パターン:コンサルタントとしてのASD
サマリー
- ASD はコンサルタントとしてなら生かしやすい可能性がある
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背景とアプローチ
- コンサルタントについておさらい
- 私たちはアロセントリック(環境中心)的であり、既存の文脈にとらわれるため、構造的な問題に対処しづらい
- ここを担当するのがコンサルタントで、文脈に染まってない第三者としてヒントを提供する
- 通常は何らかの専門分野に基づく(経営、IT、人事、財務など)
- コンサルのアプローチは大まかに以下:
- 1: データやファクトを用いたロジックで殴る
- 2: 権力者向けの対話、内省、壁打ちを継続的に行うことで悟ってもらう
- 3: 外の情報、特に潮流や権威を持ち込むことで、井の中の蛙感に気づかせる(危機感を煽る)
- また「直接負うのはだるいが、コンサルが言っているから」のような責任転嫁としての使いやすさもあり、改善したがる権力者の腰をわずかながら上げる効果もある
- コンサルは意思決定権は持たず、あくまでも情報を提供するのみ
- しかしコンサルは高額であり、通常は経営層が組織全体の改善で使う。マネージャーが抱える範囲で使えるものではない
アプローチ詳細
- ASD はエゴセントリック的であり、既存の文脈に染まらない
- これはつまり、組織の一員でありながら、しかし染まってはいない状態でいれる
- また ASD は社会性の困難を抱えており、率直なコミュニケーションが可能である
- コンサルタントの資質を持っていると言える
- マネージャーが自身の周囲を改善するための 「ヒントを出す存在」として ASD 部下が使える 可能性がある
- どのようにコンサルするかは、対話しながら決めていく
- まずは、上述した三通りのいずれか(複数でもよい)で試すといい
- あるいは、ASD 部下側の提案があれば、まずは任せてみても良い
- しかしながら、ASD 部下は社交的あるいは権限的に情報を集める部分が苦手であるから、上述で言えば 2: や 3: を使うケースが多いと思う
- また数字を扱う能力に弱いというのもある(レアケースだが逆に「強い」場合もある)
- おそらく本職のコンサルには劣るが、以下の点で強みがある
- 部下として安価に、かつ気軽に利活用できること
- チームや組織の文脈をある程度理解していること、また追加のインプットもしやすいこと
- 組織全体という経営者レベルの視座ではなく、チーム内という「手に届く範囲」の現実的なスコープで検討しやすいこと