リーダーに権限を集中させるのは望ましくありません。リーダーと権限は切り離しましょう。
この考え方を分離されたリーダーと呼びます。
リーダーは「フォロワーが自発的についてくる」ことで生まれます。フォロワー側の自発性が重要であって、リーダーがフォロワーをマネジメントするわけではないのです。
もしリーダーが権限を握ってしまうと、リーダー自らがマネジメントする他はなくなってしまいます。マネージャーとしては正しいかもしれませんが、リーダーとしては向いていません。リーダーと権限は切り離してください。
リーダーは問題を見つける人です。見つけた問題に共感し、支援してくれる人(フォロワー)を増やしていくことで、力をつけていきます。
一方、マネージャーは問題を解決する人です。通常、問題とその解法はすでに設定されていて、誰をどう動かすかの戦いになります。権限を集中させて、うまく使いこなすのが主流です。近年ではマネジメントレスの潮流――たとえばマネージャーがいない組織やチームも見られますが、それでも権限を持つ代表的な意思決定者は設定されます。
ちなみに「経営者」は、リードもマネジメントも両方必要となる役割です。特に初期の、組織規模が小さい間は顕著ですし、これらに限らず何でもやらねばなりませんが、大きくなってくるとそれも追いつかなくなります。リードとマネジメントは分離するべきなのですが、できない経営者が多くて、ワンマンになりがちです。
以下のようにします。
これをDAVOS(ダボス)と呼びます。DAVOSは以下の略です。リーダーはDAVOSであるべきです。
もちろん、リーダー自身がスーパーマンで手も動かせるのであればそれでいいですし、初期の頃は多かれ少なかれそうなるでしょう。しかし、組織が大きくなってくると、物理的にひとりでは立ち行かなくなるため、リーダー自身はDAVOSに留めねばならないのです。
欲張って、あるいは欲望の赴くままに権限も抱えて何でも牛耳ろうとすると、組織として鈍化します。
Ans: 「組織の拡大」が鈍化するのを防げます。
すでに述べたとおり、リードとマネジメントを両方抱えると、そこがボトルネックになって、それ以上伸びなくなります。
この問題から脱したいなら、抱えることをやめねばなりません。それを一言で言うと「権限を分離する」であり、5要素で言えば「DAVOSであれ」なのです。
いくつか紹介します。
自分が描いたことを、マネージャー達が自分のチームで実践してくれます。
ただの階層組織でないことに注意してください。リーダーの下につくマネージャーが、そのリーダーのフォロワーになっていなくてはなりません。フォロワーだからこそ、そのマネージャーは自分なりに動くのです。
逆に、フォロワーでなければ、ただ言われたことをやるだけの受け身か、あるいはうまく受け流して好きに振る舞うだけです。それでは困るので、ガバナンスを利かせるしかありません……というわけで、よくある「現行踏襲的なおかたい組織」になってしまいます。大企業病と言ってもいいでしょう。
一部のブレーンや秘書が相当します。
有能なマネージャーが組織を動かしているが、リードの才能はないので任せているという形です。これをバックグラウンド・リーダーと呼びます。
バックグラウンド・リーダーは表に出ないことが多いです。一方で、フィクションでは「誰かを輝かせる人」として主人公やメインキャラの座で描かれることがあります。
いわゆるインフルエンサーです。
トム・デマルコがいう「触媒」などが相当します。
一見するとおしゃべりや何でも屋さんにしか見えませんが、その実、周辺の人間関係の均衡を保っている存在です。この人がいなくなった途端に組織が崩壊することさえあります。
単純化した例だと、友達の友達もこれです。
🐶さん、🐱さん、🐏さんの3人グループがいるとして、🐶-🐱、🐶-🐏が友達の場合、🐱-🐏は友達の友達ですが、🐶がいる限りは成立します。🐶がいなくなると、友達の友達でしかなくなるので成立しなくなります。🐶さんが触媒なのです。
無論、実際の組織はもっと複雑ですが、「仲介者」と書いているとおり、必ず誰かと誰かの仲介を担っています。
このように「混ざっているものを分離する」仕事術を、当サイトでは分離エンジニアリング(Separation Engineering)と呼んでいます。
今回は、リーダーと権限が混ざっているのを分離しました。
また以下書籍も参考になるでしょう。リーダーという概念と本質を詳しく考察しています。