1. 基本用語
    1. ソリズム
    2. ソリスト
    3. 友達
  2. 類似する言葉との違い
    1. 「ぼっち」や「ソロ充」との違い
    2. ソリタリーとの違い
  3. なぜソリズムか
    1. ヘイトとは
      1. 精神的ストレス
      2. 割に合わない努力
      3. 時間浪費
    2. ソリストの資質
      1. アンチブラックボックス
      2. 時間ケチ
      3. ORID
  4. ソリズムの弊害
    1. 言語処理能力
    2. 発声能力
    3. 空気読解力
    4. 「時間的なあそび」への耐性
    5. 幸福感
  5. ソリズムのヒント
    1. ソリズム・ワークフロー
      1. まずは趣味を
      2. 次にストレスを
      3. そしてパワーアップを
    2. パラサイトシングル
      1. メリット
      2. デメリット
      3. パラサイトシングルとの付き合い方
    3. 分人
    4. アンチハピネス、アンチプレジャー
  6. 参考
    1. 書籍
    2. Web

2019/05/26 14:16:25 いったん終了。ヒントはまだまだ少ないがコアとなる思想は出せたと思う。推敲や拡充もできなくはないが、今はそこまでやる気出ないのでいったんおわり。

基本用語

ソリズム

ソリズム(Soloism)とは恋人や友達に頼らずに人生を充実させるというライフスタイル、人生観、主義のこと。

この文書では「主義」という言葉を用いることにする。

ソリスト

ソリズムに取り組む者をソリスト(Soloist)と呼ぶ。

友達

ある人 A に対して、以下をすべて満たす時、A は友達(Friend)である。

定義としてはいささか主観的だが、友達という概念をきちんと定義するのは困難であるため、ソリズムではこのようにした。

類似する言葉との違い

「ぼっち」や「ソロ充」との違い

一言で:

ぼっちもソロ充も「ある一時の状態」を指す。たとえば二人以上のグループが 95% を占める昼休憩中の大学食堂において、一人で昼食を食べている状態は「独りの状態」であるが、これはぼっちにもソロ充にもなりえる。本人が満足しておらず、やむを得ずそうしているのならぼっちであり、満足していて自分から率先して行っているのならソロ充である。

ソリズムは主義であるため、本人の満足度は扱わない。したがってぼっちのソリズムもいれば、ソロ充のソリズムもいる。

ソリタリーとの違い

一言で:

ソリタリー(Solitary)は 2014/04 に放送された TV 番組「ホンマでっか!? TV」にて取り上げられた概念であるが、これは社会的動物である人間の中にも、独りを好む指向を持つ個体が存在することを指す言葉である。ソリタリーを持つ者は、社会性の充足に対して無関心であるため、そうでない多数派からは強がりや問題児とみなされやすい。

※ちなみに、単なる英単語 Solitary としては、単に「独りの状態」を指す。Lonely が持つ Unhappy といったネガティブなニュアンスはない。

一方、ソリズムは単なる志向であるため、人はソリタリーの有無や程度によらず、ソリズムになることができる。

なぜソリズムか

なぜソリズムを選ぶか。それは「従来減らしたくても減らせなかった負荷(ヘイト)を軽減したい」から。

昨今では多様なライフスタイルや人生観が生まれている。また、これらについて容易に知ることができるようにもなった。もはや従来のように「閉鎖的な集団下で同調すること」に従う必要は無い。

この脱・閉鎖環境のアプローチの一つがソリズムである。ソリズムでは閉鎖環境における「減らしたくても減らせなかった負荷」をヘイトと名付けて明示的に捉え、これを減らすことを考える。

ヘイトとは

ヘイト(Hate)とは対人関係から生じる負荷を意味する。以下三つを指す。

精神的ストレス

対人関係において生じるストレス。たとえば以下がある。

割に合わない努力

相手と一定の関係を構築する、または相手から何らかを手に入れるためには、対人関係の構築(努力)が必要である。しかし対人要領が悪い場合、または悪くなる要素を持っている場合は、中々努力が実らない。また、やる気に対して当該構築作業の手間が大きい場合は、中々努力が実らないと感じる。これらを「割に合わない努力」という。

