リアクション・スイッチングとは、会議において「応答していいかどうか」を切り替えることです。
リアクションを制御するという視座は、ありそうで意外とありませんでした。ホラクラシーの戦術会議などティール組織では使われることがあります。
Responses are not allowed. (応答は許可されていません)
Meeting Processとして時折指定されています。
従来は「常に可能である」か、「特に指定してないけど常に可能である」のいずれかでしょう。いずれにせよ、常にリアクションが来るものであったため、リアクション無しで円滑に進行するのが難しかったのです。
リアクションが許されているとは、割り込みが許されているということです。その場で対話をしていくには向いていますが、円滑に進めたい場合は必ずしも向いているとは限りません。
SNSでも文脈を理解せずに大きな声を挙げる光景がよくありますが、会議でも同様の光景はよく見られます。この迂闊な現象を食い止めるためには、リアクションそのものをプロセスやルールとして禁止しなくてはなりません。
もちろん、会議の間ずっと禁止するのも融通が利かないですから、リアクション・スイッチングという形で切り替えられるようにします。
リアクション・スイッチングの概念を使うと、「リアクションを禁止する時間帯」を使えるようになります。
これにより、リアクション無しで円滑に進めたい場面を機能させることができます。たとえば:
Ans: リアクション・スイッチングは、リアクションが可能な双方向的な状況において、一時的にリアクションを封じれるようにする、というものです。
一方、講義のようなあり方は、デフォルト(標準)でリアクションが不可能であり、時折Q&Aなどの形でリアクション可能にしています。
Ans: 目安はあります。
イーブンです。
たとえば会議が40分だとすると、リアクション可能な時間が20分、不可能な時間も20分、と半々で設計します。
従来は 40:0 の一択でしたが、これを 20:20 にします。そうすることでリアクション不可能時間帯という「円滑に進む時間帯」の恩恵を味わえます。
多くの場合、40:0 で常にリアクション可能な状態で続けるよりも、はるかに生産的になります。タスクもそうだと思いますが、割り込みは好ましくないのです。
Ans: そのチームや組織の傾向がわかります。
リアクションレートとは、平均的な会議におけるリアクション可能とリアクション不可能の比の値です。
たとえば30分の会議で、可能:不可能 = 20:10 の場合、20/10 = 2.0 がレートとなります。
レートが高いほど、そのチームは瞬発的です。仕事は慌ただしく、会議も多く、対面で集まって高密度に話し合って進めたがります。おそらくリモートワークもないか、あっても出社自体はなくさないでしょう。あるいはリモートであっても、オンライン会議や常時繋ぎっぱなしのようなことが多いと思います。
レートが低いと、そのチームは持久的です。ひとりでじっくりと考えたりつくったりする時間も取れます。リモートワークも実現しやすいです。ただし、自律的なキャッチアップや、しっかりとした成果物の提出または率直なレビューなどが求められます。プライベートでも仕事のための勉強や鍛錬を行うような強さがないと務まりません。
一つの目安として、レートが5.0以上だと瞬発的だと言えます。
逆を言えば、30分中5分くらいリアクション禁止を確保していれば、それはもう持久的の域と言えます。もちろんレートが小さいほどより持久的なので、4.0のチームと2.0のチームとではおそらく全然違います。
ちなみにリアクション禁止を導入しない場合は、レートは計測不可能です。リアクション・スイッチングの観点では、スタートラインにすら立っていない「論外の水準」と言えます。