仕事に際して何を見るか、という潮流がいくつかあります。
これを3Pパラダイムと呼びます。
※このモデルでは「実力」や「実績」は扱いません。
PersonとProcessは知られていますが、Partは知られていません。改めて整理します。
「誰」を重視するパラダイムです。
特に日本を含むアジア圏では関係性を重視する文化のため、このあり方はよく見られます。親しい者や馴染んでいる者が選ばれます。
例:
メリットは、文化的には自然であり、多くの人にとって馴染みやすいことです。また文化レベルで秩序として機能するため、統制的には有能です。
デメリットは、成長と多様性が鈍化しやすいことです。関係性の高さで選ばれるため、実力や適性や細かい相性、事情などが度外視されがちです。
また、関係性の向上にも時間がかかる上に、周囲含めた関係の意地にも過敏なため、変化にスピードが出ません。十年以上変化しないことがざらにあります。
「やり方」を重視するパラダイムです。
いわゆるプロセスと呼ばれるものです。人を信用せず、プロセスを定義して、これに従わせます。製造など統一的な生産を要求される場面で重宝しますが、ビジネス全般でも非常によく使われます。
日本は、関係性を重視する文化の延長で、和も重んじます。またトップダウンによる独裁ではなく合意形成的に進む文化でもあるため、合意形成の枠組みも欲しています。これらの手段としてプロセスは重宝しており、非常によく使われています。
無駄にプロセスを敷かれる光景はあるあるではないでしょうか。一方で、プライベートでは使われないと思います。文化を尊重しながら仕事を回せる、楽なやり方なのです。
例:
メリットは、安定性が高いことです。秩序を保ちつつ、結果も一定水準を維持できます。
また、プロセスにせよ数字にせよ、目に見える形で定義できますし、計測も可能なので、管理もしやすいです。
デメリットは、まず融通が利かないことです。プロセスの枠組みを越えることができません。もう一つ、プロセス自体に不備がある場合や相性が悪い場合でも耐えるしかないので、QoW(Quality of Work) 仕事の質やQoLも低下しがちです。
次に、プロセスにあぐらをかいてしまいがちです。事なかれ主義や無駄な管理者が蔓延します。組織規模が小さいうちは全体が見えるので抑止されますが、中規模以上になると物理的に見えなくなり増えていきます。組織力学として必ず発生すると言っても良いでしょう。
GAFAMなど外資系でも定期的にリストラをしていますが、これはプロセスにあぐらをかく無用な人材が増えすぎたのでカットしています。別の言い方をすると、人件費が増えやすいとも言えます。
「アウトプット」を重視するパラダイムです。
人でもなく、プロセスでもなく、何を出したかを重視します。
ここでアウトプットとは、確かな利益や成果に繋がる「確かな成果物」だけではありません。むしろ、その前段階の、直接繋がるか・本当に繋がるかがわからないようなパーツ(Part, 部品)のニュアンスが強いです。
要するにパーツをじゃんじゃん出して、それらを使ったり組み合わせたりして、といった形で進めていこうとします。
このパラダイムは日本を含め、まだ使われていないと思います。一見、使われていそうな組織であっても、PersonやProcessの比重が重かったりします。強いて言えば、先進的なベンチャー企業やコミュニティで使われていてもおかしくはないかな、という程度です。
例:
キーワードを挙げるなら「脱管理」「オープン」「情報共有」です。
メリットは、従来のパラダイムでリーチできなかった「融通を利かせる」ができることです。
何も人を軽視する、プロセスを軽視すると言っているわけではなく、それらを決める、あるいは変える融通が利くのです。余計な管理がなく、ひいきもなく、オープンなアウトプットとその議論がベースとなるので、多様性も適材適所も両立できます。
デメリットは、まず時代が追いついていないことです。
実際、事例も挙げられていませんし、例として挙げたものも馴染みの薄い概念ばかりだと思います。当サイト『仕事術2.0』でも啓蒙を進めていきます。
次に、従業員への要求水準が高いことです。ITリテラシー、主体性、オープンネス(あるいはコミュニケーション2.0)など、多くのリテラシーを要求します。
これには勉強や訓練が必要ですし、特性上できない人も当然います。このハードルをどう緩和するか、またできない人をどうカバーするかが必要です。
アウトプットを見るパラダイムにより、プロジェクトワークの次の段階であるテラワークを近づけます。