時間浪費

人付き合いには時間がかかる。これは人付き合いの以下性質による。

つまり本質的に高難度であったり、(相手次第だが)根本的に非効率的であったりするがゆえに時間がかかる。

ソリストの資質

以下の資質を持つ者はソリストに向いている。

アンチブラックボックス

パラメーターやフィードバックが明確に見えることをホワイトボックス、見えないことをブラックボックスと呼ぶ。アンチブラックボックスとはブラックボックスを嫌う性質のこと。特に人付き合いは利害、無自覚、感覚や本能といった打算性・曖昧性を持つゆえに典型的なブラックボックスであり、アンチブラックボックスとは十中八九、人付き合い(という強力なブラックボックス)嫌いも指す。

時間ケチ

時間ケチとは時間という資源を貴重と考え、金銭的にケチであるかのように己の時間についてもケチケチする性分のこと。

人付き合いは根本的に多くの時間を消費し、またそもそも時間というコストに無頓着な人間が多いこともあるため、時間ケチにとって人付き合いは地獄である。

ORID

ORID とは Outside Rough, But Inside Delicate の略で、アウトサイドメンタルは強いがインサイドメンタルは弱いことの意。

インサイドメンタルとは人と関わった時のメンタル。アウトサイドメンタルとは人と関わらない時のメンタル。以下に例を示す。

ORID な人はアウトサイドメンタルが強いため、対人関係を構築しづらい。これは構築しやすいような我慢、妥協、歩み寄り、練習鍛錬といった必要や蓄積が無いためである。しかしながらインサイドメンタルは弱いため、たとえ構築できたとしても疲弊しやすい。性質的に人付き合いが向いていない性分と言える。

ORID な人はこの事を意識的、あるいは無意識的に自覚し、インサイドに踏み込まれないよう、アウトサイドを放置または強化する傾向にある。他人からは対人メンタルが強いように見受けられるが、実はインサイドは弱いのである。もちろん、イン・アウト両方とも強い人(ソリタリー)もいる。

ソリズムの弊害

ソリズムには様々な弊害が存在する。具体的には以下が鈍る。

言語処理能力

コミュニケーションは高度な情報処理である。通常は会話機会が十分に担保されるため自然に鍛えられるが、ソリストはこの機会が乏しいため十分に鍛えられない。以下のようなことが起こる。

ただし読み物や書き物は問題無い。どころか人並以上に経験している分、優れていることもある。たとえばタイピングが速かったり、メモの取り方や探し方が上手かったり(ツールをマニアックに使いこなすレベル)、文章を読むスピードが人より早かったりする。

発声能力

ソリストは発声する機会が乏しく、一日両の指で数えられる程度しか発声しないことも珍しくない。このような生活を続けていると、声帯をはじめ、発声に必要な諸器官が鈍ってしまい、物理的に発声できなくなったり、大きな声を出したりすることができなくなる。以下のようなことが起こる。

空気読解力

空気とは会話における「間」のこと。であり、コミュニケーションにおいては、これを理解する(空気を読む)ことで対話者各々の自律的な、しかし衝突無しの発言を実現する。ソリストは、この空気を読む機会にも欠けるため、要領が鍛えられない。以下のようなことが起こる。

「時間的なあそび」への耐性

「時間的なあそび」とは集団において生じる無為、非効率、非生産的な時間のこと。

例:

ソリストは普段から時間を自分のためだけに使っている時間ケチであるため、時間を目的もなくだらだらと浪費する「時間的なあそび」には強烈な嫌悪感や忌避感をおぼえることが多い。

幸福感

ソリズムでは幸福を「他者との交流でのみ満たされる精神的充足」と定義する。つまりソリストである以上、幸福にはなれない。実際、ソリストはいくら趣味を充実させ、ストレスを減らし、自らをパワーアップさせて世界を広げたところで、自分を幸福だと感じることはない(充実は感じやすい)。

ソリズムのヒント

ソリズムを発展させていく際に役立つアイデアやテクニック等を雑多にまとめる。

ソリズム・ワークフロー

ソリズム・ワークフロー(Soloism Workflow)とは、ソリズムで人生を充実させるためのステップを 3 段階にまとめたもの。

まずは趣味を

Firstly, collect hobbies.

ソリズムでは「趣味の充実は人生の充実(HEILE - Hobby Enhancement Is Life Enhancement)」だと考える。自分が楽しめる趣味をいかに開拓し、手に入れるかが重要である。

HEILE のアプローチには以下 3 つがある。

多趣味と没頭については割愛する。ソロ活とは「やろうと思えば独りでもできるが、普通は複数人でやるのが当たり前であり、どころか独りでやろうとも考えないようなこと」をあえて独りでやって楽しむこと。簡単に言えば「ひとり●●」である。

趣味については趣味学にて整理している。

趣味学

次にストレスを

Secondly, reduce stress.

