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人事評価の透明性を高めるために、ランダムを取り入れたら良いという話をします。

人事評価は本質的に正当ではない

「同格2人のうち、昇進できるのは1人」という状況を考えます。

このとき、正当な評価と言えるケースはただ一つで、議論も含めて全部公開された場合だけです。透明性があると表現します。

逆に透明性がない場合、いかなる説明をしようと正当とは言えません。作文ができてしまうからです。正当だと示すには見せる他はありません。

しかし現状、このように人事評価を公開する事例はほぼ無いのです。人事評価は本質的に正当ではないと言えます。実際、評価制度が整っていたとしても、内部的には評価者による恣意的な(たとえば好き嫌いによる)判断がされています。やましいことはわかっているので、当然公開などできません。

正当だと示したいなら、単に公開すればいいだけです。それをしないのは、やましいからです。それを「人事情報はプライバシーだから」などと正当化します

透明な人事評価も難しい

では、透明性のある人事評価を行えるかというと、難しいです。

理由は明確で、組織とは政治的な営みになりがちだからです。

透明な人事評価を行いたければ、単にシステム――ポイント(アウトプットと言い換えても良い)とその評価方法を設計、定義して、計測するだけです。かんたんではありませんが、煩雑の域を出ません。

それでも難しいのは、以下の問題があるからです。

1: は経営者など意思決定に慣れた人でないとできません。一般人やマネージャー程度では難しいでしょう。

2: は、発達障害者など特性が特殊な人か、プログラマーや数学者など自然言語以外の営みに費やしてきた人でないとできません。

3: は、自律と生活リズムのマトリックスによる資質判定でいうアスリートタイプでないとできません。

さて、煩雑なポイント設計と運用をするには、1 ~ 3 のすべてが必要ですが、これを全部満たせる人間が一体どれだけいるでしょうか。

現代でも透明な人事評価が生まれていないくらいには珍しいことなのです。というより、そんな人間は正直いないと思います。この 3 つはどれも異なる才能であり、同時に3つの才能を持つのも、後天的に揃えるのも非現実的だからです。資本主義含む現代のパラダイムが変化しない限りは無理だと思います。

透明と不透明の中間を取る

人事評価は正当ではない(不透明である)、しかし正当にする(透明にする)のも難しい――

ならば間を取りましょう。

一つのアイデアとしてランダムがあります。要は「じゃんけんで決める」です。

やり方

ランダムで決まる手段なら何でも良いですが、以下をすべて満たす必要があります。

ランダムを満たせるなら、あみだくじなど原始的なものでも構いません。むしろ原始的な方がいいでしょう。デジタルだとかえって小細工がしやすいので、結局物理的に細工できない仕掛けで行うのが確実です。宝くじのやり方がわかりやすいと思います。

※宝くじを例に出しましたが、透明性があるとは言えないケースがあることに注意してください。たとえば宝くじ公式サイトのバックナンバーにてナンバーズの抽選会を見ることができますが、これはただの機械であり、透明的ではありません。

ナンバーズの抽選。

メリット

ある程度の正当性を示せます。

不透明な従来の評価でもなく、現時点では理想論でしかない透明な評価でもなく、その間を取れます。要は「じゃんけんで決める」ようなものですから、透明性(つまりは正当性)はずっと確保しやすいです。

Q&A

よくある議論をQ&A形式で整理します。

Q: 正当性=透明性としているが、違うのではないか?

Ans: 厳密にはそのとおりで、違います。

正当性とは正しさの度合いであり、人事評価においては以下の2つに対して言えます。

1: については本記事では言及しません。

2: の正当性を示すためには実質的に透明にするしかない、が本記事の主張です。やましさがないなら見せればいいだけだからです。

しかし、そのためにはプライバシーへの配慮なども必要ですから、見せても困らないようなシステムをつくらねばならないのです。これが現実的に難しいことは、すでに(3つの才能も交えて)述べたとおりです。

Q: 同格二人に椅子一つ、以外にランダムを適用できる場面はあるか?

Ans: あります。

正当性を示したい場合で、かつシステムに則って選べない場合はいつでも適用できます。