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コミュニケーションの注入とは、非同期コミュニケーションの本質と必要性メインの過ごし方において、必要に応じて同期コミュニケーションを差し込むことをいいます。

Communication Injection, CIと略します。

CI により非同期を推進できる

非同期コミュニケーションは現代における救世主ですが、一方で私達は人間であり、原始的な対面コミュニケーションの摂取を必要とします。特に雑談など親近感を育む行為 「グルーミング」はわかりやすいと思います。

非同期コミュニケーションが活用されない理由の一つは、このハードルをクリアできないからです。摂取できない状態など到底耐えられませんし、許容もできません。そのせいで同期コミュニケーションから脱せません。

結局、非同期のメリットが生かされないまま、現行踏襲的に同期的なあり方が続くハメになります。それを、同期的な過ごし方が楽しいからとか、人間だから必要だよねとかいった理由で正当化するのです。

では、このハードルを軽減できたらどうでしょう。 CI なら可能です。

以降では CI の考え方とやり方に踏み込んでいきます。

CI の基本的な考え方

CI ではイベントの形でコミュニケーションを注入します。具体的には、

何か」を行うイベントを、特定の「時間帯」と「場所」で開催する。

となります。

たとえば「アニメの鑑賞」を行うイベントを、2024年9月から「平日毎日、昼休憩中」に、「オフィス中央のコミュニティエリア」にて開催します。

このイベントの単位、特に何を行うかにフォーカスを当てたものをタイムと呼びます。●●タイムという言い方をします。上記の場合、おそらくは「アニメタイム」や「アニメ鑑賞タイム」でしょう。

あらゆるタイムを総称する場合はコミュニケーションタイムと呼びます。そもそも CI は Communication Injection であり、コミュニケーションを注入するものです。何のタイムであろうと、コミュニケーションに関するものであることが必須です。

また、タイムを開催(告知なども含む)することを注入と呼びます。

注入の形態

タイムの注入の仕方は、主に以下の4つがあります。

1 の常設は、指定期間中に常時開催しておくものです。

2 の突発は、「今から1時間くらい鑑賞タイムをやるよ」のように突然告知するものです。

3 の告知は、「10日後の9/26 (木) に開催します」のような告知を事前にしておくというものです。

4 の定期は、「毎週月曜日 12~13 時で開催中!」など定期的な開催をすることです。

やり方に正解はなく、すべてを駆使して間口を広げるのがベストです。

気分次第で参加可否を決めたい人には告知や定期は刺さりませんし、逆に規則的に過ごしている人は定期の方が刺さります。突発はフォロワーが多くないと人が集まらないかもしれません――など、こうすれば必ず集まるといった保障も当然できません。

どの形態で注入するのが合いそうか、またどの形態なら参加できるかは人によって違います。同じ人でも状況によって違います。なので、各自が各自に合ったやり方で注入、参加できれば良いのです。

何を注入するか

コミュニケーションタイムとして、具体的に何をやるかという話です。

いくつか例を挙げます:

他にも良さそうなものがあれば、注入してみてください。

万人に刺さりそうなものでも良いですし、ニッチで人を選ぶようなものでも構いません。ただしニッチなタイムばかりですと、CI 自体が盛り上がらなくなってしまうので、前者の万人受けなタイムをまずは重視した方が良いでしょう。

注入と参加を成立させるシステム

まず始めに、CI 専用のサービスなどはありませんので、自分たちで工夫せねばなりません。

注入と参加自体は、単に知らせて集まってもらって、というだけですので各自工夫してください。CI 専用のシステムを整備してもいいですが、大変だと思いますので、ここでは別の案を紹介します。

※とはいえ手作業は大変なので、本格的にやるなら専用のシステムが欲しいです。

動線に注入することです。

動線とは誰もが毎日頻繁に通る、開かれた場所です。社員全員が見る掲示板、ポータルサイト、Teams などのチャットチャンネル、その他色々あるでしょう。そこに「現在注入されているコミュニケーションタイム」を表示させるイメージです。

YouTubeを使っている人は、アクセスすると「現在ライブ中の配信者」が表示されるが、あのイメージが理想です。ただし、これは社員各々が自分のタイムラインを持っていないといけなくて、このレベルのシステムを導入できている組織はほぼ無いでしょう。難しいと思います。

メールで送ればいいか、ではないことに注意してください。メールは各個人に閉じた動線であり、開かれていません。CI を実施しても鬱陶しくて定着しません。閉じた動線になるなら、タイムラインのレベルが必要です。しかし、他に動線がないなら検討しても良いでしょう。ないよりはマシです。

CI ではとにかく注入されているコミュニケーションタイムに気付けないと話になりませんから、まずは目に止めてもらう必要があるのです。そのために動線に頼りましょう、というかここで知らせて目に止めてもらいましょうという話をしています。

動線がない場合は……考えていませんが、おそらく動線がそもそもないような組織は、風通しも悪すぎて CI どころではないと思います。

Q&A

組織全体ではなく、チーム内など小さな単位でも実施可能か?

Ans: 可能です。

チーム内で合意が取れていれば問題ありません。

ただし組織全体ではない場合、チームの外からの圧力によりコミュニケーションタイムが妨害されたり潰されたりする可能性はあります。できるだけ広い範囲で周知してしまいたいです。

理想は社内文化(つまり社内全体)レベルですが、いきなりは難しいと思いますので、部門や事業部といった単位ですとか、あるいは単に有志で集まってみるなどが良いでしょう。

コミュニケーションタイムとして過ごすことがルール上許されていないが、どうすればいいか?

Ans: 融通は利くはずです。

現状でも雑談や休憩は許されているでしょうし、親睦を深めるためのイベントや会話も適宜行っていると思います。

コミュニケーションタイムもそれらと同じです。必要なことです。業務時間中に1日1hくらいかけたって問題無いと思います。現在でも(自覚がないだけで)同等のことをそれくらいしている人は少なくないとも思います。

CI は、言わば各自が薄々必要性を自覚してテキトーにしている営みをイベント化して堂々とやっちゃおう、というものです。

コミュニケーションタイムは任意参加だと集まりが悪い気がする、強制の方が良い?

Ans: いいえ。

強制してしまうと事実上同期的となってしまい、意味がありません。そもそも非同期な過ごし方をメインにしたくて、でもそれだと原始的な対面が足りないから CI にて注入しようという話でしたね。

集まりの良さは関係がないので気をつけてください。油断するとKPIなど目標設定のおもちゃにされてしまいます。

注入は許可制が良いですか?それとも全員が自由にできるようにした方がいいですか?

Ans: 後者、誰でも自由にできた方が良いです。

間口を広げると前述しましたが、まさにそのためです。色んなコミュニケーションタイムが色んなタイミングで注入されている方が、盛り上がりやすく活用もされやすいです。

コミュニケーションタイムが多すぎて仕事に差し支えないかが心配です

Ans: 社員を信用してください&問題が起きそうならその時に考えてください。

いきなり制約を課しても窮屈で使われません。

まずは自由にやらせましょう。その上で、問題が出そうならその時に対処しましょう。

とはいえ、何も無いと動きづらい人も多いでしょうから、「1日1時間まで」などの目安を定めておくとやりやすいと思います。