休憩・休息・休養のニーズが高まっています。主な応え方としては以下があります。
しかし情報がとっ散らかっていて、「それ以前の本質」があまり捉えられていないと感じるので、ここで一つつくります。
ワークレストバランス(Work-Rest Balance)とは、ワークとレストをバランス良く回そうという考え方です。
※何らかの理論ではなく、当サイトが整理した仕事術にすぎません。このように捉えると取り組みやすいかも、という一つのヒントとしてお使いください。
※具体的なテクニックや知識は扱いません。それらよりも一歩高い目線に立っています。
ワーク(Work)とは、やること全般です。
暇で何して過ごしてもいい時間以外はすべてワークとなります。仕事はもちろん、プライベートの用事もそうですし、SNSやゲームに夢中になっているのもワークです。より直感的に捉えたければ「負荷」と捉えると良いでしょう。
この時点で、負荷自体をやめる時間も必要だと読めます。そのとおりです。多忙な現代人には難しいですが、正直そこがすべてです。
次にレスト(Rest)とは休憩、休息、休養の総称です。
ある一日の過ごし方が半年以上、問題なく持続できることを「バランスが取れている」と表現します。
ですので、一夜漬けや徹夜は当てはまりませんし、「4ヶ月くらい鬼のように働いた後、一年くらいダラダラして充電してました」のような過ごし方も当てはまりません。
前者は3日ももたないでしょうし、後者も身を削っているはずで半年もつかわかりません or もったとしてもまた同じことができる保証はないでしょう。
別の言い方をすると、ワークレストバランスは持続性を好みます。そもそも半年以上問題なく続く過ごし方こそが是だ、とするわけです。
バランスを取るために必要な考え方を、さらに整理します。
先にまとめます:
ワークレストバランスの第一歩は、7時間以上の睡眠時間(床に入る時時間)と3時間以上の暇を確保することです。
※これより少ない時間でバランスを取れる人もいますが、1割もいないと思うので想定しません。
これは前提です。これすらできない場合は話にならないので、頑張って確保してください。
この前提から逃げてはいけません。ここから逃げて、それでも上手く休みたいと願うのは、ダイエットしたいと言いながら暴飲暴食しているようなものです。話になりません。
というわけで、実はこの 7+3 をいかにして取りに行くかが肝心であり、この後でも扱います。
ゲームでは HP や MP などわかりやすく表示されますが、人も似たようなもので体力ゲージがあります。
4本あると考えてください。
体力マトリックス。
1 の物理的な体力はわかりやすいと思います。
3 の認知的は認知資源だと考えてください。注意資源と呼ばれることもありますが、頭を使って判断をすると消費します。SNSやゲームでも消費します。
2 の神経的は自律神経その他体内のリズムだと思ってください。「自律的」とあるように、身体が勝手に制御するものです。
同様に、4 の情動的つまりは感情についても、刺激に応じて勝手に反応します。一応、このスルースキル(スルー力)を制する者は、人生を制するもありますが、今回は扱いません。
4つの体力それぞれについて、自分の場合はどうなのかを知ってください。厳密に数字で知るのは現代では無理なので、感覚でも構いません。
具体的には、以下の三点です。
次に「壊れる」タイミングを押さえます。以下の二つがあります。
最後に「壊れる」とどうなるかの例を押さえます。種類ごとに違います。
ワークとライフ:
7+3 = 10:
4つの体力:
体力マトリックス(再載)。
壊れるということ:
と、材料が揃ったので、まとめます。
ワークレストバランスとは、壊れない過ごし方を目指します。
そのためには4つの体力ゲージすべてを扱わねばなりません。瀕死とクリティカルを避けるべきですし、回復もせねばなりません。
そのためには 7+3 = 10 時間を確保することと、自分の「4つの体力」すべての仕様を知ることが重要です。
ここからはワークレストバランスを取りに行くために、心がけると良いものを整理します。ABCDで4点にまとめています。
自分の軸を持ちましょうという話です。判断基準、羅針盤、ビジョン、哲学、信念、価値観など言い方は色々あります。
これは Decision-Making(意思決定)とセットになります。要は自分の軸がないと意思決定しようがありません。何かを判断するためには、何らかの判断基準つまりは軸が必要です。
軸は一朝一夕に見つかるものではありません。継続的に内省は難しい、だからこそ使えると頼もしいしてください。
あるいは、深く対話できる(たとえば自分の欲望や性癖を晒せる)相手がいるならそれでもいいですが、恵まれないと難しいでしょう。友人や家族であっても、できるとは限りません。
ひとりで内省を覚えるのが確実ではあります。が、こちらも適性があります。当サイトでは多少解説を重視しているので、読み漁ってみてください。
そもそも意思決定が重要な理由ですが、ワークレストバランスには 7+3=10 時間くらいが必要です。ここがないと話にならないとはすでに書きました。
