社員ランクとは、正社員をいくつかのランクに分けることです。
社員制(正社員 + メンバーシップ)の問題点は入社のハードルが高いことです。「社員が満たすべき条件」は選考で調べますが、ハードルが高すぎて正直バクチです。そうでなくとも採用コストは高くなりがちです。
ランクを設けることで、低ランクについてはハードルを下げることができます。
上記要件を満たしていないからです。
上記要件を満たしていないからです。
社員ランクとは、職位が最低である平社員という枠について、さらにランクを設けるということです。
あるいは、そもそも階層を撤廃した上で、正社員に社員ランクを設けることです。
※階層の撤廃とは、社員の職位を同一にして、役割だけが違うという世界観です。たとえば経営者、マネージャー、現場の技術者は役割が違うだけで、職位(階級)は同じです。上下関係がない代わりに、役割分担で連携します。
※厳密に言うと、職位=階級+役割ですが、これを職位=役割にするということです。
社員ランクの実現においてキーとなるのが仕事の分離です。
仕事の分離とは、分業や委譲をしやすくするために、仕事を小分けにすることを指します。
通常、仕事というものは本質的に煩雑なものであり、綺麗に小分けすることなどできません。機密情報も含みますし、ネットや本で調べても出てこない固有の事情もありますし、やり方も泥臭いことが多いです。
ですので、仕事は十分な能力を持つ、信頼できる人にしか基本的には渡せません。そうでなくとも、教える側が時間をかけて、相手に応じて融通を利かせながら教えていくことになります。
もちろん、このような状態では小分けなどできません。
仕事を分離するには、日頃から設計と整理を行う必要があります。
たとえば仕事を「きりのいいタスクという単位」に分割しているとして、かつ、それら各々に機密レベル(機密情報がどれだけ含まれているか)を設定しているとしましょう。この場合、機密レベルが低いものは、機密性という観点では渡しやすいでしょう。
このような発想を適用する必要があります。
仕事の分離は当サイトの提唱であり、まだ新しい概念ですが、これを行う能力の持ち主はすでにいます。
ITエンジニアです。
ITエンジニア、特にソフトウェアエンジニアやプログラマーといったソフトウェアをつくる人達は、設計を行っています。つくりたいものをソフトウェアに落とし込むために、概念とその組み合わせ方を設計しています。概念を扱う力があるのです。
特に分離の思想もよく使います。たとえば機密情報を安易を含ませないよう、常に外部から与えるような仕組みをつくったりします。エンジニアはオープンソースの形でソフトウェアを全世界に公開しますが、これも機密情報が混ざらない(かつ必要に応じて注入できる)よう分離できているからです。分離できているからこそ、「公開しても問題ない部分」があるわけですね。
仕事の分離も同じです。私たちの置かれた状況や制約、仕事の中身などから上手く概念をつくり、組み合わせることで、「こうすれば分離が成立する」というシステムをつくればいいだけです。素人には到底不可能ですが、概念を扱えるエンジニアなら可能です。
制約セクションとは、全社員に課される制約を区分けすることです。
従来では正社員では単一の制約が課されていました。全従業員が同じ制約を負っているのです。
当然ながら制約の量はそれなりに多く、教育には時間もかかりますし、そもそも信頼できる者でないと教えたくもないでしょう。
このボトルネックを壊すのが制約セクションです。
たとえばオフィス内に「誰でも事前予約なしに自由に見学できるフロア」をつくるとします。
このフロアも仕事場の一つであり、ランク1の社員が仕事しています。つまり、ランク1の社員は、部外者が来る環境下で仕事していることになります。
これは物理的に「機密性の低いフロア」となっており、緩いセクションだと言えます。あるいは「オープンなフロア」と呼ぶこともできるでしょう。
また概念的にも、このような場所では(部外者がいるかもしれないので)通常どおりの行動ができず、機密性を廃した立ち回りや、あるいは部外者に応えるための立ち回りを要するでしょう。
一見すると不便なように見えますが、制約の量でいえば少ないです。全社員が抱える、本来の複雑な制約を使わなくてもいいからです。おそらく、このフロアでは、機密情報や個人情報を一切扱わない、一般的な話題や技術や方法のみを扱うようなシンプルな世界観になるはずです。そのようなセクションがある(というよりつくる)のです。
Ans: いいえ
人材不足だったり、正社員が忙しかったりするのは、やり方が下手だからです。
非正規雇用では給料が低いため、優秀な人材が集まりません。仮に優秀な人材がいたとしても、扱いが正社員の下ですから、実力を発揮できません。仮に発揮できていたとしても、給料が低いため、やめていきます(別の場所でも通用します)。
かといって肝心の正社員は、メンバーシップへの参加ハードルが高いため集まりません。
あるいは、集まったとしても適応できずに離職するか #静かな退職 をしてしまいます。適応については以下記事も参照してください。
プロジェクトや作業のインプットが苦手な人達 「タイニーヘッド」
要は、今の非正規雇用と正社員制だと「搾取しすぎ」「慎重になりすぎ」で両極端なので、もうちょっと融通を利かせましょうという話です。
社員ランクはその手段の一つです。
Ans: はい。
「社員」の定義を緩和することで、より多様な人材が社員になれるようにしており、これはインクルージョンと言えます。
以下記事では「標準的な社員(スタンダーフ)」という概念を使って、説明もしました。