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1on1の本質を情報交換と捉えると、実はミーティングは要らなくなります。テキストベースで1on1が完結します。

Text 1on1

Text 1on1とは、テキストベースで行う1on1です。

ノートアプリで1on1用の会場をつくり、1-話題 1ページで何でも書き込みます。ミーティングは30~60分で行いますが、一切喋らず、お互い黙々書き込むだけにします。

※ビデオや音声が要らないという意味で、冒頭では「ミーティングが要らない」としています。

関連記事

これは当サイトで言及するトピック管理の概念です。

タスク管理改めトピック管理

具体的なイメージを掴んでいただくために、Microsoft OneNoteで行う例もまとめています。

OneNoteでトピックノート

メリット

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以降ではやり方や考え方の話に入ります。

Text 1on1の原則

実施の流れ

次のとおりとなります。

1: Setup

Text 1on1で使うノートアプリ自体を整備します。

チーム内や二者間など、1on1を行うメンバー全員が使えるように整備します。1回の1on1ごとにワークスペースが必要ですので、メンバーの誰もがワークスペースをつくれることが必要です。

以下にいくつか例を挙げます。

意外と決め手には欠けます。

おすすめはCosenseです。トピック指向がしやすいツールですそ、何百何千ページと扱っても破綻しないので、純粋に長続きします。しかしProjectが多数必要になるため、料金がかさみます。

Microsoft 365が導入された組織であれば、OneNoteは悪くない選択です。誰でも自由につくれるからです。またノートアプリとしては Loop もあるので、そちらでも構いません。

しかし、Notion も含め、この手のノートアプリは単にページを一覧表示するだけなので、ページ数が増えてくると追いきれなくなって破綻します。そういう意味でも、Cosenseが頭一つ飛び抜けていると考えます。とはいえ、そもそも破綻するほど続くかもわからないので、まずはこれらノートアプリで良いでしょう。

最後に、クラウド文書管理ソフト系は、ノートアプリとして機動性に欠けるので難しいと思います。最低でも🔺をつけたアプリは必須です

他の手段にも言及しておきます。

Miroなど無限キャンバスは推奨しません(❌)。Text 1on1ではテキストをたくさん書き込みたいからです。このようなツールだと付箋を空間的に配置する部分に意識が行ってしまい、テキストの読み書きに集中できません。

GitHub Issues対面口頭以外の情報共有とコミュニケーションは「QWIC」 でいう Issues)は可能です(🔺)。Private なリポジトリをつくれば二者用エリアも確保できますし、1-話題 1-issueで扱えたり、用が済んだ話題をクローズしたりもできるので使い勝手は良いです。特にエンジニアの方は、ここから始めた方がわかりやすいまであります。

2: Prepare

どういう単位でエリアをつくるかについては、すでに Setup の部分で解説したので割愛します。ノートアプリごとに違うので、適当にやれば良いです。

大別しておくと、以下の二つがあります。

毎回分ける方は、一見するとシンプルですが、前回扱った話題との接続がしづらいので長い目で見ると不便です。エリアを分けない方をおすすめします。

3: Prewrite

Prepareができた後、書いておきたい話題があったら書き込んでおいても構いません。

むしろ、究極的には Text 1on1 はミーティングなど要りません。各自が非同期的に読み書きすればいいだけだからです。

しかし、現実的にそれができる人はそうはいないので、通常のミーティングと同じように開催します(次の4:)。

4: Meeting

Text 1on1用のミーティングを行います。

ミーティング中は一切会話せず、ビデオも見せず、ただただ会場で読み書きします。

会話しながらやりたくなる衝動に駆られますが、堪えてください。Text 1on1ではテキストベースでのみやりとりすることに専念します。そうするからこそ高密度な情報交換が可能になります。会話は絶対に入れてはいけません

※会話しながらノートにも書くという議事録と議事メモは違います的な1on1を否定しているわけではありません。それはそれで良いプラクティスです。ただ、Text 1on1のコンセプトではありません。

