1. ミニマリズム
  2. (2020/04/29 追記) ミニマリズムの本を出した
  3. ミニマリズムの定義
    1. 権威による定義
    2. 筆者による定義
  4. ミニマリズムの五大要素
    1. 五大要素絡みの用語
      1. ミニマイズ
      2. リソース
      3. 常識的感性
      4. 常識的物品
      5. マネジメントミニマリズム
      6. リソースミニマリズム
    2. 五大要素
      1. 脱常識
      2. 主観的ミニマム
      3. 客観的ミニマム
      4. 能動的ミニマリスト
      5. 自立的生活
    3. 五大要素の充足から見たミニマリスト種別
      1. 非ミニマリスト
      2. ユーザー
      3. マネージャー
      4. フロッグ
      5. リアルミニマリスト
  5. ミニマリズムと関連用語
    1. ミニマリスト
    2. 断捨離
    3. こんまりメソッド
    4. マインドフルネス
    5. ミニマムライフコスト
  6. ミニマリズム TIPS
    1. アンチストック
    2. 一日一食
    3. レンタル
    4. シェアリング
      1. シェアの誤用
    5. 平均値の法則
    6. NOT 駆動
    7. リデューシング
    8. ホールディング
    9. 必要十分
    10. 箱詰め
    11. 理性的満足感
    12. 自傷としてのミニマリズム
    13. COS の三条件
      1. City
      2. One-room
      3. Smart-phone
    14. 時間と空間のトレードオフ
    15. ミニマイズ抵抗
  7. ミニマリズムの周辺概念
    1. ミニマリストバイアス
    2. 自覚無きミニマリスト
    3. デスミニマリスト
  8. 参考
    1. 書籍
    2. Web
  9. 更新履歴

ミニマリズム

このページでは筆者によるミニマリズムの解釈をまとめている。

このページで扱うのはライフスタイルとしてのミニマリズムであり、芸術や文学など表現における一ジャンルとしてのミニマリズムは扱わない。

(2020/04/29 追記) ミニマリズムの本を出した

本ページに書いてあるネタをしっかりまとめた + 筆者のミニマリスト生活例も交えた、という感じの電子書籍。

ミニマリズムの教科書

06_minimalismc.jpg

Kindle Unlimited にも対応している。

ミニマリズムの定義

権威による定義

ミニマリズムという言葉の確たる定義は存在しない。たとえば何らかの権威が存在するわけではない。ミニマリズムは実地的に発展したものでしかない。

筆者による定義

しかし定義が無ければ議論しづらいので、筆者による定義を述べておく。

ミニマリズムとは リソースミニマイズ することで人生を改善・充実していこうとする思想またはライフスタイルである。ただし単にリソースをミニマイズすれば良いわけではなく、ミニマリズムの哲学を踏襲しなければならない。踏襲するべき哲学は 五大要素 として存在する。

ミニマリズムの五大要素

ミニマリズムが守るべき哲学を五つの観点で論じたものが五大要素である。ミニマリズムは五大要素のうち、少なくとも一つは満たす必要がある。満たさないものはミニマリズムではない。しかし、五大要素のうちどれを満たすかはミニマリスト次第である。

五大要素絡みの用語

五大要素について述べる前に、いくつか用語を導入しておく。

ミニマイズ

ミニマイズ(Minimize)とはミニマリズムにおける具体的行動。英単語 minimize の和訳そのままと考えても良い。意味としては「最小化する」「減らす」「小さくする」「取捨選択する」「断捨離する」などになるが、単に減らす(Reduce)よりも徹底的に行うニュアンスがある。

例:

リソース

リソース(Resource)とはミニマリズムにおけるミニマイズの対象。

何をリソースと捉えるかは人それぞれだが、以下に例を挙げる。

常識的感性

常識的感性とは「大衆に広く受け入れられている常識」に対する従順の程度。

※「大衆」や「広く」の定義を述べるのは難しいので、以下例をもってニュアンスを記すに留める。

例:

常識的物品

常識的物品とは、常識的感性における常識が対象としている物品のこと。

上記の例で言えばテレビ、ベッド、自転車、持ち家など。

マネジメントミニマリズム

マネジメントミニマリズムとはリソースそのもののミニマイズではなく、リソースに要する「管理」の手間をミニマイズするミニマリズムである。

たとえば書籍一万冊をミニマイズする場合、マネジメントミニマリズムでは「書庫に収容して管理は秘書や司書に任せる」「電子書籍に一本化して Kindle 端末一つで済ませる」などの方法を取る。