一般的に人生の充実には波(山谷)がある。充実している時は本当に充実しているが、辛いことは本当に辛い。ソリストはこのような不安定性を嫌う傾向にある。これは対人関係という典型的な山谷を避けることからも自明であろう。

この不安定性から脱却するために、安定感を身に付ける――ハイストレスハイリターンよりもローストレスローリターンを目指すことを考える。ストレスフリーを重視すると言い換えても良い。

このあたりの話題は Flatism という概念で整理している。

Flatism(フラティズム)

そしてパワーアップを

Finally, do power-up yourself.

趣味を充実させ、フラットになれたとしても、物足りないのが正直なところである。そこで第三段階として自分を成長させる。自分を成長させることは二重の意味で有益である。つまり純粋に楽しく、行動の幅も広がる。

例:

パラサイトシングル

パラサイトシングルとは自活できる経済力がありながら、あえて親元で暮らしている独身者のこと。親元に寄生(パラサイト)する、という名前のとおりネガティブなニュアンスが強い。

しかしながら、パラサイトシングルはソリズムを強力にサポートし得る「現実的な」選択肢である。

メリット

デメリット

パラサイトシングルとの付き合い方

パラサイトシングルをどの程度まで続けるべきかは環境による。ただし、今現在快適であっても、時間が経つにつれ不快になる傾向がある(特に両親の老いに伴う過干渉や支援の増加)ため、そうなる前に距離を置く手はずは整えておきたい。

例:

分人

分人(ぶんじん)とは作家、平野啓一郎が提唱する「個人は色んな顔を持っており、本当の自分とはそれぞれの顔の構成比のことである」とするスタンス。

ソリストはえてして自分に厳しく、自分のアイデンティティ(特にソロで在り続けること)を追求しがちだが、分人もそうであるとは限らない。よほど資質に恵まれているか、障害でもない限り、ソリストにも社会的欲求はある。ならば、そのような欲求を満たしたい自分もいる(そういう顔がある)ことを受け入れた上で、それにある程度費やしてしまった方が建設的である。

例: 会社の飲み会を楽しむ顔がある場合

そういう分人がいるのだと受け入れる。その上で構成比率を変えていけばいい。飲み会が足りないなら参加頻度を増やせばいいし、多すぎて面倒くさいなら減らせばいい。

ここを無理に最初から「ソリストだから一切参加しない」と抑圧してしまうのはアンチパターンである。自分の一つの顔について見てみぬフリをすることになってしまい、欲求不満となる。

ただし、(ソリズムに反する)顔があるからといって、ソリストというスタンスを崩してしまっては意味がない(ヘイトを避けたいためにソリストでいるのにヘイトと向き合うことになってしまう)。(ソリズムに反する)顔については、ソリストであることを維持したまま付き合うことを考える。

例: 会社の飲み会を楽しむ顔があるが、気を遣いたくない場合

アンチハピネス、アンチプレジャー

アンチパヒネス(Unti Hapiness)とは幸福を避けること。アンチプレジャー(Unti Pleasure)とは快楽を避けること。

人は幸福と快楽を求めるが、ソリズムでは幸福と快楽を満たしづらい。というのも、幸福を得るための主な手段はパートナーや家族を持つことであり、快楽を得るための主な手段は(精神的充足を伴う)セックスを行うことだからである。どちらもソロでは手に入らない。せいぜい指導やペット、あるいはサービスなどで部分的または擬似的に満たせる程度であるが、本物には遠く及ばない。

そこでソリズムでは「そもそも幸福や快楽を手に入れようとしない」と考える。

これは馬鹿げた逃避行動に思えるかもしれないが、(幸福はともかく快楽については)以下の事例を見れば説得力も増すだろう。

上記手段は手軽に快楽を満たせる手段だが、だからといって手を出せばいいかというと、そうではない。リスクというものがある。その他の快楽や幸福についても同様で、リスクがある。たとえば「責任」や「(自分の時間や気力の長期的な)投資が報われないこと」などがある。

こういったリスクを未然に防ぐために幸福や快楽を追い求めない。そう考えればアンチハピネスやアンチプレジャーには取り組みやすい。

参考

書籍

Web

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