もくもく会とは、何か作業をするためだけの集まり(イベント)を指します。
原義は各自黙々と過ごすものですが、現在では複数のあり方が見られますので整理します。
phaさんによるものです。
https://pha.hateblo.jp/entry/20090122/1232625392
少し引用します。
集まって各自がもくもくと勉強や仕事をするというだけの会、「もくもく会」をやってました。
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今回はルノアール新宿小滝橋通り店でやったんだけど……もくもく会にちょうどいい喫茶店というのはいつも探しているので、誰か良いところがあったら教えてください。
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もくもくと作業するだけの会であり、その辺の喫茶店でも開催できるものだとわかります。
また同氏の著書「パーティーが終わって、中年が始まる」でも言及されています。以下引用します。
場所と時間だけを指定して、「誰か来てもいいし、来なくてもいい。 誰も来なかったら一人で本を読んでいる」みたいなゆるいオフ会をよく開催したりもしていた。大体そういう感じで待っていると、一人か二人は来てくれるものだった。
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IT系の人たちのあいだでよく開催されている、ある場所に集まって各自もくもくと自分の作業をするというだけの会、「もくもく会」も、もともとは僕が始めたものだった。
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「来てもいいよ」とのニュアンスがあるのだとわかります。
もくもく会は、このオリジナルのニュアンスを越えて多様な使われ方をしています。そうでなくともオンラインのもくもく会もあります。
これはマトリックスの形で端的に整理できると思います。
もくもく会のマトリックス
まず人数です。少人数か、それ以上かで分けられます。
もくもく会は性質上、人数は関係ありませんので、この軸に意味はありません。それでも実際は少人数かどうかで分かれますが、これは単に主催者の集客力や会場のキャパシティに依存しているだけです。
次に交流の有無です。
交流とは、ここでは「参加者同士の会話を想定する」あるいは「主催者がファシリテーションを行う」のいずれかを指します。逆を言うと、交流しないとは「会話も想定しないしファシリテーションもしない」ことです。
両方「しない」パターン以外は、全部交流有です。
もう少し補足します。
会話の想定とは、図書館や自習室のように私語厳禁なシチュエーションが「想定しない」です。それ以外は想定するとみなします。phaさんのもくもく会は、控えめには許容しているように見えますので、弱めで想定していると言えると思います。
ファシリテーションとは、noteで募集・報告されているもくもく会でよく見られるもので、自己紹介や振り返り共有などアジェンダがクマれていることを指します。
マトリックスでいうと 3 と 4 です。人数にかかわらず、交流しないことを前提としたもくもく会です。
現状、図書館や自習室などがこれに該当しますが、phaさんを始め、誰かが主催して「交流無しのもくもく会」を行うケースはまだ無いと思います。
需要が無いのか、それともこの概念を理解してもらうのが難しいかはわかりませんが、ビジネスのポテンシャルはあると思います。
SilentではなくQuietのニュアンスです。マトリックスでいうと 1 が当てはまります。つまり少人数で行う、会話を想定したもくもく会ではありますが、基本的には静かです。
phaさんのもくもく会もこれにあたると思います。サイレントほど私語は禁止しませんが、控えめであれば参加者同士(あるいは主催者とも)話しても良い、とします。
この形態は少人数のみ当てはまります。少人数を超えると、物理的に静かさを維持できなくなるためです。一応、相応の秩序を敷けば可能ではありますが、そうするならサイレントにすればいいわけです。秩序を敷きながら「静かなもくもく会」をするのは、静かさの定義をどうするかという問題になるため難しい(主催側が割に合わない)と思います。
マトリックスでいうと 1 が当てはまりますが、主催によるファシリテーションが存在するもくもく会を指します。
典型的には、
このようなアジェンダが組まれます。noteで見られるものはこの形態が多い印象です。
また、オンラインで行う場合もこれになりがちです。おそらく、誰かわからないと気味が悪いため、最低限でも知ろうとするのでしょう。オフラインの場合だと非言語がわかりますが、オンラインだとわかりません。
マトリックスでいうと 1 や 2 が当てはまりますが、イベントの形で開催されるもくもく会全般を指します。
connpassなどITエンジニアが行うものは、これが多いイメージです。主催が会場を借りて、参加者を呼びかけて、少しお金を取って、当日来た人はご自由にもくもくしてください、とします。
ワークショップのようなカリキュラムはありませんが、参加者間の会話は想定しているため、QuietやSilentはありません。
※カリキュラムがあるものは、前述のワークショップ型になります。ITエンジニアはアウトプットが身近であり、会の最後に今日の成果を発表する(LT, ライトニングトークするなど)あり方もよくあるようです。
マトリックスでいうと 3 に相当しますが、単にひとりで会場に出かけて、ひとりでもくもくすることを指します。
もくもく会の本質は存在感の共有にあると思います。
交流や協調はしないか、ほとんどしないが、同じ時間と場所を共有する他者は居るというバランスです。これは、単にひとりぼっちで作業をするよりは孤独感や退屈感が和らぎます。
あえて強度を並べるなら、以下のイメージです。
ひとりぼっち < もくもく < 社会的な営み
両者の中間くらい。
それなりのポテンシャルがあると感じますので、上手いバランスを求めている方は、ぜひ模索してみてください。
もくもく会のような催しを一般化した概念を扱っています。
プレゼンス(存在感)はチャットステータスとして知られるものですが、これをワークスペースのように重視した潮流もあります。
おわりにで「存在感の共有」に言及しましたが、この概念を言語化しました。「ミーティング」に並ぶくらいのポテンシャルがあると感じます。