かんばん式のタスク管理を使い始める前にやるべきこと

それはゴールツリーをつくることだと思う。

(用語)ゴールツリーとは

ここまで終わった後で、ようやくかんばんツールの出番。

(用語)ゴールルートとは

ゴールツリーがあらわす「ゴールまでの道筋・道のり」を ゴールルート と呼ぶ。

そもそもかんばんの役目とは

かんばんの役割は「誰がどのタスクを担当しているか」「進捗はどうなのか」を俯瞰するところにある。

言い換えると、タスクがはっきりしていない段階では意味がない。ゴールルートが決まっていないことには進捗も俯瞰もクソもないのだ。

かんばんを使い始める前に、まずはゴールルートを合わせねばならない。

(例外)いきなりかんばんを使っても良いケース

それは以下をすべて満たした場合。

この場合、ゴールルートは各自が頭の中で構築できる上、それ(自分の脳内にあるゴールルート)はメンバーにも伝わる。伝わらないにしても、認識の齟齬は軽微であり、口頭やかんばん上で修正できる。

FAQ

Q: 不確定要素が多すぎてゴールツリーをつくれない場合は?

仮説でいいので、できるところまでつくります。その後、かんばんにてタスクの可視化を行い、各自タスクを消化していきましょう。

状況が見えてきたら、また改めてゴールツリーをつくりなおします。

Q: ゴールツリーをつくりなおした後、かんばんに入れたタスクはどうするの?

引き続き「今のツリー」に残っているものはそのまま残しますが、「今のツリー」と関係ないタスクは削除します。

手作業でつくったタスクを消すのは忍びないかもしれませんが、あっても邪魔なだけなので、思い切って消しましょう。

Q: ゴールツリーの「ゴール」とはどのような粒度ですか?

ゴールとは直近実現したいことです。

直近の定義はお任せしますが、半年以内や二ヶ月以内など比較的短くなるはずです。一年だと長過ぎですね。

Q: 一年以上など「それなりに先」のゴールツリーもつくりたい場合は、どうすればよいですか?

ゴールツリーにゴールツリーを持たせるように構築します。

たとえば「将来的に達成したい目的」が一つあり、「そのために必要な目標」が五つあったとしたら、目的の下に「目標をゴールにしたゴールツリー」がぶら下がる形になります。そして、直近では、「目標をゴールにしたゴールツリー」のうち、最も重要なものを一つ選んで取り組むのです。

つまり、こういうことです。

Q: 「最悪やらなくてもいいが、できればやりたい orやっておきたい」ようなタスクはゴールツリーで管理しますか?

いいえ、管理しません。

ただし後で参照できるよう、どこか一箇所に溜めておく(これを バックログ と呼びます)ことをおすすめします。

一つ気を付けたいのが、バックログに溜めただけでは意味がないということです。バックログはたまには見返してやる必要があります。見返すタイミングは任せますが、確実にやりたいならゴールツリーに含めるのが良いでしょう。

個人的なおすすめは、「Aについて各自10分でひとりブレストしてみる」というタスクをツリーに入れておくことです。10分程度ならスキマ時間にできますし、ひとりなので自分のペースで進められます。たった10分ですが、それでも何もせず眠らせておくよりははるかにマシです。

ブレストの結果ですが、全員が自由に読める場所に置いておきます。これは各自が読んで、必要なら振り返りの時に議題にします。

Q: 振り返りや進捗確認はどのように行うのですか?

週に一度、など定期的に行うようにします。

確認は対面である必要はありませんが、「メンバー全員が最新のゴールツリーを理解している」状態を維持できるようにしてください。