リソースミニマリズム

リソースミニマリズム

リソースミニマリズムとはリソースそのものをミニマイズするという発想のミニマリズムである。

たとえば書籍一万冊をミニマイズする場合、リソースミニマリズムではこれら書籍そのものを捨てたり売ったり譲ったりしてミニマイズする。

マネジメントミニマリズム

五大要素

五大要素の各々について詳しく述べる。

五大要素:

脱常識

脱常識とは常識的感性にとらわれていないこと。

脱常識を満たしていると、テレビ、ベッド、自動車といった常識的物品を「持たなくてもいいもの」とみなし、必要に応じて手放すことができる。

脱常識を満たしていないと、そもそも常識的物品を手放すという選択肢を選ぶことさえできず、常識的物品が持つ負担から逃げることができない。負担には何が何でも耐えるしかなく、そのために身体的、精神的、生活的な無理も辞さなくなることがある。

主観的ミニマム

主観的ミニマムとは「自分が扱っているリソースは必要最小限である」「無駄なリソースは一つも無い」と胸を張って言えるような状況のこと。

主観的ミニマムを満たしていると、自分が扱うリソースのすべてについて、なぜそのリソースを扱っているのか(あるいは扱わなければならないのか)の理由を語ることができる。

主観的ミニマムを満たしていないと、「よくわからないけど持っている」「みんなやってるから自分もやってる」といった受動的なリソースを扱う羽目になる。リソースの是非を主体的に判断することができず、がむしゃらに受け入れるしかなく疲弊しやすい。

客観的ミニマム

客観的ミニマムとは常識的感性から見て明らかに「自分が扱っているリソース」が少ないこと。

例:

客観的ミニマムを満たしていると、自他ともに認めるミニマリストで在れる。これは言い換えれば、他者が認めるほどにミニマリズムについて真摯に向き合い、実行していると自ら誇れるとも言える。

客観的ミニマムを満たしていないと、極端な話、以下のような半端者の開き直りが成立してしまう。これを防ぐための要件が客観的ミニマムである。

汚部屋に住む不養生な者「私はミニマリズムですよ。だって、これらはすべて私にとっては絶対に必要なものだもの。あなたにとってはそうではないかもしれないが、あなたと私は違う。私にとっては必要なのだ」

能動的ミニマリスト

能動的ミニマリストとは、仮にリソースが潤沢だったとしても、変わらず自ら能動的にミニマリズムを実践すること。

例:

能動的ミニマリズムを満たしていると、自身が抱えるリソースの量的変化に左右されず、安定的にミニマリストで在り続けることができる。

能動的ミニマリズムを満たしていないと、ミニマリズムは単なる手段にしかならず、乏しいリソースしか持っていない自分をミニマリズムという言葉で正当化することになる。

自立的生活

自立的生活とは、一人暮らしが可能な程度に自立的な生活をおくっていること。

ミニマリズムは豊富なリソースを活用することでも推し進めることができる。日常生活の大半を外部委託できるほど経済力があれば、日常生活に必要な物品の大半を抱える必要がなくなる、つまりはミニマイズができる。また、リッチミニマリズムでなくとも、パートナーに任せっきりのヒモや、親に依存した引きこもり、その他シェアメイトに世話されている者など、何らかの依存先に大部分を委譲してしまうことでもミニマイズを実現できる。

自立的生活という要素は、このようなマネジメントミニマイズをミニマリズムとして認めないための要素である。

五大要素の充足から見たミニマリスト種別

脱常識 主観的 客観的 能動的 自立的 結果
n - - - - 非ミニマリスト
- n - - - 非ミニマリスト
Y Y n n n フロッグ、ユーザー、マネージャー
Y Y Y n n ユーザー、マネージャー
Y Y n Y n フロッグ、マネージャー
Y Y Y Y n マネージャー
Y Y n n Y フロッグ、ユーザー
Y Y Y n Y ユーザー
Y Y n Y Y フロッグ
Y Y Y Y Y リアルミニマリスト

