コロナ禍でリモートワークが本格化すると、体調を崩す人が増えてきました。
例: 東京医科大学の調査結果、厚生労働省のメンタルヘルス対策の手引
手引きにもあるように、コミュニケーションの機会を一律的に増やすことでカバーしようとしがちですが、これではワークスタイル・ダイバーシティ(働き方の多様性)がありません。
コミュニケーションが足りずに不調になる人向けに、コミュニケーションを増やすことをコミュニケーションケア(Communication Care)と呼びます。
そしてケアは「ケアが必要な人にだけやればいい」です。社員全員に一律的に課すことは、極めて短絡的なことです。
たとえば「コミュニケーションケアのために週一は出社して会話しよう」というのは、ケアが必要な人だけやればいいことで、全社員に強要することではないのです。
ケアが不要な者(ヘルシー社員)を特定してください。その上で、ヘルシー社員のコミュニケーションケアを免除します。
ヘルシー社員をどう判定するかの解はまだありませんが、健康診断は使える気がします。体格、血圧、肝機能あたりを使うのはいかがでしょうか。
この場合、健康診断の結果が一定以上良いヘルシー社員であれば、コミュニケーションケアには参加しなくてもいいとなります。
※実用レベルで使えるかどうかは検証したいところです。また万人向けではなく「ヘルシー社員を使いたい人は公開すればいい」「使わなくていい人や、恥ずかしさの方が勝る人は公開しなくていい」といったオプションの形になるでしょう。
コミュニケーションケアを一律で適用、つまりは全社員に強要してしまうのはなぜでしょうか。混同しているからです。
コミュニケーションはたしかに重要です。重要ですが、目的はいくつか分かれます。
目的ごとに要不要を考えて、不要な人には課さないべきです。なぜなら、コミュニケーションは時間と場所を拘束する営みであり、かつ非言語情報を主に交換するがゆえに適性と好き嫌いが出るからです。私生活や小さなベンチャーでは好きにすればいいですが、仕事において、こんなものを重用する方がおかしいのです。
以前、雑談など親近感を育む行為 「グルーミング」の概念をお伝えしました。信頼や親近を積み重ねるために一緒に過ごすことです。
特に会議にはグルーミングが混ざっているから、分けようという話をしました。グルーミングはそれ用の機会をつくって行えばよくて、会議では(グルーミングも混ぜてダラダラやるのではなく)ちゃんと議論に集中するのです。
このグルーミングを、さらに分けます。
グルーミングにはコミュニケーションケアも混ざっていますので、これを分けます。グルーミングのためのコミュニケーションと、ケアのためのコミュニケーションを別々に確保するのです。
こうすると後者、ケアのためのコミュニケーションは、ヘルシー社員は参加しなくていいと判断できます。
このように「分けて考える」営みを分離エンジニアリングと呼んでいます。
分離エンジニアリング(Separation Engineering)
便利なスキルですので、他の分け方もぜひ学んでみてください。