私達エンジニアは非同期ワークの素晴らしさを知っています。自分に合った環境で、誰からも邪魔されることもなく、オフィスも喧騒もなく、自分の生活とシームレスに行き来して仕事をする体験は良いものです。孤独感の充足や密な議論は、たまに会議したり集まったりして補充すればいい。
と、頭ではわかっていますが、中々上手くいきませんし、出社回帰を掲げる組織も多いです。あるいはリモートを謳っていてもオンライン会議が大半を占めるケースが多い。
なぜ同期ワークから逃れられないのでしょうか。それは仕事のモデルのせいです。会議駆動 だからです。
会議駆動 とは、会議を用いて仕事を回すあり方を指します。
特徴は二つあります:
たとえるなら学校の時間割のようなものです。時間割に從って参加し、各会議のファシリテーターや雰囲気に従うだけです。子供でもできます。とてもかんたんな仕事の仕方です。
しかし、これは会議に依存したあり方ですから、非同期ワークにできるはずがない。考え方を根本から変えねばなりません。
タスク駆動 とは、あらゆる仕事をタスクと捉え、システム上で管理し、クローズを目指すあり方を指します。
特徴は次のとおりです:
私達エンジニアであれば、おそらく GitHub Issues をご存知でしょうから、馴染みはあるはず。乱暴に言えば あらゆる事柄を全部 Issue 化するようなもの です。
従来の会議駆動ではコミュニケーション能力、特に会議を調整したり、会議中に瞬発的に立ち回る「社交的な力」が求められていました。
タスク駆動は違います。タスク駆動において重要なのはタスク管理能力です。具体的に言えば、自分が絡む 数十(数百もありえる)のタスクと日頃から上手く付き合っていくためのセルフマネジメント と、タスク(を示すワークスペース)に書き込むための 読み書き能力 です。
あるマネージャーの一日を例にして、会議駆動からタスク駆動にすると、どうなるかを見てみましょう。
マネージャー M 氏の、ある日の午前のスケジュールは次のとおり:
会議駆動であり、9:30 ~ 11:30 まで 4 件の会議があります。各会議は 30 分の枠があり、この範囲内で瞬発的に議論や意思決定をしなければなりません。
もちろん、会議は予定であり約束でもあるため、このとおりに過ごさなければなりません。時間割に従うという意味では楽ですが、過ごし方に融通は利きませんし、会議の調整や開催も含めてかなりの工数がかかります。
たとえば以下を取り上げましょう。
このデイリーミーティングのアジェンダは次のとおりとします:
タスク駆動で捉えると、たとえば次のようになります:
これらのタスクをシステム上で管理します。GitHub Issues でもいいですし、QWINCS で示したとおりウィキやノートでも良い。タスクごとにページが分かれていて、動作も軽くて、オープンとクローズの概念がある手段なら何でも良いです。直接的なタスク管理でなくとも、たとえばタイトルに✅をつけることで表現するといった工夫もできます。
ともかく、タスクをシステムに載せたら、あとはそれを非同期で更新するだけです。リマインドしたい場合はメンションを送ればいいだけです。
Ans: します。
しないと思えた場合、あなたはまだまだ会議駆動的だと思います。
すでに述べたとおり、タスク駆動にはセルフマネジメントと読み書き能力が必要です。上述した After を楽々こなせる程度には必要 なのです。これらは軽視されてきたソフトスキルでもあり、エンジニアやマネージャー、下手すると上級エンジニアであっても未熟なことが よくあります。
だから私はソフトスキル・エンジニアリングを立ち上げました。