1. ヒトリズムとは
    1. ヒトリズムの例
    2. なぜヒトリズムか
    3. ヒトリズム誕生の背景
  2. ヒトリズムで手に入るものと手に入らないもの
    1. 手に入るもの
    2. 手に入らないもの
  3. ヒトリストの例
    1. 能動的な「いない歴=年齢」
    2. 割り込みのない生活
    3. スマホのない生活
    4. 毎日片手で数えられる程度だけ喋る + 定時退社
    5. 体裁無きフットワーク
  4. ヒトリズムと周辺概念
    1. Q: ミニマリズムとの違いは?
    2. Q: ソリズムとの違いは?
  5. ヒトリズムと三つのレイヤー
    1. 生活のレイヤー
    2. 代替のレイヤー
    3. 夢中のレイヤー
  6. 生活のレイヤー > 生活基盤
    1. 生活基盤とは
    2. 生活基盤を整えるための三つの活動
  7. 生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 収入活動
    1. 収入活動の二つのアプローチ
    2. 労働の二つのアプローチ
    3. 不労の種類
    4. ヒトリズムの生活アプローチマトリックス
      1. マトリックスについて
      2. 各タイプについて
  8. 生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 健康活動
  9. 生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 情報活動
  10. 生活のレイヤー > 危険を回避する
    1. 危険とは
    2. 危険を回避するには
    3. 緒切れ
  11. 代替のレイヤー > 代替案
    1. 代替のレイヤー > 代替案 > 趣味による充実
    2. 代替のレイヤー > 代替案 > 接続による関与
    3. 代替のレイヤー > 代替案 > 傍観による認知
    4. 代替のレイヤー > 代替案 > 対戦による勝利
    5. 代替のレイヤー > 代替案 > 好奇による充足
    6. 代替のレイヤー > 代替案 > 奇異による注目
    7. 代替のレイヤー > 代替案 > 作業による集中
    8. 代替のレイヤー > 代替案 > 消費による養育
  12. 代替のレイヤー > 代替案のノウハウ
  13. 夢中のレイヤー
  14. 各レイヤーの必要性
  15. 参考
    1. 書籍
    2. Web

ヒトリズムとは

Hitorism(ヒトリズム) とは対人関係を本質的に小さくすることで、対人関係に要するしがらみから逃避することを目指したライフスタイル。

ヒトリズムの例

なぜヒトリズムか

対人関係という「本質的に時間と気力を消耗する事物」にとらわれたくないから。

ヒトリズム誕生の背景

対人関係の現状は以下のようになっている。

「向いていない者」には苦しい現実がある。

「向いていない者」がこの苦痛から逃れるためには、「対人関係は不可避である」という前提を崩すしかない。

幸いにも、現代では様々な固定観念から脱するためのパラダイム(見方)が多々生まれている。以下に、すでに逃げ道のある固定観念の例を示す。

これらと同様、対人関係についても(不可避であるという)固定観念を崩せば良い。そのようなパラダイム(やこれに通じるヒント)は何かしら存在するはずだし、存在せずとも生み出せば良い。

このような試みをヒトリズムと名付け、整備していくことにした。

ヒトリズムで手に入るものと手に入らないもの

手に入るもの

手に入らないもの

まずヒトリズムでは幸福を諦める。というのも、幸せは、深く相互依存した対人関係でしか満たせないから。

またヒトリズムでは利他的精神も身に付かない。というのもヒトリズムとは自分の、自分による、自分のための生き方であり、対人関係をやめてその分を自分自身に費やすという利己的側面が強いから。

ヒトリストの例

ヒトリズムに取り組む者を Hitorist(ヒトリスト) という。

:warning: ヒトリストという言葉は「一人でスキーやスノボを行う者」も意味するが、本ページでは扱わない。

本章ではヒトリストである筆者の例を挙げる。

能動的な「いない歴=年齢」

最初から恋人をつくることを諦めている(※1)ため、時間や気力を費やす必要さえない。その分、別のことに費やすことができるし、実際できた。

※1 ただし恋人自体は欲しかったため、時間や気力を費やさない程度にアピールは行っていた。つまり「あわよくばこんな自分を好いてくれる子が現れないかな」という受け身の姿勢である。

