マネージャーは1時間以内の枠が並んでいて、どの枠で誰と喋るかという形で過ごします。一方、現場では数時間以上のまとまった枠があった方が融通が利きます。
マネージャーのスケジュールと現場のスケジュール
このとおり、「マネージャーのスケジュール」と「現場のスケジュール」には大きな違いがあります。
マネージャーが開催する会議への参加や、突発的な割り込みがあると、現場では以下の対応が要ります。
ここで発生するのがコンテキストスイッチングです。仕事モードだった頭を、2: の対マネージャー用に切り替えないといけません。また切り替えた後は、元に戻さないといけません。
よくわからなければ、ゲームや勉強や読書など、何でもいいので集中している光景を思い浮かべてください。毎日会議への参加を要請されていたり、急に参加しろと言われたりしたらどうでしょうか。集中を阻害されるのも嫌ですし、切り替えるのも大変ですよね。
そういうわけで、マネージャーは軽率な会議・声掛けにより現場の足を引っ張っています。
さらに厄介なのは、管理上必要だから、と正当化してしまうことです。
軽率な会議や声掛けは、多くの場合、マネージャーのあなたの都合でしかありません。たかがあなたの都合で、あなたの部下たちは、現場は、多くの集中と注意力を奪われているかもしれないのです。
ではどうすればいいのか。
現場のスケジュールを尊重したコミュニケーションをしましょう。具体的には、現場のスケジュールの前後に差し込みましょう。
仮に現場のスケジュールが午前と午後で2枠ある場合、差し込める部分は以下の3個所です。
前後に差し込む。
これをスキマと呼ばせてください。
つまり、この場合、スキマは以下の3個所ですね。
すでに朝会や夕会は知られていますが、たいていは不十分です。朝会や夕会だけで現場とのコミュニケーションが完了しているかというと、ノーでしょう。朝会や夕会に加えて、現場のスケジュールを侵食したコミュニケーションもさらに行っているのが実情です。
スキマだけでコミュニケーションを完了させるには、相当に練る必要があります。
究極的には会議削減や管理方法改善といった大きな話になりますが、ここでは効果の高いものをかんたんに紹介します。
見ればわかることは、見ればわかるのでいちいち会議にしないでください。メールやチャットなどで伝えれば十分です。
見てもらえない場合は、まずはメールやチャットで催促しましょう。
自由に相談にきていいよ、とする時間帯を設けます。
つまりマネージャーから押し入るのではなく、門戸を開いておいて、現場から来るのを待つのです。これなら現場側は、自分たちの融通で行動できます。
誰も来ないかもしれませんが、それはそれで構いません。上手く行っているか、あるいは行っていないかもしれませんが、オフィスアワーのこの時間帯では来ない、という情報は手に入ります。
そもそも会議や声掛けが必要でしょうか。
非同期コミュニケーションの本質と必要性で済むものは済ませましょう。非同期コミュニケーションはすぐに身につくものではありませんが、これを知らないと、原始的な会議や声掛けからいつまでも脱せなくなります。
マネージャーがやたら会議をしたがる理由は、単に自分の寂しさや退屈を紛らわせたいからだったりします。
人間なので寂しさはありますし、マネージャーに昇進するほどですから人と付き合う営みは重視する生活のはずです。さらに、現場で手を動かしているわけではないですから退屈です。そういうわけで、寂しさと退屈のダブルコンボに襲われています。
会議をすれば、これを紛らわせられます。仕事をしているのだとの陶酔感も得られます。厄介な職権乱用です。
寂しさと退屈を現場に押し付けないでください。もう良い年をした社会人なのですから、自分で対処しましょう。
これが最もあるあるだと思いますが、そもそも抱えている仕事が多すぎです。
マネージャーのあなたが過多になるのはあなたの勝手ですが、だからといって現場に迷惑をかけるのは違います。ただのエゴであり怠慢です。
仕事を減らすためには、以下の二つです。
現場にもっと権限委譲しましょう。たとえば毎日進捗確認するのではなく、基本的に現場に任せて、自分が確認するのは週一にしましょう。
仕事の元に働きかけましょう。あなたの上司か、もっと上の人間か、あるいは顧客かはわかりませんが、そういった仕事量が多くなっている原因に対して働きかけましょう。これをせず、ただただ言いなりになって受け入れ甘んじているのは、ただの無能です。現場を守るのは、あなたの仕事です。
元ネタは下記の記事です。2009年の古い記事ですが、現代でも通用する有益な情報です。
https://paulgraham.com/makersschedule.html
元記事では現場ではなく「メーカー」となっています。プログラマーやライターなど創造的な人達が対象となっています。しかし、現代ではもう少し幅広いと思いますので、本記事では「現場」とさせていただきました。
日本語訳としては、以下の note 記事があります。
https://note.com/tokyojack/n/nd610a05397c1
以下も元記事に触発された記事です。「自分があまり価値を出せないと考えるミーティングに参加しない」のような視点は、ホワイトスペース本が取り上げている具体的なテクニックも参考になるでしょう。
https://blog.mmmcorp.co.jp/2023/02/17/maker-schedule-and-manager-schedule/