非同期心理的安全性
概要
- asynchronous psychological safety, APSと略す
- 心理的安全性を拡張した概念で、非同期的な心理的安全性を指す
- キラークエスチョンは「言いたいことが 30 個あるときに、30 個全部書けるか?」
定義:
- 非同期心理的安全性とは、このチームでは非同期の読み書きにおいてリスクを取っても安全である、というメンバーに共有された信念である
リスクの構成要素
- 心理的安全性が定義する4要素も含める:
- 1 無知だと思われる
- 2 無能だと思われる
- 3 否定される
- 4 邪魔だと思われる
- その上で APS 固有の要素を含める:
- 5 無視される
- 6 軽率だと思われる
リスクの例
- 下記のとおり、同期・対面とは異なるリスクが生じる
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- 読み書きだと書いたことが恒久的に残るため:
- 無知や無能や邪魔の証拠が残り続ける
- 否定された痕跡が残り続ける
- 読み書きはその場で瞬発的に反応させる圧がなく、非言語情報もないため:
- 無視されやすい
- 読み書きは「あとで読む・書く」必要があり、自己管理やタスク管理の能力が求められるため:
- それら能力面で無能だと思われやすい
- これらを行うやり方や考え方を知らないという意味で無知だと思われやすい
- 読み書きだと記述的な情報量が増え、かつ残るため:
- 何でも漏らす・書き込むという意味で口が軽い → 軽率だと思われやすい
キラークエスチョンのアンサー
- 「言いたいことが 30 個あるときに、30 個全部書けるか?」
- もし APS があるならば、たとえば次のようになる:
- 全部書くことが許されている
- 全部書いたとして、現実的な時間内にフィードバックが来る
- 相手が無理に 30 個すべてと律儀に向き合って相手が疲弊する心配や、無視される心配もない
- 向き合う必要がないか、事情がないなら、その旨をフィードバックしてくれるはずだから
- また一時的に忙しいなどで全く反応できない場合も、その旨を出してくれる or 表明しているはずだから
- 相手が忘れている場合、こちらが伝えればいいが、伝えると読んでくれる・反応してくれるから
- つまり以下が保証されている:
- 「現実的な時間内」に反応が来ること
- 「現実的な時間内」の反応ができない場合、その旨と期間が事前に共有されている
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背景1
- 心理的安全性は対面・同期におけるコミュニケーションを前提としており、非対面・非同期を扱っていない
- 仮に言いたいことが 30 個あるとして、全部言えるか?
- 心理的安全性だけではこれをカバーできない
- 対面と同期の構造自体に限度があるからだ
- これをカバーするためには、読み書きに関する安全性がなくてはならない
- これは非同期的な心理的安全性、と言えるだろう
背景2
- なぜ人類は未だに原始的な同期と対面にこだわるのだろうか
- ミュートデイ、ウィーク、マンスができないという現実
- 1日中、誰とも同期的な会話・対面での会話をしなくても仕事が成立する → ミュートデイ
- これを1週間、1か月続ける → ミュートウィーク、ミュートマンス
- マンスやウィークはおろか、デイすらまともに行えない
- 仕事や状況次第ではともかく、サービス業的でないデスクワーク程度であれば可能なはずであるのに
- 私は根本原因を探っていて、
- まずはツールの有無とツールの習熟度を見ていた
- その次に自己管理やタスク管理の能力といったソフトスキルを見た
- が、これらは手段とスキルの話であって、根本的ではない
- かといって組織的にガバナンスを利かせたところで、手段とスキルがないと成立しようがない
- 根本はどこなのだろうか?
- と考えて、心理的安全性を思い出し、接続できそうだったのでした
- つまり、心理的安全性を拡張して、非対面・非同期でも成立するためには?を考える