、動き、関わる力。

他力を引き出す

自力だけでなく、周囲の力を活かすこと。


6. コミュニケーションの用語

対話

相手の意見の背後にある前提・価値観・意味づけを理解しようとするコミュニケーション。

議論

合意形成や意思決定に向けて、論理や正しさを重視する話し合い。

討論

目次の比較文脈では、コミュニケーション類型の一つとして示される語。

雑談

コミュニケーションの一類型。

対話的な関係性

相互理解を深めながら話せる関係。

生煮えの意見

まだ結論として固まりきっていない、途中段階の意見。ワークショップ型では歓迎される。

見えない前提

発言の背後にある価値観・経験・意味づけ。

価値観

何を大事にしているかという基準。

意味づけ

出来事や対象にどう意味を与えているか。


7. 問いかけの基本定石

4つの基本定石

意見を引き出す問いかけの基本ルール群。

相手の個性を引き出す

相手らしさやこだわりを尊重する定石。

こだわりを尊重する

相手の大事にしているものを前提にする姿勢。

適度に制約をかける

自由すぎず、考えやすい枠を設ける。

考えたくなる仕掛け

答えやすさや発想のしやすさを生む工夫。

遊び心をくすぐる

気負いを下げ、発想を軽くする仕掛け。

凝り固まった発想をほぐす

固定観念をゆるめること。

意外な発見を生み出す

問いによって新しい視点を誘発すること。


8. 問いかけのメカニズム・比喩

未知数

問いが照らし出す、まだ言語化・把握されていないもの。

ライト

問いかけは未知数を照らす「ライト」である、という比喩。

パス

良い問いかけは味方を活かす「パス」である、という比喩。

問いかけのサイクルモデル

問いの効果を循環的に捉えるモデル。詳細は目次に登場。


9. 「問いかけの作法」の3つの工程

見立てる

状況を観察し、どんな問いが必要か解釈する工程。

組み立てる

問いの内容・方向・制約を設計する工程。

投げかける

実際に場に問いを出し、相手の反応を見て調整する工程。


10. 見立てるで使う用語

見立て

対象や場に解釈を与えること。問いかけの機軸となるもの。

観察

場や相手の状態を捉えること。

観察の簡易チェックリスト

観察を助ける確認項目。

フィルター

膨大な情報から何を見るかを選ぶ観点。

着眼点

観察時に注目するポイント。

未定義の頻出ワード

よく出るが意味が曖昧な言葉。問いの材料になる。

姿勢と相槌

非言語的な観察ポイント。

三角形モデル

見立ての精度を高めるためのモデル。

場の目的

その場で本来目指したいこと。

見たい光景

少し先に実現したい望ましい状態。

観察メモ

見立てに活かすための記録。

観察の能動態と中動態

コラムに登場する概念語。


11. 組み立てるで使う用語

即興的な問いかけ

その場で反応を見ながら出す問い。

計画的な問いかけ

事前に設計しておく問い。

未知数を定める

何を明らかにしたいのか決めること。

方向性を調整する

問いが向かう先を合わせること。

制約をかける

答えやすく、考えやすくするための枠づけ。

フカボリモード

相手の意見や感覚の背景を掘り下げる問いのモード。

ユサブリモード

固定化した見方や前提を揺らす問いのモード。

素人質問

専門家ぶらず、素朴に問い直す型。

ルーツ発掘

意見や価値観の源泉を掘る型。

真善美

問いの型の一つ。価値判断の軸として使うものと思われる。

パラフレイズ

言い換えにより視点をずらす技法。

仮定法

「もし〜なら」で想像を促す技法。

バイアス破壊

思い込みを崩す問いの型。

質問パターンリスト

困ったときに使える型の一覧。

谷型と山型のプロセス

複数質問を組み合わせる際の進行パターン。

ミーティングのプログラム

問いの流れを含めた場の設計。


12. 投げかけるで使う用語

注意を引く技術

問いを機能させる前段として、相手の集中や関心をつくる技術。

開始5分

ミーティング冒頭の重要性を示す表現。

予告

事前に何を問うか知らせ、心の準備を促す。

共感

相手の武装を解除する働きかけ。

煽動

前提を大袈裟に強調して注意を引くアプローチ。

余白

あえて説明しすぎず、引きつけるための間や不足。


13. レトリック関連用語

問いかけのレトリック

問いを引き立てるための言い回しの工夫。

文言

問いの言葉選び。

誇張法

大袈裟な表現で焦点をつくる。

倒置法

語順を入れ替えて印象づける。

列挙法

具体例を並べて抽象度を補う。

対照法

対になるメッセージで際立たせる。

比喩法

たとえを使ってイメージを豊かにする。

擬人法

人間に見立てて感情を込める。

共感覚法

五感の表現で感覚を刺激する。

声喩法

オノマトペで情緒を加える。

緩叙法

二重否定などで印象を調整する。

婉曲法

ネガティブな表現をやわらげる。

オブラートに包む

表現を柔らかくする言い回し。


14. アフターフォローの用語

初期反応

問いを投げた直後の相手の反応。

アフターフォロー

問いの後に必要な支援や補足。

足場かけ

相手が答えやすくなるよう補助すること。

前提を補足する

何を前提にした問いか説明する。

意義を補足する

なぜそれを問うのかを伝える。

ハードルを下げる

答えにくさや心理的負担を減らす。

手がかりを渡す

考えるためのヒントを与える。

リマインドする

前の文脈や論点を思い出してもらう。

組み立て直す

問いそのものを再構成する。

問い返し

問いかける側のとらわれを揺さぶる、相手からの返し。

学習者の姿勢

問い手が教える側ではなく、学ぶ側として構えること。

本音を引き出す

表層的でない意見や感情を出してもらうこと。

ポジティブなフィードバック

答えの内容だけでなく、向き合う姿勢を肯定すること。


15. 周辺概念・関連語

心理的安全性

コラムとして登場。安心して発言できる状態。

組織開発

コラムに登場する関連分野。

組織デザイン

同上。

熟達

経験を通じて技が磨かれること。

実践知

実践の中で身につく知。

ファシリテーション

場を前進させる支援。著者の前著にもつながる概念。

ファシリテーター

ワークショップ型におけるミドルマネジメントの役割。

1on1

上司と部下の一対一の面談。

ワークショップ

著者の原体験にも関わる学びや実践の場。

ブリコラージュ

ありあわせの資源を組み合わせて目的を見出す考え方。

野生の思考

レヴィ=ストロースの概念。ワークショップ型理解の参照枠。

エンジニアリング

ブリコラージュに対置される、計画主導のつくり方。