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チャット以外にもコミュニケーションや情報共有を行える手段はあり、対面口頭以外の情報共有とコミュニケーションは「QWIC」として整理しました。
同記事では各手段の指向性も解説していますが、全体像があると理解も捗ると思います。マトリックスで整理します。
カイス・マトリックス(CaIS Matrix)と呼ばせてください。細かい意味などは末尾に飛ばします。
カイス・マトリックス
まずトークとテーマがあります。
トークとは会話や対話を通じて収束していく営みを指します。対してテーマとは、あるお題が与えられて、これに応える形で望みます。
テーマは問題が解決したらそこで終わりなので単純です。一方、トークは雑談など親近感を育む行為 「グルーミング」の営みも想定しており、テーマほどドライではありません。
それからフローとストックがあります。
フローとはリアルタイム性の高いやりとりを指します。ITリテラシーに長けていない人でも比較的使いやすいですが、情報をあとから探すのに苦労します。
ストックとは再利用・再参照を重視したやりとりを指します。最初から記録や文書の形で残したり、継続的に手直ししたりすることもよくあります。情報をあとからでも生かしやすいですが、つくる・維持するのが大変です。
トーク的でフロー的。
チャットやSNSなど、時系列的にメッセージを流すモデルはよく使われます。これをそのまま時系列指向と呼んでいます。
比較的誰にでもわかりやすく、会話に近い感覚で使いやすいですが、それだけです。
テーマ的でフロー的。
お題があって、かつリアルタイム性の高いやり方です。Yahoo! 知恵袋やQuoraなど、Q&Aサイトはすでに知られていると思います。
質問というお題があって、それに対して、なるべく早く答えを出して、ベストアンサーが出ればそこで終了するというものです。答え (アンサー)さえあればそれでいい、というわけでアンサー指向と呼んでいます。
※チャットにはTeamsやSlackがありますが、ビジネス向けのQ&Aツールはまだ開拓されていません。開拓できたら覇権を取れると思います。経営者や起業家の方は、ぜひ検討してください。
トーク的でストック的。
チャットはフロー的でしたが、Wikiはストック的です。チャットよりも広く、深く、長く情報を残していけます。
少し補足させてください。
古典的なWikiは、コミュニケーションツールとしてのポテンシャルを持ちませんでした。承認やアクセス権など管理機能ばかりが目立っていて、公的な文書をつくるのに等しいフォーマルさが前提となっていたからです。
しかし、Cosenseなど現代的なWikiのおかげで確立されつつあります。(Wikiではないが)Notion などドキュメントツールがわかりやすくて、関係者なら誰でも好き勝手にページをつくれる・つなげるし、同時編集もできるという、あの世界観です。あれをWikiにも持ち込んだのが現代的なWikiであり、本記事でいうWikiもここを指しています。
話を戻します。
Wikiはストック的であるため、情報は必ずどこかに残ります。汚部屋のようにテキトーに放置するわけにはいかず、それなりの整理と秩序が要求されます――そうなると、結局「質の高い情報を書く」「情報の重複を防ぐ」「体系的に階層的に整理する」といった活動が顔を出します。
本質はナレッジ(知識)です。チャットと同様、フロー的で割とリアルタイムに会話するかのように進めていくことはできますが、最終的にはナレッジと呼ぶような有益な情報を残します。これをナレッジ指向と呼んでいます。
テーマ的でストック的。
Issues とは GitHub Issues のようなツールを指します。ジャンルとしてはイシューとかチケットなどと呼んだりします。歴史的には、問題が起きたときに、その問題を示すチケット(ページ)をつくって、以後はそのページ内でやりとりしてね、を実現するシステムです。
しかし、これには問題解決以外にも、コミュニケーションや情報共有のポテンシャルがあります。実際、GitHub も Issues と同等の機能をもう一つつくって、GitHub Discussions と名付けています。
このようなあり方は、1つの話題(トピック)を1つのページで扱っていると言えます。トピック指向と呼んでいます。
名前の由来を書いておきます。
カイス(CaIS)とは、Communication and Information Sharing の略です。「コミュニケーションと情報共有」だと長いので定義しました。
カイス・マトリックス(再載)