workhack2.0

仕事の評価項目に「アウトプット」を取り入れている組織は少ないと思います。

※ブログ記事やドキュメントなど情報共有という意味でのアウトプットを指します。仕事の成果ではありません。

IT企業では見かけますが、恣意的な評価になっているのが現実だと思います。

本記事では、アウトプットを評価に取り入れるためのヒントをお届けします。

前提

アウトプットとは

アウトプットとは、以下をすべて満たします。

なので、たとえば以下は満たしません。

イベントもアウトプット

勉強会や報告会といったイベントも評価に含めることができます。

※この後解説しますが、ページビューとは別の指標で評価に加点できます。

ただし以下の条件を満たす必要があります。

一つでも満たさないものがある場合、そのイベントは、本記事における評価としては無効となります。

このように厳しくしているのは、あくまでイベントではなく情報共有をメインとしているからです。しかし、イベントも上述の「3: アクティブ」の一手段であり、かつ参加者という形での計測指標が存在するため許容しています。

ここの厳しさは必ず敷いてください。ここを厳しくしないと、本取り組みは、≒イベントをたくさん開いた人が評価される、となり本末転倒となります。重要なのはあくまでも情報共有であり、フルオープンな情報を残すことです。

以降からは、どう実現していくかの話に入ります。

使える指標

いくつか紹介します。

唯一の正解は無く、組織にあったものを使うなり組み合わせるなりアレンジするなりしてください。

(定量指標) PVとEP

定量データで統一的に評価するのがてっとり早いです。そのためは「ページビュー」のような指標を定義せねばなりません。この案は、まさにこれをします。

まず、使う指標を解説します。PVとEPです。

PVはページビューの略で、アクセス数です。割愛します。

EPはEvent Participationの略で、(イベントなどに)1人参加したことを示す単位です。1EP、のように書きます。

さらに、PVとEPを「内部」と「外部」で分けます。

マトリックスになる。

内部とは社内の反応であり、外部とは社外の反応です。ブログ記事を書いて、100人が見た場合は100pvですが、社内に発信したのか社外に発信したのかで違いますよね。これを区別します。

指標は整いましたので、次に重み付けを考えます。

まず1EPが何PVに相当するかを決めます。ベースとする単位はPVということですね。このとき、内部と外部は揃えてください。

つまり、以下の二つを決めます。

次に内部と外部の重み付けを決めます。以下の4パターンがありますので、いずれかを選んでください。両方の場合は、nの値も決めてください。

ここまでで指標が整いました。誰がどれだけ貢献したかは、pvという数字で表現しきれます。これをスコアと呼びます。

あとはスコアを順位付けするかです。偏差値にしてn段階のグレードに分類するなり、指定スコアを超えたら指定インセンティブを出すのような絶対的な条件にしたり、など色々あると思います。本記事では割愛します。

(定量指標) +1の導入

+1とは、要するに「👍 いいね」です。

PVやEPのかわりに、いいねの数だけを使います。 いいねの総数 = スコア、にすると言い換えて構いません。

他の点は、PVとEPと同じです。

PVとEPは「実際の反応」が乗りますが、+1では「社員達の意図的な反応」が乗ります。後者の方が関係性や政治を反映しやすいです。

※内部の場合。外部の場合はあまり関係がありません(しかし、外部に伝手を多く持つ人が訪問数を集めることはできます)

どちらが良いという話ではなく、組織にあった方を選んでください。あるいは両方試すのも良いでしょう。

(定性指標) キラークエスチョン

キラークエスチョンとは、ここでは発信者の価値を問う、率直な質問を指します。

色々考えられますが、一例を挙げます。

質問の提供方法ですが、以下のとおりです。すべて満たしてください。

スコアの計算方法ですが、評価時期のどこかでフォームの結果を集計して、「1人分の計上」を 1 として計算します。たとえば「Aさん」と挙げた人が13人いるなら、Aさんのスコアは13です。

最後に、スコアと評価の紐づけについては、PVとEPと同様です。

文化やツール

上記の指標を運用する際に、どのような文化やツールがあればいいかを議論します。

業務時間中のアウトプット活動を正式に認める

全社的に、業務時間中にアウトプットに充ててもいいことを正式にアナウンスしてください。

これをしないと始まりません。

私たちは思っている以上に真面目であり、業務時間中にアウトプットするという発想はそもそも持っていないのがマジョリティです。この感覚をまずは崩さないといけません。

アウトプット活動に縛りを設けない

週に10%まで、といった縛りは設けてはなりません。

ルール上は「業務に支障が出ない範囲で」などガイドライン的な融通の指定をするに留めてください。

ツールを用意する

社内の場合と社外の場合それぞれを解説します。

社内の場合、全社員全員が自由に読み書きできるCMSを用意してください。PVやいいねをサポートしたものが欲しいです。

チャットやWikiでは足りません。また、ストレージを設けてドキュメントを配置してもらう案も話になりません。ブログ記事レベルのまとまった文章を書けるCMSが必須です。

事実上、WordPress や Drupal を社内で構築することになると思います。

このジャンルの製品はまだないと思いますので、よろしければ新規事業のネタとしてお役立てください。

社外の場合は、note や Qiita や Zenn を始めとするブログサービス(のビジネスプラン)がありますので、それで問題ありません。ただし、以下の点でおすすめはできません。

小さなIT企業など、限定的な会社であれば使いやすいでしょうが、たいていはそうではないと思います。

Q&A

Q&A形式で補足をまとめます。

Q: 「業績」の評価ではないと思いますが……

Ans: そのとおりです。

このように「仕事のやり方や考え方の工夫」を評価とすることを、仕事術2.0は工績(こうせき)と呼んでいます。

業績評価だけでなく工績評価も

つまり以下のようになります。

本記事は、正確に言えば「アウトプットを工績評価に組み込む」ですが、いきなり工績という言葉を使ってもわからないので、タイトルでは馴染みのある「業績評価」を使っています。