この10時間を確保するためには、通常それなりの持ち物を捨てねばなりません。結論ですが、捨てるために意思決定が必要となります。
意思決定は通常、管理職や経営者といった特殊な立場の人が行うものですが、そうも言ってられません。むしろ、それらよりも難しいでしょう。仕事では何らかの基準やルールがあるので、心をビジネスライクにすれば済みますが、ワークレストバランスの文脈ではそうもいかないからです。
ここで自分の軸が必要になります。自分の軸がないと判断のしようがないですし、あったとしても弱ければ決断はできません。
余談ですが、現代人はワークを抱えすぎです。
かんたんな話、残業前提の仕事、片道30分の通勤、子育てを全部抱えたら、それだけで達成不可能になります。ですので、頑張ってどれかを捨てねばならないのです。あるいは勝ち取るための衝突かもしれません。
たとえば定時を勝ち取る、忙しくない仕事に転職する、リモートワークを認めさせる、そもそも子どもを生まない、マイクロケア(※1)をやめる――他にも無数にあります。
安易に抱えて全部取ろうとするから、バランスを保てないのです。そりゃそうでしょとしか言えません。
有能ならば良いですが、そうでもない人が欲張るのはただただ見苦しいのです。もちろん、それでも苦しんででもやりたいなら構いません。人生は自由です。
ただ、それだとつらい人もいると思うので、ワークレストバランスとしてバランスを取りましょうと提案しています。
※1 マイクロケア ~育児で正当化する人達~とは造語で、マイクロマネジメントをもじっていますが、子どもに世話を焼きすぎることを指します。幼いならまだしも、多少放置できるのに焼きすぎるのは、ただの自己満足であり自業自得です。本当にバランスを取りたいなら「しばらくの間は放置する」「泣いてでもやる」「慣れろ」、でも「その分濃密に過ごせる時間もつくる」でいいのです。それで済む過ごし方を模索することに努力するべきなのです。
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4つの体力すべてに関して、自分なりの基準を知りましょうという話になります。
具体的には、以下の3つです。
以下にイメージを示します。
デフォルトなら十分耐えられるという例。
デフォルトでも要睡眠ライン超えちゃうので、生活を見直した方がいいかもという例。
ベースラインの把握は感覚的で構いません。
感覚が難しいなら、起きたイベントの数や、ある時点における状態など、色々計測してみましょう。セルフモニタリングや習慣トラッカーも参考になると思います。
すでに上述しました。4つの体力ごとにキャパシティ、燃費、コストがありますので、それを把握しましょうという話です。
まず特に意識したいのがキャパシティと燃費です。
キャパシティと燃費のマトリックス。
1の人は、いわゆる「四六時中」が実現できます。逆に4の人は午前中でバテたりするでしょう。4の人が1の生き方を真似することはできません。できないのだということを自覚したいのです。
2と3の人は、1の人を目指すのはおすすめしませんが、日常生活で不便はないと思います。
次に、キャパシティと燃費はある程度上げられます。物理的な体力が特にわかりやすいですが、負荷をかけて限界を押し上げる方向性と、技術を習得して「難なくこなせるようになる」方向性があります。
どこまで極められるかは努力量と才能次第ですが、プロと呼ばれる人達は基本的に 1 です。
ということは、キャパシティの高さと燃費の良さを両方手に入れられない人は、そもそもプロになれない(なる才能がない)ということです。実際、才能がない人は比較的すぐに限界が来て、成長が見込めなくなります。
たとえば認知的な体力で 4 の域を出られない人は、「ゲーム」で勝てなくなります(ゲーム不適合者)。受験勉強でいうと、どれだけ努力しても偏差値50を超えられません。あっちを覚えるとこっちを忘れてしまったり、そもそも3年間で偏差値50を越えられる分量をマスターできなかったりします。
何が言いたいかというと、キャパシティと燃費から才能を推し量れるということです。そして、才能がない 4 の人は、そのジャンルで勝負するのは分が悪いということです。
上記の例だと「努力してるのに偏差値 50 すら超えられないのはなんかおかしいぞ」と気づけます。たとえば高校一年生の頃は偏差値が 60 あったのに、高校二年の後半では 50 を切る、などです。認知的な体力の才能がなくて、4 の域を出られていないのです。二年になると周囲の 1、2、3 の人達も努力を始めるわけですが、彼らはキャパシティか燃費かその両方が上がるのでガンガン強くなっていけます。平均も引き上げます。一方、4 の人は押し下げられます。それが偏差値(60 → 50)として表れています。
最後に、コストについては、「こういう行動をしたら大体これくらい消費する」という感覚を覚えるといいでしょう。ベースラインと組み合わせて把握してください。
Axis(軸)の部分で解説しました。割愛します。
ワークライフバランスという形で、休むことと付き合う際の基盤をお伝えできたかと思います。
具体的なテクニックやその他の理論は扱っていませんので、この基盤をベースにして、各自適用・運用してみると良いでしょう。