workhack2.0

地方創生2.0を盛り上げるために必要なやり方・考え方を、仕事術2.0の観点で提案します。

前提: 地方創生2.0って?

元は2014年から始まったもので、日本を持続させるために、東京一極集中を緩和し、各地域を活性化させようという取り組みです。

しかし、10年経っても成果が不十分なので、政府は地方創生2.0としてテコ入れしました。

詳しい内容は内閣府の資料を

ここでもかんたんに整理します

まず「基本的な考え方」を以下のように定義し始めて、今後10年で詰めていくそうです。

今後、人口減少のペースが緩まるとしても、当面は人口・生産年齢人口が減少するという事態を正面から受け止めた上で、人口規模が縮小しても経済成⾧し、社会を機能させる適応策を講じていく。このため、

○ 一極集中をさらに進めるような政策の見直し、 ○ 持てるポテンシャルがまだまだ眠っているそれぞれの地域の経済・社会、これらを支える人材の力を最大限に引き出す政策の強化、 ○ 若者や女性にも選ばれる職場や暮らしを実現する政策の強化、 ○ 都市と地方の新たな結びつき・人の往来を円滑化する政策の強化

などに取り組む。

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政策については、60以上のKPIでモニタリングするそうです。

参考: https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2025/000108060.pdf

本題: 必要なものは多様性と内製

本題に入りましょう。

今回は地方創生2.0に必要な考え方をいくつか紹介します。一言で言うと多様性と内製です。

以下、論点を二つに分けて、詳しく見ていきましょう。

論点1. その地方の暮らしや仕事に染まる必要はない

地方創生とは、国や自治体レベルの方策を除けば、新たに地方に参加する人(参加者)を増やすこと、また定着してもらうことと同義だと思います。

しかし参加者には、その地域の流儀に従いながら暮らしていくことが事実上要請されます。もっと言えば、その地域の流儀がイマイチだったとしても従わないといけないのです。逆に問いたいのですが、これで参加者なんて集まるでしょうか。

生活様式の多様性

発想を変えます。

地方は環境だ(Region as Environment)と捉えます。

地方は土地や気候や文化といった要素の集まり(環境)であり、参加者はその環境を利用するために参加します。広い土地、豊かな自然、温暖な気候、美味しい名産品などなど。

ライフスタイルや仕事は強要されるべきではありません。都会にいたときと同じでいいのです。同じスタイルと仕事を、地方でもするのです。つまり住む環境が変わるだけです。

この観点を生活様式の多様性(ライフスタイル・ダイバーシティ)と呼びます。現状の地方創生は、参加者に、その地方のライフスタイルを強要しがちですのでやめましょうと言っています。

もちろん、だからといってその地方のあり方を尊重せず、めちゃくちゃにしていいはずはありません。しかしその地方のあり方を強要するのも暴力的なことです。バランスを取らねばなりません。多様性ですね。

生活のサポート

次に、都会派の人を地方に呼び込むためには、生活のサポートという観点が有効です。なぜ都会に済むかというと、単に利便性が高いからです。

ならば、地方であっても利便性を確保できればそれでいいのです。むしろ地方という豊富な環境が使えますし、地価も安いですから、移住や訪問の理由になります。

サポートとは、たとえば衣食住を指します。実家暮らしは、そのあたりを両親に任せることで楽をしますが同じことです。ただ家族ではないので無償とは行きません。かわりに、金銭や仕事の支援によりギブアンドテイクを成立させます。

食を例にすると、寮のように三食を提供するサービスをつくればいいのです。地元民が供給し、参加者がお金を払って使います。飲食店が常連でも成立するように、ビジネスとしての成立も(大変ではあるが)難しくはないでしょう。

このように生活の利便性をサポートするサービスをつくることをLSO(Life Support Option)と呼びます。オプションのとおり、サービスは豊富に用意されていて、参加者は自分が使いたいものを自由に使うイメージです。

フルリモロケフリ

この論点1を成立させるには、そもそも参加者が都会で行っている仕事をそのまま持ち込める必要があります。事実上フルリモートとロケーションフリーが必要です

ということは、地方創生がしたいなら、都会で暮らしている企業がもっとフルリモートとロケーションフリーをできねばならないのです。本当にやる気があるのであれば、国をあげて推進しなければなりません。

パンデミックによりリモートワークが広がったのは、単に強制力があったからです。私たちは仕事術と働き方にはてんで無知ですし、経営者は資本主義的に搾取する構造になっていて、かつリモートでは搾取しづらいのでなかなか浸透しません。

ボトムアップで社会現象が起きるのを待つ or 狙うのを除けば、国をあげて、半ば無理やりにでも推進していかない限り難しいでしょう。

(余談) フルリモートとロケーションフリー

フルリモートとは「出社ゼロでもいい」です。リモートワークオンリーと言ってもいいでしょう。

ロケーションフリーとは「どこに住んでもいい」です。

通常、フルリモートであればロケーションフリーも許されるはずですが、会社によっては緊急時に早く出社できるよう「オフィスからある程度近いところに住め」と定めることがあります。

つまり、フルリモートなのに、東京オフィスに通える範囲に住まないといけないから地方に住めないなんてこともありえます。

これをやめるには、フルリモートとロケーションフリーはセットでなくてはなりません。略してフルリモロケフリと呼んでいます。

論点2. 地方を知るのは地元民

論点1は地方を環境と捉えるという、ある種ドライなものでしたが、逆のアプローチもあります。地方創生を従来どおり「その地方の流儀に従って推進していく」と捉えます。

さて、地方を知っているのは誰でしょうか。もちろん地元民です。一方、地元民は東京やその他都会ほど進んではいません。仕事術や技術には疎いのです。疎いから、本人たちだけでは創生はできません。

外部の人間に内部を知ってもらう、は上手くいかない

こういうとき、通常は「仕事術や技術に詳しい人」を外部から呼んで、地方に馴染めせようとします。コンサルやSIerもそうですよね。しかし上手く行きません。

コミュニケーションコストがかかるからです。

地方の繊細で複雑な事情を、外部の人が理解するのは困難です。個人レベルでそれをするのが医者や弁護士ですが、ご承知のとおり、高度な専門職ですし、それなりに時間をかけてコミュニケーションします。かつ、医者や弁護士側が立場が大きいからこそ、顧客を従わせられます。

地方への参加者、という構図で同じことができるでしょうか。できません。このような困難なコミュニケーションコストを抱えること自体がそもそも間違い(少なくとも修羅の道)なのです。

また、すでに述べたとおり、ライフスタイルや仕事も地方側に合わせないといけない負荷(何なら理不尽)もあります。

内製すればいい

このコミュニケーションコストの問題を脱する動きが近年見られます。DXの本質は敏捷性と変化耐性の獲得、内製、リスキリングと呼ばれるものです。

いずれも「デジタルに詳しい人を参加してもらう」のではなく、すでに詳しい自分達がデジタルを覚えた方が早いと捉えたものです。そのためにデジタルのあり方を知って合わせるのがDX、デジタルな道具や仕組みを自らつくるのが内製、またデジタルに限らず新しい知識やスキルを学び直すのがリスキリングです。

つまり地方を創生したいなら、創生するための術を地元民自らが学んだ上で、自ら創生していけばいいのです。これを内製的な地方創生と呼びます。

※ただし、どうやって地元民に内製してもらえばいいかの案はまだありません。検討中です。

おわりに

地方創生を推進するために、当サイトなりの目線で論点を二つお届けしました。

地方創生に取り組まれる方も、創生される側の地元民の方も、ぜひ参考にしてください。