非ミニマリスト

非ミニマリスト(Not minimalist)とはミニマリストでない者のこと。

ユーザー

ユーザー(User)とは能動的ミニマムでないミニマリストのこと。

ユーザーはミニマリズムを単なる手段と捉えるミニマリストである。ユーザーにとってミニマリズムは「取捨選択の手間を(選択肢を根本的に減らすことによって)軽減する」類のライフハックである。

無論、能動的ミニマムでないからといってユーザーであるとは断定できないが、一般的にミニマリストは潤沢なリソースを手に入れるとミニマリズムをやめる傾向にあるため、能動的ミニマムでない≒ユーザーである、が成立する。この方程式に抗うためには、潤沢なリソースを手に入れた上でもミニマリストで在り続ける実績(つまりは能動的ミニマムであることの証明)が必要となる。

マネージャー

マネージャー(Manager)とは自立的でないミニマリストのこと。もっと言えばマネジメントミニマリストのこと。

フロッグ

フロッグ(Frog)とは客観的ミニマムでないミニマリストのこと。名前の由来は井の中の蛙(かえる/Frog)から。

リアルミニマリスト

リアルミニマリスト(Real Minimalist)とは五大要素を全て満たしたミニマリストのこと。

ミニマリズムと関連用語

ミニマリズムと付き合う上でしばしば登場する用語についてまとめる。

ミニマリスト

ミニマリスト(Minimalist)とはミニマリズムの実践者。

断捨離

やましたひでこが提唱する自己探訪メソッド。

現在では「思い切った片付け」「徹底的な片付け」くらいの意味で使われることが多いが、これは本来の意味ではない。また、断捨離という言葉そのものは登録商標である。詳しくは著者の本をあたるのが良い。

:warning: 以前ミニマリスト Takeru さんが指摘されて騒動になっている。特に自身の営利活動に絡む文脈で使う場合は、注意が必要だろう。関連情報: 1 2 3

参考図書: 「人生を変える断捨離」

こんまりメソッド

「ときめかないものは捨てる」というシンプルな基準によりモノを減らす手法および関連する思想。こんまりこと近藤麻理恵提唱。

これも現在では単に「ときめくかどうかという判断基準でモノを捨てる」という片付け術の一アイデアとして認知されているケースが多いが、本来の意味ではない。断捨離と同様、れっきとした哲学や背景を備えている。やはり詳しくは著者の本をあたりたい。

参考図書: 「人生がときめく片づけの魔法」

マインドフルネス

自分の意識を余すことなく自在にコントロールする(特定の対象に意識の n % を注ぐ、また必要なら 100% すべてを使い切る)要領を、今現在目の前に存在する状況に対して発揮できる状態をマインドフル(Mindful)という。このマインドフルに着目して生産性向上やストレスフリーを実現する思想をマインドフルネス(Mindfulness)という。

マインドフルネスはミニマリズムの応用で促進できるため、ミニマリズムの文脈においてたまに言及される。

例を一つ挙げる。マインドフルネスでは雑念を排除するために瞑想がよく用いられるが、この瞑想には静寂で誘惑の無い環境が必要である。この環境の確保にミニマリズムが役に立つ。客観的ミニマムを満たすほどのミニマリズムであれば、自宅環境には物理的に物が少なく、また己の精神も多種多様な欲望や娯楽に惑わされないよう仕上がっているだろうから、自宅を瞑想の環境としても活用できる。ミニマリズムにより(マインドフルネスの主要テクニックである)瞑想(を実現するのに欠かせない環境の確保)を促進できている。

ミニマムライフコスト

四角大輔提唱の概念。現状の生活水準で生きていく(健康的に生きていく)ために最低限必要な一月分の支出額。

導出方法や「最低限」に関する定義は無いが、たとえば以下のようにして導出する。

ミニマリズム TIPS

ミニマリズムに役立ちそうな概念やテクニックを端的に列挙する。ただし細かいテクニックは(生活術や整理術全般の話になりきりがないため)取り上げない。

アンチストック

ストック(モノを備蓄する)という概念を捨てること。

一日一食

一日一食で済ませること。

メリット:

なお一日一食といっても水分、プロテイン、投入、パウダーなどを一食以外のタイミングで摂取することが多い。

レンタル

モノを所有するのではなく必要な時に借りること。

昨今ではレンタルサービスが充実し、スマホひとつで気軽にレンタルできるようになった。レンタルできるものは車、衣装、家具家電、スマホ、楽器など多岐に渡る。

シェアリング

モノを一人で所有するのではなく、複数人で所有して使い回す運用にすることで一人分の負担を減らすこと。

シェアリングに欠かせないメリットとして「オーナー(シェア対象の所有者)たちとのコミュニケーション」も挙げられる。最も有名なのはシェアハウスである。

シェアの誤用

シェアという言葉を「レンタル」という意味で用いているケースが散見される。シェアと名のつくサービスを利用する際は、それが本当にシェアリングを指すものなのか、きちんと確認しておくことが望ましい。

平均値の法則

「滅多に起こらないことは、平均的に考えればまず起こらない」という経験則のこと。

平均値の法則に従うと、滅多に起こらないことに対する投資を丸々カットすることができる。特にギャンブルや備えに絡む出費をミニマイズするのに役立つ。

例:

NOT 駆動

何を持つのではなく何を「持たないか」、何をやるかではなく何を「やらないか」など、ネガティブの視点で行動指針を決めること。

ポジティブの視点を用いて決めることは(よほど自己分析できてないと定まらないため)難しいが、ネガティブな視点であれば比較的簡単に洗い出せる。NOT 駆動は、前者よりも低難易度で即効性が高い。

リデューシング

リデューシング(Reducing)とは「選択肢を選ぶ」という場面そのものを減らすという視点のこと。

ミニマリズムの根幹を成す視点である。

一つ例を挙げる。「本 1000 冊が家に収まりきらず半分まで絞りたいが、どれも捨てがたい」場合を考える。リデューシングの視点が無いと、必死で捨てるべき 500 冊を検討することになる。リデューシングの視点があると、たとえば「重要な事項は頭に入っているはずだし、思い切って全部捨ててしまおう」となる。全部捨てることで「どの本を捨てるか」という選択行為が丸々なくなることになる。

ホールディング

ホールディング(Holding)とは「選択肢を選ぶ」という場面を「唯一の選択肢しかないので必然的にそれを選ぶしかない」という状態に置換していくという視点のこと。

リデューシングと同様、ミニマリズムの根幹を成す視点である。

最も有名な例は服のホールディングであろう。スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグなど偉人の実践例も多い。

必要十分

過不足がないこと。

ミニマリズムに取り組んでいないとモノは過剰になりがちだが、逆にミニマリズムに取り組むとモノは不足しがちである。いくらモノがミニマムだからといっても、その不足をカバーするために他のリソース(時間やお金など)を過剰に費やしては本末転倒である。

このようなリソース消費のアンバランスを解消し、「どのリソースから見ても全体的にバランスが良い」という状態が必要十分である。

箱詰め

すべてのモノをいったん箱に詰めておき、日常生活は箱から都度モノを取り出して過ごすという過ごし方のこと。

箱詰めの狙いは「全く触ってない箱」や「ほとんど触っていない箱」を可視化し、そのような箱を丸々処分する心理的抵抗を減らすところにある。

ただし箱の詰め方はある程度工夫しないと効力を発揮しない。目安としては少なくとも引っ越しで使うダンボール以下の単位である。

理性的満足感

無印良品が提唱する概念で、「これがいい」ではなく「これでいい」という意識で過ごすこと。

「これがいい」の意識にはエゴイズム、不協和、無理無謀といった性質があり、ミニマム度外視で固執してしまったり、生活や思想が破綻してしまったりしかねない。一方、「これでいい」の意識には妥協や調和といった性質があるため、我を抑えて、無理なく今の環境や前提に適応(ひいては適応先において不要なものをミニマイズ)することができる。

自傷としてのミニマリズム

逃避、発散、自暴や自棄の手段として「自傷」がある。

例:

自傷は言うなれば自らに心身的ダメージを与えることで痛み、快感、喪失感や虚無感などに酔いしれることであるが、「強引な」ミニマイズもまた精神的ダメージが大きいため自傷になりえる。

COS の三条件

ミニマリストとして暮らしていくために欠かせない三条件 City、One-room、Smart-phone のこと。

City

都会(より厳密には「田舎でない」環境)で暮らすこと。

田舎では移動手段として自動車が必須になるが、自動車はリソースを多大に消費する「ミニマリズムの敵」である。ミニマリストは自動車が不要な生活環境を構築しなければならない。最も簡単なのが、都会で暮らすことである。都会であれば徒歩圏内に必要設備が揃っている場所もあるし、多少の遠出も公共交通機関で済む。

