ブラウザのタブが何十何百と溜まる人が多いと思います。
特に困ってない人や、改善するほど腰が上がらない人はそのままで良いでしょう。しかし、困っている人で、何とかしたい人もいるはずです。
本記事が助けになると思います。
「タブを残してれば、あとですぐに探せる」と思いがちですが、そうでもありません。
まず目的のタブを探すまでに時間がかかります。平面的に並んでるだけなので、現実のデスクや部屋と違って空間的に「あれはあそこにあったよな」的な特定がしづらいからです。
次に「タブを探す作業 = ひとつずつ順に見て回る」なので疲れます。これも現実ほど豊富な情報が無く、認知資源を消耗します。
結局、見つからないか、途中でくじけて、もう一度ググり直そうとかブックマークから開こうとなったりします。二度手間です。
それからマルチタスク的であることも問題です。
気が散りますし、あちこちのタブに移りがちなので、一つの仕事に専念できません。中途半端に広く浅く手を付けている状態ですね。
一部の超人を除けば、このやり方は非効率です。
視覚的にタブがたくさん並んでいると圧になって、あなたの精神を圧迫します。
重要なタスクや情報が眠っている「かもしれない」、という疑念も拭えず、気が休まりません。
現代のブラウザはメモリをたくさん食いますし、タブの数とも比例します。
性能が潤沢なPCでもなければ、メモリを食い潰してしまうことがあります。そうなるとPC全体の動作が重くなります。各タブの読み込みや動作も遅くなり、と全体的に遅くなります。
※これはITエンジニアのようなプロでも陥りがちです。医者が自分の健康を維持できるとは限らないのと同じです。
遅くなれば当然作業にも響きますし、QoWやQoLといった快適性にも響きます。
Ans: いいえ
よくある対策としてタブ管理の機能あるいは拡張機能が挙がりますが、アンチパターンです。
本質的には何も解決していないからです。
散らかった部屋でたとえると、単に散らかったものを分類しているにすぎません。たしかに整理整頓の観点からは効果はありますが、総量自体は変わっていません。むしろ、分類で使う箱の分だけ増えてます。
仮に足の踏み場もないほど散らかっているとして、分類にて整理整頓したとしても、やはり踏み場はありません。そうではなく、踏み場ができる程度に減らすことが先決のはずです。
※別に踏み場がなくていいという人は、ここで引き返してください。対象外です。
タブ管理で満足しているのは、単に見た目がスッキリして気持ちがいいといった手段の目的化でしかありません。趣味としては否定しませんが、ここでは仕事の話をしています。
タブの数をできるだけ少なくします。そのような過ごし方をします。
これをミニマム・タバー(Minimum Tabber)と呼ぶことにします。
以下の3つです。
タブは、実際にはいくつかの種類に分かれます。また各種類ごとに専用の手段が存在します。
ですので「なんでもブラウザのタブで管理する」から「それぞれ専用のツールで管理する」に移行することで、楽になります。
タブは言わばデスクのようなもので、直近使うものだけを置いておく領域です。それ以外は専用ツール側に移して、そちらを必要に応じて使うようにします。
これを Browser As Desk(ブラウザをデスクとして使う)と呼びます。
絶対的な正解ではなく、ミニマム・タバーの思想にすぎませんが、比較的わかりやすく、かつ上手く機能もします。
タブの種類は、以下のように「3つのI」で大別できます。
まず 1: のワークスペースと、3: のインプット中の情報は、ブラウザで扱います。専用アプリがあるならそちらでも構いません。
ワークスペースとは、Teamsのようなコミュニケーションツール、あるいは資料含む何かをつくるためのツールを指します。常用していることがポイントなので、検索サイトやChatGPTやノートツールなども当てはまります。
要は、常用しているものと、今現在使っているもの(インプット中の情報)だけをブラウザで扱うのです。Browser As Deskですね。
次に 2: のタスクですが、これはタスク管理ツールが使えます。
このようなツールを使うと、1タスク 1ページで管理できるようになるので、見たいページのみを開いて扱えば良くなります。
いちいちタスクを言語化してツールに放り込む必要はありますが、必要コストです。そもそも専用ツールに入れる手間を惜しむからタブを増やすことしかできないわけです。
タスク管理ツールが馴染めない場合は、ノートツールでも構いません。
タブとしては、タスク管理ツールやノートツールを一つ出しておくだけで済むでしょう。必要なタスクは、そこから別途開いて、用が済んだら閉じます。
※こまめに閉じることは非常に重要で、これは後述します。
直近よく使うタブであれば開きっぱなしでもいいですが、これを安易に認めちゃうと、結局10タスク分のタブ(10ページ = 10タブ)を開いちゃう、となって本末転倒になりがちなので注意です。
