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噛読(ごうどく)とは読み方の一種で、書きながら精読することです。

本に限りません。たとえばnoteの記事を噛読することもできます。

読み方をマトリックスで分類すると、以下にあたります。

読み方のマトリックス

他の読み方との違い

まず、噛読は書きながら読むという点で、他の読み方とは違います。

次に、噛読ではじっくり読みます。しかし以下のニュアンスがあります。

全部読むとは限らないし、原意に忠実でもない

ダシにするとは、自分なりに好き勝手に解釈すること、特に取り入れることを指します。その上、全部読むとも限らないわけですから、噛読はかなり自分勝手でいいかげんな読み方とも言えます。

いわば、その自分勝手な読み方を(書きながら行うことで)じっくりやるというものです。

既存事例やオリジナル

噛読というネーミングは当サイトでつけたものですが、このようなやり方は昔から知られていたと思います。

たとえば「ダシにする」は、書籍『知的生産の技術』で使われている言葉です。本をダシにする、とあります。

いわば本をダシにして、自分のかってなかんがえを開発し、そだててゆくというやりかたである。……このやりかたなら、読書はひとつの創造的行為となる

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なぜ書きながら読むのか?

ダシにしやすいからです。

特に、読むだけだと「思うだけで終わり」「良いことを思ってそうだが実は大したことがない」になりがちですが、書きながらだとこれを回避できます。言語化されるからです。

また、言語化には時間がかかりますので、内容全部を取り入れるわけにもいかず取捨選択が必要となります。これも取り入れる、行動するという面では理にかなっています。

なぜダシにするのか?

まずは行動したいからです。

特に自分なりに理解することと、全部読まなくてもいいとすることで、気軽な行動を可能にします。正論は通じないと言いますが、これは私たち各々には文脈があるからです。であるならば、文脈の尊重を重視して「自分なりに」やるというスタンスがあっても良いわけです。

次に楽しみたいからです。

ダシにするという営みは創造であり、根源的な楽しさがあります。ただし、やりすぎると視野狭窄に陥ってしまいます。これを回避する方法はそのうち取り上げたいと思います。

例として、実際に噛読してみましょう。

たまたま目についた深津さんの以下記事を噛読します。

https://note.com/fladdict/n/n6aa7f28350ac

書き方に正解はありませんが、今回は引用ベースでコメントを書く形にします。内容の要約には無印、個人的なコメントは🐰をつけます。

自分がヤバい思想にハマらないか俯瞰する仕組み

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「リベラル」「新自由主義」「フェミニズム」とか抽象レベルでも、「地球温暖化」「中絶法」のような具体的な思索でもよい。

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**超急進 vs 超保守 規範遵守 vs 規範無視 …… **上下を「規範遵守」「規範無視」左右「超賛成」「超反対」と定義したとき、各エッジがもっとも極端な事例となるように、まずY軸の定義、つぎにX軸の定義をおこなってください。

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思想・ムーブメント「XXXX」に対する、「超賛成」〜「超反対」までのスタンスを0-10の11段階に分割してください。

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生成AIに過去の記事、言動、あるいは対話を通じて自分の考えを言語化し、上記分類の情報とともに「どこにマッピングされるか?」を問います。

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普通に手で自分のスタンスを書くと、みんなええかっこしいになるので、SNSの過去ログを貼り付けるほうが、より正確なスタンスが見えます。

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該当テーマに対しての、主要メディアやキーパーソンの過去発言、自分のインタビュー、SNSなどの振る舞いを同じように生成AIにわたして、ポジショニングを測定します。

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この時のポイントは、生成AIに「思想Aの良し悪しを聞く」とか「自分がヤバいか聞く」としないことです。

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と、噛読してみたことで、十数分くらいで自分なりに深くできました。単に読むだけでは、こうはできなかったと思います。

また、噛読した内容を共有すれば、情報共有やフィードバックや「じっくり噛んで味わいました」的な感想にもなって良い感じです。

言語化と書くスキル

例を見たことで容易に想像できますが、噛読には書くスキルが要ります。その前段階で言語化のスキルも要ります。

速く書けるほど捗るので、速いに越したことはないです。

余談: 仕事術2.0も噛読しよう

当サイトでは様々な仕事術(仕事のやり方や考え方)を扱っており、読み方も以前解説しましたが、

数百ページに数時間かける → 数千文字に数十分かける

噛読で読むのが良い、とも言えるでしょう。