パターン:ワンレス・セッション
サマリー
- 合理的配慮の一環として「ASD部下だけが参加していない場」をつくるのは有益
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背景とアプローチ
- 1: ASD 部下の合理的配慮を検討する際、(当人とマネージャーだけでなく)チームメンバーも交えた方が上手くいくが、当人がいる場だと行いづらい
- 2: みんな基本的に忙しい
- 1+2、ゆえにそのような議論の機会自体が確保されず、問題がいたずらに引き伸ばされる
- あるいは性格が悪い場合、ASD部下に聞こえるか聞こえないかという場面でもあえて話題に出すこともあるが、それを望まないメンバーのメンタルが悪化する
- 👉️ASD部下のいない場をつくる
アプローチ詳細
- 場とは:
- チャットなどデジタルな場のこと
- 打ち合わせなど、時間や場所を一時的に拘束する過ごし方のこと(特に定期開催など開催を設計していること)
- 場なので恒久的に存在すると考えがちだが、できれば「一時的に場をつくる」を「定期的 or 必要に応じて行う」にするのが良い。理由は2つある:
- 1: 恒久的につくると、動線がそっちになってしまうことがあり ASD 部下の機会損失が著しくなるから(イジメの範疇になる)
- 2: 恒久的な場だと形骸化しやすいから。議論の度に新たに場をつくった方が新鮮で、メリハリもつけやすく、当事者性を維持しやすい
- 最も単純な例:
- ASD 部下以外の全員を招集した会議を一度だけ開催すること
- (ASD 部下が参加していない)飲み会やランチの場で、議論すること
議論
- Q: 合理的配慮は本人との対話が重要であって、本人がいないところでいくら話し合っても意味ないのでは?
- Ans: はい
- より詳しく言うと、「1: ASD 部下とマネージャー」「2: ASD 部下と他メンバー」「3: マネージャーと他メンバー」、どの対話も必要で、ここでは 3: の機会を確保するパターンを論じています
- もちろん 1: や 2: をなくしていいわけではありません。2: はなくてもいいこともあります(例:シングルゲートウェイ)し、チームメンバーにそもそも知らせない場合もありますが、もしそれで済まないなら 2: も必要です
- そして、2: のためには、まずは 3: を設けて、マネージャーから他メンバーに共有しなければなりません
- 背景で述べたとおり、何もしないとその機会は生まれにくいので、意図的に ASD 部下を参加させない場をつくる(ことで機会損失を食い止める)のです