ここで名付けたかったのは、新しく考えた概念を、既存の概念・研究・事例の中に位置づける行為である。
たとえば次のような営みを指している。
これは、自分で概念をつくる立場にとって重要な行為だと考えられた。
最初に出た案は connect to giant だった。
発想としては、
という意味を込めたものだった。
これは発想としてはわかるものの、英語としてはかなり不自然だと整理された。
主な理由は次のとおり。
connect to giant は IT 的な「接続」にも読めるgiant が単数のままだと不自然そのため、内輪のラベルとしては使えても、英語表現としての完成度は低いと判断された。
次に、「巨人」比喩よりも、知の地図に自分の概念を書き込む/載せる 路線のほうが本質に近いのではないか、という方向に進んだ。
この発想が良い理由は、やりたいことが実際に次のようなものだからである。
つまり、この行為は本質的に mapping に近い。
この「地図」路線から、write to map という案が出た。
これも英語としてはやや不自然だと整理された。
主な理由は次のとおり。
write to ... は英語では
write よりも map そのものにあるそのため、「地図に記入する」という日本語の発想自体は良いが、英語ラベルとして write to map は弱い、という結論になった。
英語として自然なのは、write を使うより、map を動詞として使う 路線であると整理された。
候補としては次のようなものが考えられた。
map itconcept mappingmap to existing conceptsmap onto existing researchplace it on the maplocate it on the mapこの中で、短くて運用しやすいものとして map it が浮上した。
map it は、ここでは次のような意味で使う。
つまり、
新しい概念や発想を、既存の知の地図の上に位置づけること
を表すラベルである。
map it がよいとされた理由は次のとおり。
map を動詞としてそのまま使えるまた、今回の用途は「厳密な学術用語」ではなく、自分の概念形成プロセスの中で使う行為ラベルなので、軽くて使いやすいのも利点である。
map it を mapit のようにつなげる案も出た。
これは避けたほうがよいという結論になった。
理由は次のとおり。
map it なら、map が動詞、it が目的語だとすぐわかるmapit にすると、一語の固有名詞やサービス名のように見えるmap it だと分解しにくいそのため、今回のように行為ラベルとして使うなら、
スペースありの map it のほうが圧倒的によいと整理された。
ここで重要なのは、mapping という語自体は間違いではないという点である。
実際、やりたいことの本質は mapping にかなり近い。
という意味では、上位概念として mapping は自然である。
ただし、mapping はかなり一般的で広い言葉でもある。
mapping は普通、次のような広い意味で使える。
そのため、今回のような
自作概念を、既存の概念・研究・事例の知の地図に載せる
という限定的な行為を指したいときには、少し広すぎる。
このため、整理としては次のようになる。
上位概念。
何かを何かに対応づけたり、位置づけたり、関係づけたりする一般的な営み。
今回の文脈での限定的な実践ラベル。
とくに、
という行為を指す。
言い換えると、
mapping = 一般名詞map it = 実践コマンド / 行為ラベルという違いがある。
mapping は説明語としては便利だが、抽象度が高い。
一方、map it は次の点で使いやすい。
つまり、mapping は理論語寄りで、
map it は運用語・作業語寄りである。
この議論では、次のような使い分けも整理された。
一般論として述べる場合
→ mapping
自分の概念形成プロセスでの実践ラベルとして使う場合
→ map it
プロジェクト名・ツール名・プロダクト名として使う場合
→ MapIt のような一語表記もありうる
ただし今回の用途は後者のうち「概念形成プロセスでの行為ラベル」なので、
採用すべきなのは map it である。
日本語で対応させるなら、感覚として近いのは次のような表現である。
この中では、自然さと軽さのバランスから、
「地図に載せる」 がかなり近い感覚として位置づけられた。
map it = 新しい概念や発想を、既存の知の地図の上に位置づけること
write より map を動詞として使うほうが自然mapping でも誤りではないmap it を使うのがよいmap it を採用mapit は意味が見えづらくなるので避けるmap itmapping よりも意味を限定しやすいconnect to giant
write to map
mapit
mapping は上位概念としては使えるmap it を採用する