割り込みのない生活

恋人ゼロ、友達ゼロなので連絡手段で割り込まれることがない。

仮に割り込まれたとしても、通知はすべて切っており、あとでこちらから折り返す形にすれば良い。仕事や家族(両親・兄弟)相手ではそうしている。このスタンスを崩すつもりはないし、そもそも崩す必要(性が迫られるような対人関係を構築することそのもの)もない。

スマホのない生活

前述のとおり、早く返事する必要がないので、スマホも要らない。

空き時間は読書、考え事、のんびりするなど自分のために使える。

毎日片手で数えられる程度だけ喋る + 定時退社

人並以下の仕事量とコミュニケーション量で済んでいるため、毎日定時退社できる上、一日一言も喋らない(※2)こともある。

※2 ただし出社時と退社時の挨拶はする。以前はしていなかったが、挨拶をしないことによる関係性の悪化が深刻(上司が「気に入らない」として部署から追い出そうと動くかどうかの分水嶺になる)であるとわかり、するようになった。

体裁無きフットワーク

対人関係というしがらみがないため見栄や体裁もなく、それゆえ気になったことに片っ端から手を出すことができる。

手を出してきたものの例:

ヒトリズムと周辺概念

Q: ミニマリズムとの違いは?

Ans: ミニマリズムはヒトリズムの一部である。

ヒトリズムは、対人関係に関するミニマリズムである。

しかしミニマリストの中でヒトリズムに取り組んでいる者は(筆者の観測範囲では)いない。せいぜい交友関係を絞る程度で、依然としてパートナーや多数の友人がいたりする。そもそもパートナーや友人さえもミニマイズする、という発想には至らない。これは、ミニマリストであっても対人関係をミニマイズの対象とすることが難しい、と言えるのではないか。

だからこそヒトリズムには意味がある。ヒトリズムとは、ミニマイズの対象にしづらい対人関係に、意識的に焦点を当てたものなのである。

Q: ソリズムとの違いは?

Ans: 同義語であるが、ソリズムはあまり体系的にまとまっていない。

ソリズム とは筆者が 2019/02 頃からまとめはじめた概念であり、ヒトリズムの前身であるが、上手くまとめあげられず頓挫している。そんなソリズムを一から構築し直したのがヒトリズムである。

ソリズムとの主な相違点は、以下のとおり。

ヒトリズムと三つのレイヤー

ヒトリズムで行う活動には三つのレイヤーがある。レイヤーはマズローの欲求段階説における段階ピラミッドと対応している。

hitorism_layoer

ヒトリズムでは、各段階の欲求をどのように満たすかというアプローチをレイヤーごとに扱う。

生活のレイヤー

生活のレイヤーでは、生理的欲求と安全を恒常的に満たすことを目指す。

代替のレイヤー

代替のレイヤーでは、本来なら対人関係で満たすべき部分を、対人関係以外の何か代わりのもので満たすことを目指す。

夢中のレイヤー

夢中のレイヤーでは、精神的な物足りなさを満たすために、何かに夢中になることを目指す。

生活のレイヤー > 生活基盤

生活基盤とは

生活基盤とは、心身的健康を恒常的に維持するための生活様式、手段、環境などのこと。

健康には以下の二つがある。

身体的健康の維持方法は、おおよそ万人に共通する。たとえば酒や煙草を絶つことや、十分な睡眠時間を取り入れる(ショートスリーパー体質でなければ 7~8 時間)ことなどは、取り入れれば誰でも健康に通じる。

精神的健康の維持方法は、人によって相当異なってくる。たとえば一人暮らしを好む者と、一人暮らしに耐えられない者がいる。前者が集団生活を行えばストレスが溜まるし、後者が一人暮らしをしても同様である。いかにしてストレスを溜めないか、と言い換えても良い。