One-room

ワンルームで暮らすこと。

ワンルームはミニマリズムにおいて一種の登竜門となっている。客観的ミニマムを満たすほどの本格的なミニマリズムを実現するには、ワンルームでもゆとりを持てる程度のミニマイズが必要になる。

Smart-phone

スマホを持つこと。

昨今ではインターネットはインフラと化しているが、これをミニマムなリソースで手軽に利用できるのがスマホである。従来はパソコンがその役目であったが、パソコンは物理的に大きく、必要な付属品も多いためミニマリズムの敵である。

時間と空間のトレードオフ

モノを利用するスタンスには以下の二つがある。

1: は所持数は最小限で済んでいるが、メンテの手間がある。これは空間の代わりに時間を失っていると言える。2: はメンテの手間はないが、所持数が増える。これは時間の代わりに空間を失っていると言える。

ミニマイズを推進する際は、1: と 2: のどちらを重視するかを知っておくと良い。一般的には 1: の「空間 > 時間」派が好まれる。というのも、ミニマリズムの花型は空間のミニマリズム(商売や承認が前提だが、いかにモノを減らして視覚的なインパクトを実現するかということ)だからである。

ミニマイズ抵抗

リソースに対するミニマイズのしにくさを表す指標。

テレビを例に挙げる。元からテレビをほぼ見ていない人にとっては、テレビのミニマイズ抵抗は小さい。逆に普段からテレビを何時間も見ている人にとっては、テレビのミニマイズ抵抗は大きい。

ミニマイズ抵抗は、ミニマリズムを推進する際に役に立つ指標である。具体的には以下のとおり。

3: については、新たな刺激・出会い・学習などから新しい「価値のあること」を知り、これに注力していくということである。そうすれば元々存在していたリソースに対する価値は下がる。もっと言えばミニマイズ抵抗も下がる。

たとえば元々テレビに一日数時間以上依存し、大して好きでもない感想ブログを運営している A さんがいたとする。A さんはある日、プログラミングを知り、その可能性と楽しさに一目惚れをする。プログラミングに没頭するようになり、テレビのことなどどうでもよくなる。どうでもよくなればミニマイズ抵抗も下がり、結果としてテレビを丸々捨てる、ブログも閉鎖するといったミニマイズを行えるようになる。

ミニマリズムの周辺概念

実践的なネタではないが、ミニマリズムに関連する概念などを雑多にまとめる。

ミニマリストバイアス

ミニマリストバイアスとはミニマリストが陥るバイアスのことで、特定の事物(特に自分が元から依存しているもの)に対してミニマイズを行うという視点が欠けること。

例をいくつか挙げる。

ミニマリストバイアスに陥ったミニマリストは「友達ゼロ人などありえない」「自炊が最良の食事手段に決まっている」「スマホは絶対に必要」といった決め付けを行う。これは非ミニマリストが「テレビが無いなんてありえない」と言っているのと同じようなものである。テレビを持たない生活を知らない非ミニマリストが、テレビを持たない生活についてイメージできないように、友達を持つミニマリストは友達を持たない生活をイメージできない(自炊やスマホについても同様)。決め付けが本当に正しいかどうかは、基本的に、実際に経験してみることでしかわからない。

自覚無きミニマリスト

ミニマリズムやミニマリストについて知らず、また自覚もないが、ミニマリズムに取り組んでいる者を自覚無きミニマリストという。

この言葉には「世の中には単に知られていないだけの、自覚無きミニマリストが多数存在する」という前提や期待がある。自覚無きミニマリストは能動的に情報を発信せず、また、したとしてもミニマリズム絡みのキーワードを使わない。そのため自覚無きミニマリストにはリーチしにくい。いかにして自覚無きミニマリストにリーチするかは、ミニマリズムの知見を広げる意味でも極めて重要なミッションである。

デスミニマリスト

デスミニマリスト(Death Minimalist)とは、ミニマイズについて考えるあまり「自分の生を絶てば良い」という結論を至り、自殺に向けて動き出すミニマリストのこと。

デスミニマリストは自覚無きミニマリストではない。あくまでもミニマリズムという概念を知り、追求した結果、死という結論に至ったミニマリストを指す。

デスミニマリストに陥らないためには、以下を心がけると良い。

参考

書籍

Web

更新履歴

Back to the toppage.