業績評価は能力と成果だけを見ますが、ここが一種のボトルネックになっています。
現代では「仕事のやり方や考え方を工夫する」目線も重要でしょう。ならば業績評価のように、評価の対象に加えるべきです。そうでないと業務として工夫されづらいですし、むしろ「業務ではないから」と軽視されがちです。
このような工夫の評価を工績(こうせき)と呼びます。
また、工績を正式に人事評価に加えたものを工績評価と呼びます。
現代はVUCA 改め VUCARD の時代であり、「仕事のやり方や考え方」はもはや固定的でもなく単一でもありません。動的かつ多様(複数が同時に存在する)なものです。
こんな時代に対応するためには、工夫が必要ですが、業績評価の世界では(業績とは関係ないため)行えませんでした。
工績評価があれば、業務として堂々と行えます。
人材は二種類に大別できます。
利益を生み出す仕事をこなして直接利益を上げる「直接的な人材」と、それ以外の「間接的な人材」です。
現代では(一部の明確なバックオフィスを除けば)直接的な人材が優遇されています。が、誰にでもできるものではないため、実質的には一部の優秀な人に負荷が集中します。
前述したとおり、やり方や考え方の工夫はいくらでもできますが、直接的な人材にはその余裕と適性がありません。一方、それを持つ間接的な人材も、業績評価的な世界では直接的な貢献を求められてしまいます。もったいないことです。
加えて、何らかの改善や新規事業などの名目で、直接的な人材に追加タスクが与えられることもあります。
工績評価を導入すると、この二つの問題を解消できます。
直接的な人材は直接的な仕事に集中でき、間接的な人材も、向いていない直接的な仕事ではなく、やり方や考え方の工夫に集中できるからです。
兵農分離はご存知だと思いますが、現代は言わば兵(直接)と農(やり方や考え方の工夫)が分離できていない状態です。
これを分離しようという話です。そのためには明確なインセンティブが必要ですから、工績評価という新しい評価体系を追加するのです。
これにより、結果的に、分離できてなかった頃よりも業績も上がります。
何をどのように組み込むか、という話をいくつか紹介しています。