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デイリータスクリストとは今日やるタスクを集めたリストです。 デイリー(Daily, 毎日の)タスクリスト、ですね。

何が嬉しい?

第一にメリハリをつけられることです。

デイリータスクリストがあると、 「ここに書いたタスクが全部終わったら、今日はおしまい」 と区切ることができます。

第二に、融通を利かせながら物忘れもなくせることです。 バランスが良いとも言います。

まずリストに書くので、頭の中で済ませるよりも忘れにくいです。

次に、どのタスクから手を付けるかは自分で判断できます。書いたものを見ながらだと判断もしやすいので、融通が利く感じがあります。コントロール感と言ったりもします。

違い

ただタスクリストと何が違う?

ただのタスクリスト(TODOリストも同義)は、いつやるかが不明です。

仮にタスクが30個並んでいたら、30個すべてに対して、いつやるかを常に考えねばなりません。うんざりします。続きません。

一方、デイリータスクリストは「今日やるもの」と区切っています。仮に30個あったとしても、そのうち6個を「今日やるもの」だと決めてしまえば、今日相手にするのは6個で済みます

カレンダーと何が違う?

予定をカレンダーに詰め込む営みは「そのとおりに行動する」ことを要求します。

一方、デイリータスクリストは「どのタスクから始めてもいい」ものです。何なら先送りにしたっていいのです。融通が利きます

その代わり、怠けすぎると先送りばかりが生じて形骸化します。そういうわけで、意思の弱い人は、カレンダーに予定を突っ込んでそのとおりに行動した方が良かったりします。もちろん、予定が多い人もカレンダーの方が良いです。

運用の仕方

デイリータスクリストを常用すると、どのような過ごし方になるでしょうか。典型的な運用を見ます。

次のようになります。

たとえば勤務を開始したら、最初の5分や10分で 1: の洗い出しをします。

その後は 2: ですね。つくったデイリータスクリストに従って、タスクを一つずつ消化していきます。

終わったタスクは✅をつけるなり打ち消し線を引くなりしましょう。進捗感が出ますし、何が残っているかがわかりやすくてモチベーションも持続します。

ちなみに想定どおりに進むとは限らず、たいていは割り込みのせいでタスクが増えたり、単純に疲れたり飽きたりやる気が出なかったりして先送りが頻発します。そういうものですので安心してください。

最後に、デイリータスクリストが全部終わるか、業務終了が近づいてきたら 3: です。今日はもうおしまいにして、明日の準備をして終わりましょう。

使う道具

デジタルでもアナログでも構いません。

リストは2枚ほしいです。 1枚はデイリータスクリストで、 もう1枚は先送りしたタスクを記録するリストですね。

デイリータスクリストは日ごとに使い捨てにするのが良いでしょう。記録を取りたい場合は残しても構いません。

Q&A

よくある疑問をQ&A形式でまとめます。

Q: 途中で項目を増やしたくなったら?

Ans: 臨機応変にやります。戦略は3つあります。

今日のデイリータスクリストは4個だけだったのに、途中であれもこれも増えて……ということはよくあります。

こういうときの戦略は3通りあります。

正解はありません。1: と 2: は無難ですが自分のタスクがどんどん増えていきます。優柔不断とも言います。3: は、自分は楽できますが、多くの場合、衝突や我慢や葛藤があります。

タスクごとにどうするかを決めても良いですが、それだと疲れてしまうので、日ごとに、あるいは午前・午後ごとに統一すると良いでしょう。

たとえば「今日はマジで重要なこのタスク4個を終わらせたいから 3: で無視します」な日もあれば、「今日はゆとりがあるので何か来たり思いついたりしたら 1: で増やそう」なんて日もあるでしょう。

Q: タスクの粒度は?

