社内Q&Aとは、社内で社員間が自由にQ&Aを行えるようにすることです。あらかじめ用意した回答を見てもらう社内FAQとは違うことに注意してください。
社内Q&Aの実現は非常に難しいですが、Rapid Q&Aを使うと比較的実現しやすいと思います。
以下のコンセプトを採用した Q&A のあり方を指します。
従来のQ&Aでは、まず自力での解決を求めるところがありました。「過去に同じ質問がなかったか探せ」などです。これが質問のハードルを上げていました。
また、システムや雰囲気も形式的になりがちで、気軽に質問・回答するには程遠くなりがちでした。
Rapid Q&Aは違います。その名のとおり、迅速な質問と回答を実現できます。
以降ではRapid Q&Aを実現するための詳細を、特にTeamsを用いた例を使って詳しく述べていきます。
難しい問題に取り組んでいることもあり、要求するものは色々とありますが、一つ一つは難しくありません。
Microsoft TeamsでRapid Q&Aを実現する例を見ていきます。
他のやり方でも実現できますが、Teamsが最もわかりやすいと思うので今回例にしました。
結論を言うと、以下を行うだけで大枠は整います。
これだけです。
あとは各社員が自由に誰でも何でも質問や回答をします。仮に社員数が3000人だとしたら、3000人全員が一つのチャネルに集まることになります。
要するに、全員を一箇所に集めれば数の力で盛り上がるよね、どんな質問でも大体回答がすぐに来るよね、ということです。
色んな問題が想定されますし、実際起きますが、そんなものは潰していけば済みます。
主な問題とその対策を述べていきます。
Q: Rapid Q&Aのコンセプトがわからない
Ans: 啓蒙してください。
ただしRapid Q&Aを行うチーム(会場と呼びます)内で行うのはやめましょう。メッセージを固定したり、タブにコンテンツを埋め込んだりするのは論外です。会場はあくまでも純粋にRapid Q&Aのみを行う場所でなくてはなりません。ここまで徹底しないと社員が定着しないからです。
Q: 通知がうざいです
Ans: 通知はゼロにするべきです。
機能としてなくすことはできないので、ルールとして全体メンションを含むメンションの使用を禁止してください。
それでも使う人はBANしてください。経営層だろうと無知だろうと例外はありません。通知があるとノイジーであり、Rapid Q&Aが定着しないので、通知ゼロは絶対に死守し、破る者は厳しく追放してください。
ちなみにスレッド単位の通知については、各自でオフにできます。また通知設定も細かく制御できるので、啓蒙すると良いでしょう。
Q: 流速が凄まじいです
Ans: そういうものです。
流速が凄まじいからこそ、中毒的にハマってスクロールするようになります。SNSほどの依存性はもたらしませんが、高頻度にチェックする場所となります。逆を言えば、それを実現するために、あえて一箇所に集めて盛り上げているわけです。
神経質に全部に目を通すとも考えないでください。Rapid Q&Aは各自のベストエフォートで問題ありません。それでも数の力があるので成立します(ほぼすぐに回答が来ます)。
このTeamsによる実装例の目的は、以下を検証することです。
これらを検証するために、社員全員を巻き込んでしまうのです。所詮はチームを一つ増やして放り込むだけですから、大した実害はありませんし、手間もかかりません。本当に社内Q&Aを実現したいなら、これくらいの試走はやるべきです。
おそらく経営層の判断が必要でしょう。臆せず投資してください。わからなければ、DXに詳しい人材に相談するなり任せるなりしましょう。また、啓蒙が必要ですので、その点も頑張ってください。
※社員全員を招待するのは手間がかかります。手作業では厳しいのでAPI等で自動化しましょう。しかし、最も早いのはorganization全体のチームをつくることです。
現実的には以下のような問題が出てきますが、仕組みの作り方でどうとでもなります。
他の問題も同様です。DXに詳しい者や、ITエンジニアであればこの程度はどうとでもできます。何なら、Rapid Q&Aに関する問題を会場で質問すれば、わかる社員達が答えてくれます。
Rapid Q&Aにおいて最も重要なことは「質問したら、ほぼ必ずすぐに回答がつく」状態にありつくことです。
人が少なすぎてそもそも回答がつかないのもダメですし、逆に流速が速すぎて「そもそも読まれない質問が多い」もダメです。その間の、ちょうどいいバランスを当てねばなりません。これをゴールデンバランスと呼びます。
ゴールデンバランスにありつく努力をしてください。といっても、通常は「そもそも盛り上がらない」ことが大半ですから、まずは盛り上がることを目指しましょう。流速が速すぎるとの懸念は、まずは捨てて結構です。実際に起きてから考えましょう。
質問内容が極端に難しかったり、あるいは的を得なくて理解しづらかったりすることがあります。
このような質問は放置されがちであり邪魔ですし、質問者本人も(誰からも回答が来ないので)精神的なダメージを負いがちです。
これを防ぐために、そのような質問に関する率直な感想を回答するようにします。これを明示的な感想と呼びます。
たとえば「分かる人はいないと思う」「質問の意味がわからない」などです。一見、辛辣に見えますし、もちろん明示的だからといって誹謗中傷など何でも書いて良いわけではありませんが、それでも無反応よりは健全です。
明示的な感想についても、社員たちが行ってくれるよう啓蒙していきたいところです。
Rapid Q&Aについて、Teamsの例を用いて基礎を説明しました。
最適なあり方は結局組織次第ですが、上述したとおり、まず試してみることは比較的かんたんにできます。試してみれば色々と見えてくるはずです。
社内Q&A、特に本記事が想定する大組織向けのものは、まともな実現例がないほど難しいと思われがちですが、このとおり発想を工夫すれば案外そうでもありません。