SOGI(ソジ)は Sexual Orientation(性的指向) と Gender Identity(性自認) の頭文字をとった言葉で、すべての人が持つ属性としての性的指向と性自認を指す枠組みである。
LGBTは以下の4つの頭文字をとった言葉で、特定のセクシュアルマイノリティの人々を指すカテゴリーである。
SOGIは「分類の軸そのもの」、LGBTは「その軸上の特定のグループ」にあたる。
たとえるなら、「血液型」がSOGIに、「A型・B型・O型・AB型」がLGBTに相当する。血液型という枠組みは全員に関わり、その中のどれかに誰もが当てはまる。SOGIという「性的指向×性自認」の分類軸はすべての人が持っており、LGBTはその中でマイノリティにあたる組み合わせをまとめた呼び名である。
つまり、SOGIが上位の枠組み、LGBTがその中の下位カテゴリーという関係になる。
最多数派は異性愛(ヘテロセクシュアル)かつシスジェンダーの人々。
LGBTの4つに収まらない性的指向として、アセクシュアル(誰にも性的に惹かれない)、パンセクシュアル(性別を問わず惹かれる)、デミセクシュアル(親しい関係を築いた相手にのみ惹かれる)などがある。
性自認としては、ノンバイナリー(男女どちらにも当てはまらない)、ジェンダーフルイド(性自認が流動的)、Xジェンダー、クエスチョニング(模索中)などがある。
ASD(自閉スペクトラム症)も、かつては「自閉症」「アスペルガー症候群」など個別のカテゴリーに分かれていたものが、スペクトラム(連続体)として捉え直された。これはLGBTからSOGIへの視点の転換と似た動きである。
半分イエス、半分ノー。
ニューロダイバーシティ(神経多様性)は「人間の脳・神経のあり方は多様であり、それは自然な差異である」という考え方で、ASD・ADHD・ディスレクシアなどだけでなく、定型発達(ニューロティピカル)の人も含む。この点ではSOGIと同じく「全員が当事者」という枠組みになっている。
ただし、SOGIが「性的指向×性自認」という明確な分類軸を示しているのに対し、ニューロダイバーシティは「思想・理念」に近い言葉である。SOGIのようなすっきりした分類フレームワークはまだ確立されていない。
ASDM(ASD部下を持つ管理職のためのマネジメントガイド)では、ASDの困難を以下の3つに整理している。
一言で言えば「運動神経ならぬ認知神経が先天的に悪い」であり、IQが高ければエミュレーション(模倣)でカバーできるが、IQが並以下の場合はこだわりによる自衛が不可欠となる。
重要な比喩として「汚部屋のたとえ」がある。汚部屋でも機能できる人は、それだけの処理性能を持っている。汚部屋では処理が追いつかない人が潔癖になる。こだわりは性能不足の裏返しである。
SOGIの明快さは以下の構造に由来する。
この構造が強いのは、出発点に「性」という一語があるからである。既知の概念を「実はもっと複雑でした」と解像度を上げていく話なので、理解の足場がある。
「聞き話し」と「読み書き」は、「性」と同じくらい誰にとっても身近で、全員が日常的に体感している。しかも、社会が口頭(聞く・話す)ベースで設計されているという暗黙の前提がある。これは「性別は男女の二種類」と同じくらい無自覚に共有されている前提である。
ところが現実には「人生で書いた量 > 人生で喋った量」の人がいる。口頭では処理が追いつかないが、テキストなら十分に能力を発揮できる人がいる。これは「男/女では記述しきれない人がいる」と同じ構造の発見である。
IOOO = Input Orientation and Output Orientation
| パラメータ | 意味 | 値の連続体 |
|---|---|---|
| Input Orientation(入力指向) | 情報をどう受け取るのが得意か | 聞く ↔ 読む |
| Output Orientation(出力指向) | 情報をどう出すのが得意か | 話す ↔ 書く |
| SOGI | IOOO | |
|---|---|---|
| 略語の構造 | 4文字・2単語 | 4文字・2単語 |
| 第1のパラメータ | Sexual Orientation(性的指向) | Input Orientation(入力指向) |
| 第1の値の例 | 同性、異性、両性、無性… | 聞く寄り、読む寄り、両方、状況次第… |
| 第2のパラメータ | Gender Identity(性自認) | Output Orientation(出力指向) |
| 第2の値の例 | 男性、女性、ノンバイナリー… | 話す寄り、書く寄り、両方、状況次第… |
| 前提とされる「普通」 | 異性愛・シスジェンダー | 聞く・話す(口頭ベース) |
| 構造的不利を被る人 | 上記に当てはまらない人 | 読む・書く寄りの人 |