多様性ではなく多彩性を提案します。
From Diversity To Variety.
トランプ大統領を皮切りに、多様性(もっと言えばDEI)撤回の動きが加速しています。行き過ぎた多様性配慮に終止符が打たれようとしています。
https://gigazine.net/news/20250214-openai-dei-page-delete/
一方で、当サイトとしては「典型的な多様性」だけが多様性じゃない以外の多様性も尊重したいと主張してきました。
そのためには仕事術(仕事のやり方と考え方)が必要であり、むしろ仕事術の模索によって万人のパフォーマンスとQoLが底上げすると考えています。
行き過ぎた多様性配慮はともかく、多様性自体を踏まえる潮流と機運を殺したくはありません。
今後DEIをはじめ、多様性(ダイバーシティ)という言葉には「行き過ぎにより撤回された概念」とのイメージがつくでしょう。この言葉をそのまま使うと、相手にされにくくなる率が増えるかもしれません。
そもそも多様性とは「多様である状態」を指す言葉にすぎず、多様であればいいんだよね?とマイノリティが正当化しがちです。ビジネスに生かしたところで、現在そうなっているとおり腫れ物の域を出ません。
問題はそこではなく、マイノリティも含めて実際に共存するためのやり方や考え方をつくることです。そういう意味で、より実践に寄せた概念の方がいいでしょう。それで以前RAISEを提唱しました。
RAISEにはアクセス、サポートといった「実際にどうやるのか」の観点を重視しています。
このように、多様性という言葉では限界があります。別の言葉を立ち上げるべきではないかと思うのです。
多様性という言葉と似ていてシフトしやすい、ということで、この言葉を考えました。
多彩性(Variety, バラエティ)とは、いろいろな要素が混在している様を指します。特に混在を楽しんだり生かしたりするというポジティブなニュアンスを持ちます。
仕事で言えば、各人の事情、能力、特性、個性その他性質を要素として列挙し、手札とみなして、どう生かしていくかを考える。考えることを楽しむ――そんなニュアンスです。
多彩性における各要素をカード(Card)と呼びます。
私たちひとりひとりは様々なカードを持ちます。当然ながらチームや組織も多数のカードを持っていることになります。これらカードをどう組み合わせて使うか次第で、無限の可能性があります。
しかしカードははっきりとは見えていませんので、言語化が必要です。
たとえば以前朝型と夜型の多様性を取り上げましたが、
これもカードです。朝型というカード、夜型というカードがあるのです。
一見すると「夜型はマイノリティ」「いいから朝型の生活リズムに合わせろ」となりがちですが、そうではなくどちらも生かしようのあるカードと考えます。
たとえば接客を行っている場合、朝型の人材は朝と昼、夜型の人材は夕方と夜に担当してもらうことで、以下が狙えます。
すでに朝型と夜型がいるのでしたら、すぐに始められますし、仮にいないとしても「夜型が足りないので募集してます」「夜型のリズムを尊重する職場です」と募集すればすぐに集まるでしょう。
こういったことは、朝型と夜型という言語化をしているからこそできることです。
多彩性を生かすためには、デフォルト(標準)として融通の利く働き方を採用する必要があります。
たとえば「うちは 8:30~17:30 の出社が絶対だ!」とした場合、この時間帯に勤務できない人や、リモートならできるけど出社できないといった人があぶれます。多彩ではありません。
※これを当サイトでは「ワークスタイル・ダイバーシティ(働き方の多様性)がない」と表現していました。
多彩性を生かすためには、もっと融通の利く働き方を採用して、その上で、
といったカードがあると考えます。もちろん、これらカードが使えない人は、代わりのカードを使います。たとえば:
など。カードとして並べてみると、どうやれば生かせるかも考えやすくなります。
さて、多彩性とはカードの言語化と活用に他なりませんが、その際に仕事術(仕事のやり方と考え方)が必要となります。
なぜなら、仕事術を知り、仕事術の視座(目線)に立たなければカードを使えないからです。また前提となる「融通の利く働き方をデフォルトにする」もできません。
極端な話、「うちでは 8:30 ~ 17:30 に出社すると決まってる」「それ以外の選択肢はなくない?」では何もできません。出社のあり方は一つではないこと、出社のやり方は法律ほど強い効力がなく変えようがあること、出社せずとも仕事を成立させるための非同期コミュニケーション――こういった仕事術を知っていれば、検討と議論を始められます。逆に知らなければ何もできません。