Ans: お好きにどうぞ。

粒度とは大きさや具体性を指します。 「noteを書く」は粒度が粗いです。 「noteでデイリータスクリスト記事を書く」は細かいです。

粗い方がお好みな人もいますし、細かい方がやりやすい人もいますい。同じ人でも状況によって異なるでしょう。

消化できる数の目安としては、仮に粗いタスクだけ扱った場合は、日に数個だと思います。逆に細かいタスクだけ扱った場合でも、日に十数個程度でしょう。実際にやってみるとわかりますが、人間ひとりのパフォーマンスなんてたかが知れています。ウンザリするほどに弱いのです。そういうものです。

粒度だとか、消化できる個数だとか、そういったことはあまり気にしない方が良いでしょう。日々ベストエフォートで良いのです。もちろん、締切など状況によっては許されないこともあるのですが、そうじゃない場合は、せめて自分を労りましょう。

Q: 先送りがどんどん増えて収拾がつきません

Ans: 別の道具を使いましょう。

デイリータスクリストで扱えるタスクの数には限りがあります。

上述したとおり、消化ペースは一日あたりせいぜい数個~十数個程度ですし、実際はそんな上手くいかないのでもっと少ないです。一方で、先送りの数はそれ以上に及ぶのが普通です。収拾がつかなくなるのは普通です

なので別の道具が要ります。

たとえば、

デイリータスクリストはあくまでも今日やるタスクを可視化していじくるだけです。

Q: 忙しくて使う暇なんてないです

Ans: 木こりのジレンマかもしれません。

よほど特殊か過酷でもなければ、ある程度は使える暇はあるはずです。1日10分でもいいので、まずは捻出してください。

木こりのジレンマという言葉もあります。ぼろい斧を使っているのに、

「私は木こりで忙しいのです!」 「斧を替える時間なんてありません」

などと言っている状況を指します。 タイトな締切でもなければ、斧を替えた方が上手くいくでしょう。多忙だと、そんなこともわからないくらい視野狭窄になります。

Q: 先送りするかどうかはどうやって判断するのですか?

Ans: 意思決定するだけです。

何を選び、何を捨てるかはあなたが決めることです。正解なんてありません。

経営者や管理者は意思決定が仕事といいますが、実はデイリータスクリストでもそうです。

自分のタスクを自分で管理するとは、自分がいつ何のタスクをするか――もっと言えば何を一時的・あるいは永続的に捨てるかを、自分で決めるということです。意思決定に他なりません。

そういうわけで、実は意思決定ができない人や苦手な人は、そもそも務まりません。

デイリータスクリストはタスク管理の中でも最も基本的でかんたんな部類です。なのに意外と知られておらず、定着もしていないのは、そもそも意思決定が難しいからですね。

性格的な向き不向きもありますし、そもそも私たちの大部分は管理される側であって、同調圧力もあって、で自分で意思決定する行動特性が無い――といった文化的な事情もあります。

なので、仮にできなかったとしても責める必要はありません。意思決定という営みに向いてなかっただけです。

しかしながら、状況が変われば、いけることがあります。たとえば仕事ではなくプライベートの活動でのみデイリータスクリストを使ってみるのはアリです。

Q: 迷いや怠けが生じてしまいます

デイリータスクリストは融通が利く分、ついつい怠けてしまったり、無駄に迷ったりしてしまいます。先送りが増える点もすでに取り上げました。

これを解消する一つの手が、制約を強くすることです。

『仕事術2.0』ではスイッチング・デイリータスクリストを開発しましたので、よろしければご活用ください。

スイッチング・デイリータスクリスト

Q: 今日中に全部終わらせる(リスト内を空にする)必要はあるの?

Ans: あります。

空にしたことをもって「今日はもうおしまい」と判断します。空にしたということは、ちゃんと終わらせたか、先送りするかなどして「今日はもう終わった」という意思決定をちゃんとしたということです。ゆえにこそスッキリします。

空にしたという区切りがないと、おそらくスッキリできなくてリラックスできないでしょう。ぜひとも心がけてほしいです。

これは概念的にはインボックス・ゼロと呼びます。

インボックスゼロはまだまだ使えます