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ChatGPT Projects は「間接的な会話」手段である

背景

ChatGPT Projects ではチャットセッションを共有できる

2025年10月、ChatGPT Projects に共有プロジェクト機能が追加されました。

以下を見てください。

共有プロジェクトは、この Project に複数人が参加できるものです。つまり誰でもチャットセッションを開始できますし、他人のセッションを見ることができます。

「チャットセッションの共有」について

私達は普段 Slack や Teams などでコミュニケーションを取っています。このビジネスチャットと呼ばれるジャンルを支えているのはワークスペースやチャンネルといった「区分」の機能です。関係者のみを集めた部屋をつくり、全員が自由に投稿と閲覧を行えるという、この部屋の概念が革新的だった のです。

さて、この潮流が生成 AI のチャットにも到来しています。ChatGPT Projects もその一つです。

静かに、多くを伝えるために

会話というと、対面で口頭で行うイメージが根強いと思います。このやり方は使い勝手は良いですし、その気になれば汎用的に使えなくもないですが、原始的かつ瞬発的です。少なくともエンジニアにとっては好ましくない。

そこで間接的な会話を使います。間接的な会話(Indirect Conversation) とは、言語的に表現された成果物を見せ合うことでコミュニケーションを図ることです。以下に例を示します。

ChatGPT Projects は、ここに加わった新入りです。

対話ワークスペースの活用例

たとえば、ある難しい技術的な議論がしたいとします。

半人前のエンジニアリングマネージャーであれば、おそらく自分と周辺の同僚、または目上の仲間とだけ議論するでしょう。逆に一人前であれば、現場や顧客とも会話するはずです。

しかし、現場や顧客との会話は難しいです。彼らはマネージャーほど俯瞰していないことが多いですし、言語化の能力も時間もないからです。だからこそドメイン駆動設計、また近年のアジャイルのように、プロジェクトに入り込んで高密度に会話して引き出していく営みが重要視されてきました。

こういうときに、まさに対話ワークスペースが使えます。やり方は単純で、

このようにして皆でセッションを増やしていくだけです。そういう意味では、コミュニケーションよりもコラボレーションと呼んだ方がいいかもしれません。

おわりに

間接的な会話という概念をご紹介しました。また ChatGPT Projects は(最近のアップデートにより)このポテンシャルを有するようになりました。

生成 AI 時代だからこそ、私達人間のコミュニケーションと議論が重要です。対面口頭では限界があります。間接的な会話をぜひ実践してみてください。それではまた。