働き方の多様性(ワークスタイル・ダイバーシティ)について以前お伝えしましたが、
これの程度を推し量る指標としてWSD-Lvがあります。
WSD-Lv(働き方の多様性レベル)とは、WSD(働き方の多様性)の段階を推し量る指標です。
ある組織に対して、ある観点について、働き方が何通り共存できているかをレベルにします。1つだけならレベル1、2つならレベル2です。
レベル2以上を準多様的、レベル3以上を多様的と呼びます。
働き方の多様性を上げること自体のメリットは、ワークスタイル・ダイバーシティ(働き方の多様性)を参照してください。こちらでも書いておくと、働きアリの法則を壊せることです。
チームやプロジェクトといった小さい単位が基本となります。「普段一緒に仕事をしたり集まったりする集団」が目安です。
そのような集団だからこそ働き方が単一(レベル1)になりがちなわけで、これを上げたい、そのための指標が欲しいわけです。
部門や事業部といった大きな単位で測るなら、部門内全員・事業部員全員向けの取り組みを想定してください。
たとえば全員に出社を要請するイベントだったり、偉い人との1on1で全員に対面を要請したりといったことです。通常ですと、全員出社・全員対面であり、レベルは1ですが、これが「リモートでもok」「テキストで非同期でもok」も当たり前に許容されるとしたら、それはレベル2以上と言えます。
「働き方」として何があるかは様々ですが、主なものを挙げますのでニュアンスを感じ取ってください。
定め終えたら、実際に計測します――といっても「働き方」が何通り許容されているかを観測すればいいだけです。
わかりづらいので例を挙げます。
例1: 同期性
全員が対面やオンライン会議で会話することが当たり前だとしたら、これは同期性についてはレベル1です。働き方の多様性は無いに等しい状態です。
レベルを上げるためには、一日の半分くらいは一切喋らないハイブリッドや、一日全く喋らない非同期も許容しなければなりません。これらが許容され、当たり前に共存できていて、はじめてレベル2以上と言えます。
例2: 忙しさ
全員がベースラインを超えている場合は、やはりレベル1であって多様性がありません。
一方、月200時間(残業50Hのビジー)の人と月120時間(ベースライン以下のスラック)の人が同じチーム内にいて、共存できている場合は、レベル2と言えるでしょう。この場合、当然ですが、
上記はいずれも認められねばなりません。
いずれにせよ、多様性がない組織から見ると「そんなことできるわけがないだろ」と感じると思います。それがまさに多様性がないことの証左でありレベル1です。
レベル1は唯一ではありません。単に発想がなかったり、やり方がわからなかったり、あるいは行動をしてこなかっただけにすぎません。WSD-Lvを知ると、レベル1が唯一ではないことを教えてくれます。
よくある議論をQ&A形式で整理します。
Ans: いいえ。
典型的な多様性だけでは、働き方の多様性としては認められません。
WSD-Lv は典型的な多様性以外も扱います。たとえば何の事情や問題もない健康的な独身がいたとして、この人が当たり前にハイブリッドやスラックやアジャイルができるか、という話です。
別の言い方をすると、育児や介護といった「典型的な多様性」として認められる特殊な事情の有無は関係がありません。仮にレベルが2だとしたら、誰であろうと、どちらの働き方を選べるはずです。