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深い貢献と広い貢献

サマリー

背景

仕事≒プロジェクトワークであり、役割≒枠であるという現実

割とあらゆる組織で人材不足が叫ばれているかと思います。これは当然のことで、単に「仕事の捉え方」の融通が利かないからです。

例を挙げます:

要は 総合力があり、かつ枠にはまる人材だけが通過する というシビアさなので、そりゃ中々見つからないですよねという話です。

エンジニアも例外ではない

私達エンジニアも例外ではありません。

特にマネージャーや上級エンジニアは人材の連携や調達も責務に含まれますので他人事ではありません。もちろん総合力の呪いと枠の呪いにとらわれているので人材が見つからず、苦労します。ですので通常は長い目で見て育成しなければなりません。コミュニケーションコストもかかります。まるで先生です。それを「必要だから」とか「育成も楽しいものだ」などと自分に言い聞かせて正当化します。大変ですね。

パラダイムを変えるときが来ました

上述した文化は、私が 深い貢献(Deep Contribution) と呼ぶあり方です。プロジェクトがまさにそうですが、特定のスコープに入り込んで、その中で忙しなく何でもやるわけですね。

ですが、このあり方だけでは限界があるのです。もう一つ、新しいパラダイムを導入するときが来ました!

深い貢献と広い貢献

深い貢献(Deep Contribution) とは、プロジェクトワークを指します。その名のとおり、あるスコープの中で、想定された結果に至るまで頑張ります。できない場合はできるまでやります。深く深く潜っているわけです。

一方、広い貢献(Wide Contribution) とは、プロジェクトに入りこまない、横断的な後方支援を指します。プロジェクトには一切所属せず、ベストエフォートで済みますが、その代わり影響を与える範囲が広いです。たとえば経営層でもないエンジニア 個人 が社内数千人以上の全社員に対して毎日ブログ記事を届けたり、全社員からの問い合わせを受け付けたりします。

数字で対比しましょう。

広い貢献の例

深い貢献はプロジェクトと呼びました。実は広い貢献にも呼び名があります。トランスジェクト(Transject) です。すでに記事を書いており、具体例も載せているので、こちらを読んでください。

広い貢献により人材不足が軽減する

なぜかというと、組織と仕事の構造化が進むからです。

深い貢献のみのあり方、つまりプロジェクト至上主義は、コードでたとえるならモノリシックです。スピード優先で突貫で書いた、汚くて見るに堪えないコードです。技術的負債もあったものではない。ですので、この汚さに耐えるだけの 総合的に優秀な 人材が必要とされます。

では、広い貢献を認めて、広い貢献者を増やしていくとどうなるでしょうか。

広い貢献者を立ち上げるとは:

いずれにせよ、短期的にはかえって手間がかかりますが、中長期的に見れば構造化が進みます。構造化に分があるということは、エンジニアの皆さんならよくわかっているはずです。