4: の読み終えたインプットについては、情報管理ツールに入れてください。クラウドストレージやノートツールでもいいですし、論文には文献管理ツールなど専用ツールもあります。
ファイルではなくブラウザで読むだけで済むなら、ブラウザのブックマーク機能も使えます。ポイントは「時系列がわかるように追加する」ことと、追加時にコメントを書くことです。
時系列については、2024/10 のような月ごとのフォルダをつくって放り込めば十分です。下手に整理をしても破綻するだけなので、挑まない方が良いでしょう。趣味でもなければ正直言って人生の無駄です。
コメントについては、自分の言葉で書きます。あとで検索して探すことを想定して、使いそうなキーワードを散りばめておくと良いです。「名前」とありますが、律儀に捉えず「メモ」くらいで捉えて、何でも書き込んでください。思いつかなければ無理して書かなくても構いません。
たぶんQoLという言葉で探しそうだから、こう書いている。
ブラウザですが、ブックマークの使いやすさを考えれば Firefox 一択です。Firefox はブックマークの管理や編集もしやすいですし、アドレスバーから検索したときもヒットしやすいです。
ブラウザの主流は Chrome ですが、Chrome のブックマーク機能は正直言ってひどいものです。ブックマーク機能をメインに使いたいなら、乗り換えた方が良いと思います。
最後に 5: のあとで読みたい情報と 6: のリファレンス的な情報ですが、これもブックマーク機能で管理します。
あとで読む情報については、時系列フォルダではなく「あとで読む」フォルダに入れてもいいですし、時系列フォルダに入れつつ、名前に「★」をつけて、後で読む旨がわかるようにしても良いでしょう。が、あまり重要ではありません。
最も重要なのはちゃんと後で読んで消化していく生活リズムの確立です。インボックスゼロとも呼ばれます。受信箱と見立てて、そこに入っているものを全部処理することを目指します。これができるなら何でもいいですし、できないなら何をしても無意味です。
※趣味として所有欲を満たせるくらいはできます。
タスク管理や集中術の話になりますが、一つずつ着手して一つずつ潰していく方が効率面でも快適面でも優れています。
条件反射的に飛びついて、何でもタブを開いて、と過ごすのではなく、また無闇に割り込みや脱線に反応するのでもなく、ちゃんと一つずつ仕事をこなしていけるようにしていきましょう。
具体的なテクニックは無数にあるので、本記事では割愛しますが、当サイトでも色々取り扱っているので、ぜひ漁ってみてください。
ここでも軽く紹介しておきます。
集中術としてよく挙がるポモドーロ・テクニックですが、よく誤解されているので解説しています。
その本質は「自分なりのスタイルで模索すればいい」です。当たり前ですが、どういう塩梅が合っているかは人によって違いますし、自分にしかわからないので、自分で模索するしかないのです。
性格上、あるいは特性上、どうしても自己管理できない人がいます。「犬を飼っているなら散歩できる」はわかりやすい例だと思いますが、このように自分ひとりでできない人は、何らかの外部環境に頼るしかありません。
外部環境にいかにして頼るか、頼り方や仕組みをつくっていくかを考えるべきなのです。
用が済んだタブはこまめに閉じてください。これをしないと溜まる一方になるからです。
この手間を端折らずに、ちゃんとできるかどうかがミニマム・タバーになれるかどうかの分かれ目となります。
これは本質的には意思決定です。「用が済んだ」という意思決定を自分で行い、行動として実際「閉じる」必要があるわけです。
優柔不断だったり、自分で決断するという発想がなかったり(よくあります)するとできませんが、やらないといけません。意思決定の営みに足を踏み入れない限り、これをクリアすることはできないのです。
意思決定は本来、経営者など限られた人が行うものでしたが、現代はVUCA 改め VUCARD の時代で情報も多い時代です。そうも言ってられません。
意思決定は、この程度の軽微なものであれば、別に難しいことではありません。単に縁がなくて、難しさや面倒くささを感じるだけです。
※特性上、難しいケースもあります。
そういうわけで、ぜひとも意思決定の営みから逃げずに、用が済んだタブを閉じるという意思決定をしていってほしいと思います。
最初は不便を被りますし、捨てる苦しさもあるかもしれませんが、そのうち慣れます。どうしても慣れなくて、できないなら、それはそのときやめれば済むことです。
タブが増えすぎる問題への対処として、ミニマム・タバーを紹介しました。
テクニックというよりは、考え方の転換が大きいと思います。ミニマム・タバーが万人を救えるとは思いませんが、一つの解として、ぜひ使ってみていただければと思います。