実施タイミング

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実施時間

30~60分くらいが良いでしょう。

短すぎると、良いところで終わってしまいます。しかし、Text 1on1は(ちゃんとやれば)非常に疲れるので 60 分以上保つものでもありません。

実施頻度

お好きにどうぞ。

ハマった場合は毎日でもできますし、週一や月一でのんびりやることもできます。

時間が空くほど、前回のコンテキストを忘れてしまう(ノートを読み返して思い出すのにも時間がかかる)ので、書きたいことが多いうちは頻度を上げた方が良いです。

書くことがなくなってきたら、頻度を下げればいいだけです。

基本的に「書くことがなくなる」は無いと思います。少なくとも仕事の状況や社内外の情勢は変化するはずで、ネタには困らないからです。

しかし、毎回ミーティングするのも負荷が高いです。

なので、慣れてくると最終的には「別にミーティングしなくても非同期的に各自書き込んでいけばいいか」となります。それはそれで構いませんし、むしろ非同期コミュニケーションの本質と必要性の観点では喜ばしいことです。

重要なのはテキストで情報交換を、特に高密度な情報交換を行える(あるいは今できなくても必要ならできる)ことであり、ミーティングの有無はどうでも良いのです。最初はミーティングした方が時間を確保しやすいからしているだけです。

Put or Ask

ノートにどのように書き込んでいくかの話です。

話題単位ではトピック指向(1話題 1ページ)ですが、各話題の中はどうすればいいでしょうか。原則として Put or Ask を挙げていますが、もう少し詳しく取り上げます。

Put とは、自分の意見を置くことです。

以下はOneNoteでトピックノートからの画像で、1on1とは違いますが、

ちなみに絵文字は1人1つ使っており、自分であることを表明するためのものです。

3つの領域が Put されていると言えます。🐵さんの領域、🐶さんの領域、🐈️さんの領域ですね。誰の領域かは絵文字をつけて示します。領域間は空行で区切ります。

さて、🐈️さんの領域には🐶さんや🐵さんの書き込みもあって、やりとりが生まれていますね。これはチャットを彷彿とさせます。Put としては許容しません

つまり、自分の領域には自分の意見だけを書き込みます。Text 1on1は二者ですので、自分か相手かの領域が並ぶことになります。もし何か言いたいことがあるのなら、新しく自分の領域をつくって、そこで書いてください。もちろん、既読スルーも問題ありません。なぜなら、単に自分の意見を置いているだけだからです。やり取りは想定していないのです。

Text 1on1 としては「各自が自分の意見を置く」「それを見てもらう」ことを重視しています。そのために Put という基本原則を定めています。Put のあり方が、ノートベースの情報交換において絶対的に正しいわけではありません。

次に Ask ですが、これは Put では許容しなかった「相手の領域への書き込み」を許容します。ただし、明示的に質問や疑問の形で問います。つまりは尋ねます。問いであることが「割り込んでもいいよ」との合図となります。

逆を言うと、割り込んで書いて欲しいことがあれば、必ず尋ねる形で書いてください。Ask な書き込みは、なるべく無視せずに答えてあげてください。

問題は Ask を示す記号ですが、ここはお任せします。❓️のように絵文字で視覚的に強調してもいいですし、普通に尋ねる形で書いた部分があれば Ask だとみなす、くらいでも良いです。やりかたを定めすぎると窮屈になりますが、定めなさすぎてもスルーされやすくなります。このあたりのバランスは人それぞれです。

以上のとおり、基本は Put で置きつつ、ぜひ返事が欲しいものは Ask で尋ねるとのやり方になります。シンプルですし、味気無さや冷たさを感じるかもしれませんが、これは情報交換なのです。

そして情報交換に特化したコミュニケーションは、大部分の人が慣れていません(おそらく初体験のはずです)。思っている以上に難しいことです。だからこそ、Put と Ask だけやります、と大胆に割り切るのです。