:warning: ここで「 社会的健康 は無いのか」という指摘もあるだろうが、ヒトリズムでは扱わない。そもそもヒトリズムはその社会的要因に極力頼らずに現代社会を生きていくことを目指すものである。

生活基盤を整えるための三つの活動

生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 収入活動

収入活動の二つのアプローチ

労働の二つのアプローチ

収入活動とは多かれ少なかれ労働を意味する。

不労の種類

労働せずとも収入を手に入れる手段、いわゆる不労という手段も存在する。

しかし不労は人並以上の才能・幸運が要求されたり、(特に専業主婦主夫は)ヒトリズムと相反するため、ヒトリズムでは不労については深く立ち入らない。

ヒトリズムの生活アプローチマトリックス

ヒトリズムとしてどのように収入活動を行えば良いか、という目安となるマトリックスがある。

  収入を増やす 支出を減らす
主体的労働 1 2
受動的労働 3 4

マトリックスについて

各タイプについて

1:

2:

3:

4:

生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 健康活動

身体的健康とは以下をすべて満たすこと。

精神的健康とは以下をすべて満たすこと。

生活のレイヤー > 生活基盤 > 三活動 > 情報活動

情報とは:

情報活動とは:

情報活動の意義:

情報活動が必要な理由:

情報源:

生活のレイヤー > 危険を回避する

危険とは

危険とは心身的に致命的な事態に陥ること全般。

例:

危険を回避するには

緒切れ

緒切れとは「堪忍袋の緒が切れること」をもじった造語であるが、ここでは許容値を超えて蓄積された精神的負荷が暴発することを指す。

緒切れが起こると、いわゆる「カッとなってやった」「すべてがどうでも良くなった」「死にたかった」などの精神状態に陥り、主に社会的に致命打になるレベルの言動をする率が急上昇する。緒切れは感情であり、意思では制御できないから、そもそも緒が切れないように立ち回ることが重要。

ある精神的負荷が堪忍袋にどれだけ溜まるかは、人によって異なる。自分にとって「どんな負荷が溜まりやすいのか」「どんな負荷が残りやすいのか」を把握し、そのような負荷を受けないよう立ち回ることが重要。

代替のレイヤー > 代替案

ヒトリズムでは「対人関係による充足」を代替する手段を多数用意し、使い分けることで対人関係という手段に対抗する。これを代替案という。

主な代替案を挙げる。

代替のレイヤー > 代替案 > 趣味による充実

EHIEL(Enhancement of Hobby Is Enhancement of Life) とは「趣味の充実は人生の充実」の意。趣味をたくさん持ち、満たし続ければ、対人的に満たされてない部分もカバーできる(あるいは目を背け続けることができる)と考える。

趣味を充実させるために必要なこと:

代替のレイヤー > 代替案 > 接続による関与

所属欲求を満たすには何らかの集団(家族、恋人、会社や親しい友人)に持続的に所属することが必要だと考えられていたが、現代ではもう一つ方法がある。それが多数のコミュニティに瞬間的に接続すること。

瞬間的接続とは「概ね一月以内の頻度」で「数時間以上」「何らかのコミュニティ」における「参加者全員が共通した目的意識を持つイベント」に参加することである。

例:

瞬間的接続が強力な代替になるのは、特にアイドルやアーティストなど何らかの対象への「貢献」が目的となっている場合である。

代替のレイヤー > 代替案 > 傍観による認知

「ヒトリストは自分一人以外にも存在する」ことがわかると心理的に安心でき、ヒトリストでいることを自己正当化しやすくなる。このような代替案を「傍観による認知」という。

主な認知方法:

代替のレイヤー > 代替案 > 対戦による勝利

対戦(ゲーム)つまりは勝負事は最も手軽に、かつ深く没頭できる活動ジャンルの一つである。

例:

