労働者体験
働く者の豊かさを示す指標の一つで、孤独に専念できるという意味での豊かさを示すもの。
Labor Experience.
略称はLX。
背景
- 1 生産性の追求は非人道的になりがちである
- 2 [開発者体験]の概念はITエンジニアの間で知られており、働く者の豊かさを示す、良き指標と言える
- 3 [従業員エンゲージメント]の追求も近年見られるが、拘束と親睦の圧力がありがちで負担が高く、均質性または搾取を助長しやすい
- 開発者体験を参考に、労働者全般に当てはめられる指標が必要と感じて、この言葉をつくった

概要
- 労働者にとっての豊かさとは何かと考えたときに、「主体性」が挙げられる
- 主体的に動けること。コントロール感があること。
- 仕事自体もそうだし、働き方もそうである
- 主体性が損なわれることは望ましくないし、著しく損なわれることは非人道的である
- 主体性とは?
- LXが高いとは:
- Slackがある、Soloで居れる、適度なStressがある
- LXが低いとは:
- Slackがない、Soloで居る時間がない、Stressがないか過剰であるかジャンルがマッチしていない
Q&A
- Q: 飲み会やワークなど皆で集まって喋ったり作業したりといったことは、LXを高めますか?
- Ans: [* いいえ]
- それらは単に社会的欲求を満たしているか、情報密度が高くて満たしているだけであり、労働者体験とは無関係です。むしろLXとしては低いと言いたいくらいです
- 上述したとおり、LXのフォーカスはSlack, Solo, Stressです
- Q: 同座してはいるが、SlackやSoloが確保されているという状態がありえるか?
- Ans: ありえないことはないですが、難しいです
- 実質無理くらいに思った方がいいでしょう
- なぜなら本当に自分らしく過ごすのであれば、人目はノイズでしかないからです
- 少し極端なたとえをすると、裸族として過ごすのが一番快適な人がいたとすると、この人がLXを最大化するには裸族として過ごさねばなりません。自宅でリモートでないと無理でしょう。このたとえに限らず、「自分らしい過ごし方」はしばしば人に見せられないものです
- ただし、Stressが高くないと専念しづらい人というのもいて、このような人は同座くらいの負荷が必要かもしれません。わかりやすい例でいうと、カフェの方が仕事ができるといった人はそちら寄りです。また、同じ人であっても、作業したいときは環境負荷を高くして、創造的にアイデアを考えたいときは環境負荷を低くするといったことがありえます
- Q: ナレッジワークなど、ごく限られた労働のみにフォーカスしていませんか?
- Ans: いいえ
- たとえば肉体労働や選手の練習・トレーニングなども想定しています
- Q: 労働者体験ベースで管理を行うには、どうしたらいいでしょう?
- Q: [従業員体験]との違いは?
- Ans: 全然違います
- 従業員体験(Employee Experience, EX)は、従業員の一連の体験(採用されてから退職するまで)を指すもので、要は全体的な居心地を良くしないとダメだよねというものです。大胆に言えば、従業員もお客様とみなして満足していただくように企業側が立ち回った方が良さそうだという話です。Employee As A Customerも参考にしてください
- 一方、LXは、働くという意味での豊かさを「主体性の発揮」に置いた上で、その度合いを見ています。特にこの度合いを増やすためにSlack, Solo, Stressを増やすべしと言っています
- Q: なぜ Labor という言葉を採用したのですか?