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ホフィス

ホフィス(Hoffice) とはホテル + オフィスを組み合わせた造語であり、ホテルのあり方に取り入れて設計されたオフィスを指す。

具体的なあり方は各自で設計可能だが、必ず使わないといけない制約(ホフィス原則)がある。ホフィス原則にしたがって、各社レイアウトを整備する。

ホフィス原則

ホフィスの思想

まずは従来のあり方を振り返る。近年のオフィスワーカーは ABW(Activity Based Working)が主流である。これは活動に応じてどこで働くかを「オフィス内で」選ぶというものだ。オフィスには個人ブース、会議室、オープンなコミュニケーションエリア、カフェなど複数の機能があり、この中から自由に選ぶ形となる。しかし実情はフリーアドレスにすぎず、個室数や私物保管の削減によるコスト削減と、見通しの良さによる間接的な圧力の意味合いが強い。場所を選ばず、少ない持ち物で、口頭ベースかつ割り込みにも強い「器用な者」にしか合わない、限定的なオフィスとなってしまっている。

特に個人や少人数で深く集中する営みがやりづらく、それゆえイノベーションや変革も生まれづらく、その前段となる心理的安全性その他エンゲージメントの向上も起こりにくい。あるいは機会が限定的になってしまう(たとえば会議室の争奪戦が発生する)。

この問題を根本から解消するオフィス・パラダイムがホフィスであり、ホフィスではルームという「個人または少人数で集中できる場所」を基本単位としている。ルームのタイプとその比率やレイアウトは自由につくれるが、ルームそのものは 4 人以下のコンパクトな単位であるため、この前提で設計することになる。つまりホフィスは少人数以下の単位で駆動させよ、と言っている。また、ルームの規格が単一であることから物理的にも建造しやすい。

ルームのタイプ

必要に応じて新たに定義してもよいが、代表的なタイプを示す。

プロルーム(Pro-room) は、ひとりで使うルームである。空いているときに最初に入った者がチェックインの対象となる。一時的なルームであり、オフィスの消灯までに必ず退出しなければならない。私物を残すこともできない。なおチェックアウトは明示的に行う必要がある。なので部屋を出るだけではチェックアウトはされず、したがって離席が可能である。

コルーム(Co-room) は、複数人で使うルームである。ホフィス原則により上限は 4 人までだ。コルームはミーティングや協調作業を意図しており、部外者の相席は想定しない。飲食店でいうテーブル席1席に相当する。空いているときに最初に入った者がチェックインの対象となる。一時的なルームであり、消灯までに完全退出が必要である。チェックアウトは n 分ごとに自動で行われるため、必要に応じて明示的に延長しなければならない。n の値はゾーンの設定値としてカスタマイズできる。つまりゾーン内では一律となる(空調制御と同じだ)。

拠点ルーム(Base-room) は、消灯までに完全退出せず私物を残しておけるルームである。チームやグループといった組織単位が拠点として使うものである。しかしホフィス原則により、4 人以下の空間であるから、おそらく全員が居座れるだけのキャパシティはない。なお施錠の概念があり、チームの私物を保管できる。たとえば鍵付きロッカーや金庫を導入しても良い。

これら 3 タイプを整理すると、次のようになる:

ルーム名 人数 日ごとにクリアする? チェックアウト
プロルーム 1 yes 利用者が実施
コルーム 2~4 yes n分ごとに強制だが、延長は可能
拠点ルーム N No -

この 3 タイプはラフにつくられているが、より細かくつくることもできる。たとえば「1時間ごとに強制チェックアウトされ、1日1回しか使えず、通話も一切禁止のプロルーム」や「同時に2人しか入れない1on1用のコルーム」をつくることもできる。また古典的な組織では役員向けの役員ルームをつくることにはなるだろう。

すべてのルームは全社員もしくはリージョンの勤務者全員が利用可能であるため、あまり特殊なタイプはつくるべきではない。限定的に利用させたいものは拠点ルームの形でつくり、かつゾーンを分けるべきである。これを拠点ゾーンと呼ぶ。役員ルームも拠点ゾーンにつくるべきだろう。

ホフィスをつくるには

ここではゾーン設計に焦点を当てる。

ゾーン設計では以下を定める:

例1: 従来の ABW をベースにした設計例

例2: 例1に拠点も追加した設計例

上記概念を欲しがる顧客セグメントを仮説で挙げ、各セグメントの導入動機と懸念を出して。

ホフィスを欲しがる顧客セグメント(仮説)と、導入動機/懸念

1) 知識労働比率が高いプロダクト企業(ソフトウェア、SaaS、AI、ゲーム等)


2) 研究開発・企画職が強い企業(製造業R&D、医薬、素材、先端研究)


3) コンサル・デザイン・広告・制作など「納品型のプロジェクト」企業


4) ハイブリッドワークが定着した中堅〜大企業(出社率が読めない)


5) 採用競争が激しい企業(エンジニア採用、若手獲得を重視)


6) セキュリティ・コンプライアンスが厳しい業界(金融、法務、行政、防衛系等)


7) コスト最適化・不動産効率化が主目的の企業(総務主導)


8) 教育・研修・ブートキャンプ型組織(社内大学、研修センター、専門学校等)


共通して出やすい導入懸念(横断)

必要なら、想定する「会社規模」「出社率」「主業務(開発/営業/管理など)」「機密レベル」をもとに、どのセグメントが最有力かを優先順位付きで絞り込み、各セグメント向けの“刺さる言い方(提案メッセージ)”まで落とします。