ただし対戦とは「客観的に厳密に勝敗が決する」ものでなくてはならない。たとえば芸術、パフォーマンス、創作物などで競うものは対象外である。この客観的厳密性は重要で、これがあるからこそ、競技者は、ただただルールに則った勝利を目指すことに没頭できる(没頭しやすい)。

対戦はこれ一つですべてのレイヤーを満たすことも可能であるが、一方で競合(ライバル)が多く、相応の努力と才能と機会に恵まれなければ代替案として活用できるレベルにさえ至れない。

代替のレイヤー > 代替案 > 好奇による充足

知的好奇心を満たそうとしている間は、一時的に気が紛れることが知られている。これを「好奇による充足」という。

恒常的な「好奇による充足」に必要なもの:

好奇による充足は、学問を本格的に学ぶレベルで取り組むことではじめて手に入る。よく陥る罠として「ネットで表面的に調べて知った気になる」ことがあるが、これは単に「浅いコンテンツを消費する娯楽」でしかなく、好奇による充足ではない。

代替のレイヤー > 代替案 > 奇異による注目

奇異な言動を行えば簡単に注目が集まる。これは「変なことをするだけで承認が得られる」と言い換えることもできる。これを「奇異による注目」という。

奇異による注目は諸刃の剣であり、度が過ぎれば大きな不利益を被ってしまう。

不利益の例:

代替のレイヤー > 代替案 > 作業による集中

単調作業には簡単に意識を集中させる効果があるため、毛嫌いせずに適宜取り入れれば、一時的な集中に至ることができる。これを「作業による集中」という。

単調作業の例:

作業による集中は、何もせず悩むよりも精神衛生上好ましい。これは人間に備わる防衛本能の一つでもあり、落ち着きがなくなると思わず家事をしてしまう等の行動がこれにあたる。

単調作業にも依存の性質があるため、注意が必要である。だらだらと残業や家事をして過ごすことが典型例であるが、このような行為はネットサーフィン等と同様、何ら生産的ではなく、何も生み出さない。つまり単調作業に依存(作業による集中に頼った充足を多用)してしまうと、現状の把握や改善が行えなくなってしまう。さらに厄介なのは、この行為が一応無益ではない(仕事や家事は進んでいる)がゆえに、自ら正当化しやすいことである。

代替のレイヤー > 代替案 > 消費による養育

消費行動を通じて消費先への支援・育成に貢献すれば、ある程度の養育欲求(※1)を満たすことができる。これを消費的養育という。

※1 ケンリックの欲求モデルにおいて最上位に位置づけられている欲求。このモデルで想定しているのは家族や親戚の養育である。

消費的養育の例:

代替のレイヤー > 代替案のノウハウ

ヒトリズムでは多くの代替案を使い分けることを推奨するが、闇雲に使っても上手く機能しない。そもそも自分に合った代替案が見つからず、自ら発掘する必要性が生じることもある。

本章では代替案を扱う際に知っておくと役に立つ事項を「代替案のノウハウ」と称してまとめる。

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夢中のレイヤー

夢中のレイヤーを満たすために必要なこと:

夢中のレイヤーを満たすための二つのアプローチ:

夢中のレイヤーの満たす上での懸念:

一本化の原則:

各レイヤーの必要性

生活のレイヤーは必須である。これを満たせないとリーサル(※1)に至る(※2)。

※1 リーサルとは心身に致命的なダメージを負うこと(死を含む)。

※2 スリルの探求者や恐怖心が欠如している者など、生活のレイヤーを満たさずに代替・夢中のレイヤーを満たす事例も存在するが、ヒトリズムでは扱わない。理由1.マイノリティであるため。理由2.恒久的安定を求めるヒトリズムとは相反するため。

代替のレイヤーは推奨である。満たさずともリーサルに至ることはないが、現代人は退屈に耐えられるようには出来ていない。ただし生活レイヤーの充足に忙殺されている場合は、そもそも退屈も無いため耐えられる。

夢中のレイヤーは任意である。満たさずともリーサルに至ることはないが、いわゆる「物足りない」の(一時的または永続的な)到来から脱することができない。

参考

書籍

Web

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