**
本記事は、ワーク・ゲーミフィケーション(下記記事)の一手法です。
Wide Reviewとは、レビューしてほしいアウトプットを成功報酬つきで公開し、組織内の誰でもレビューできるようにするやり方です。
前提として、用語を押さえます。
レビューとは、何らかのアウトプットを評価してもらうことです。正式に外に出す前の内部レビューだったり、顧客に採用可否を判断してもらう外部レビューだったりします。
レビューは通常、評価する側が OK を出すまで続きます。OK が出なかった場合、「ここをこう直してほしい」のような指摘を出します。アウトプットする側は、それら指摘を踏まえて修正して、またレビューを出して――というサイクルとなります。
紛らわしいですが、Wide Review では OK を出すのは評価する側ではありません。アウトプットを出す側です。
アウトプットを出す側を提出者、アウトプットをレビューする側を評価者と呼ぶことにします。
Wide Review の流れを示します。
Wide Reviewの流れ。
アウトプットには報酬(お金あるいは類するもの)がついており、これは採択の段階で分配されます。
たとえば、評価者によるレビューが 4 件あるとして、
提出者が「レビュー2が一番良かった」「レビュー4もちょっと役に立った」と思ったとします。どれだけ良かったかの割合をアサインします。
すると、アウトプットに設定された報酬は、レビュー2の評価者に8割、レビュー4の評価者に2割、という形で配分されます。
Wide Review 上のやりとりはすべてフルオープンです。
本記事では理論を扱っています。報酬として実際にお金を動かす部分など、実現にあたって必要となるシステムや制度については、以下記事を参照してください。
よくある議論をQ&A形式で整理します。
Ans: 指定できるようにします。
半日、1日、3日など指定できるようにします。あまり長く募集しても意味はない(レビューが来ないアウトプットは日が経っても来ません)ので、長くても最大一週間くらいにして、新陳代謝を促した方が良いと思います。
この点は、以下記事(ワーク・ゲーミフィケーションの別手法)のQ&Aでも書きました。
FCFS(First Come, First Served)
Ans: 理由をつければ問題ありません。
正当な理由があれば、評価者側も納得できるでしょう。やりとりはすべて見えているので、たとえ採択無しが続いたとしても、理由が正当であれば不評にはならないと思います。
Ans: まずは良識に任せます。ダメそうなら仕組みに頼ります。
まずは組織内全員の良識に任せたいです。
たとえばAさんがレビューを出した後、Bさんがそこに被せたレビューを出す場合、「Aさんも述べているように」と言及した上で、Bさんの追加分を書けば、BさんはAさんの顔を立てることができます。提出者としても、Aさんが述べている部分が3割くらい役に立ったのなら採択時に3割を設定する、といった配分ができます。
良識がない場合、Bさんは、Aさんを無視して、提出者に選ばれるような書き方をするかもしれません。提出者も、Aさんが先に書いているのを気にせず、Bさんのレビューに10割の採択を出すかもしれません――と、こういうのを防ぎたいのです。
良識に任せるだけではダメそうな場合は、仕組みで縛るしかありません。一番わかりやすいのは、採択が完了するまでレビュー内容は(提出者以外には)見えないようにすることです。
ですが、これをすると、「既存のレビューを見て、過不足を足す」「さらに思いつくことを足す」といったコラボレーションができないので、できるだけ控えたいところです。しかし、この問題のせいでレビューが形骸化しては本末転倒なので、形骸化するくらいなら迷わず採用してください。
Ans: 恣意的でも構いません、あるいは必要なら観点を設けます。
そもそもの前提として、提出者が満足すればそれでいいので、恣意的でも構いません。
ただし、ビジネスとしては、それだとやりづらいところもありますので、必要なら提出者はアウトプットに「レビュー観点」をつけましょう。つまり、こういう点を気にしているのでコメントしてほしい、これこれの点をチェックしてほしい、こういう感じの意見を特に欲している――など、どんなレビューを望んでいるかを明示します。