以下記事では経営学から攻めていますが、
https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/3744/
本記事では仕事術の目線で攻めてみましょう。
記事中にて、舟津さんは文脈の欠落を指摘していると思います。つまり、エビデンスが導出されたときの文脈と、そのエビデンスを使おうとする私達の文脈は違うということです。
エビデンスとは前者の文脈に従って導出されたものであり、後者の、私達の文脈の場合にもそのまま当てはまるとは限りません。
にもかかわらず、専門家のお墨付きだからと思考停止して取り入れたり「エビデンスはあるの?」と、単純な有無だけでは判断したりするのは短絡的なのです。
では、どうすればエビデンス至上主義から脱せるのか。
答えは単純で、文脈を踏まえることです。
医療者はエビデンスを学んで常に知識をアップデートしています。しかしエビデンスに真面目に向き合うほどに「とは言い切れない」「可能性が高い」「この状況ではこうだ」としか言えないものが多いことに気付くはずです。それでは医療が非効率化するばかりですし、患者さんとのコミュニケーションも停滞します。エビデンスを知るからこそナラティブや箴言が重要になるのです。
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この引用は、医療者がエビデンスを鵜呑みにせず、エビデンスをインプットした上で、自分の文脈に当てはめていることを説明しています。
ビジネスではドメイン知識と呼ばれることもあります。その場その組織なりの固有の事情があります。そして、通常はそれら当事者から引き出す他はなく、結局はコミュニケーションやコラボレーションといった営みをして引き出していきましょう、となります。
文脈を理解するのはかんたんではありませんし、通常は不可能です。
よく外部から偉い人が来て支援や改善をする場面がありますが、たいていうまくいきません。文脈を理解しきれないからです。極端なのが正論で、正論がそのまま役に立つとは限りませんし、むしろ当事者を苛立たせます。
では、どうすればいいかというと、すでに文脈を知っている当事者自身がやればいいのです。
当サイトでもすでに地方創生2.0に必要なことの記事で解説していますし、DXの文脈でいう内製もまさにそうです。文脈を知らない外部の SIer に頼むよりも、文脈を知る自分たちが IT を身につけて(リスキルして)つくれるようになった方が早いのです。
エビデンス至上主義を含め、既存のやり方や考え方から逃れるのは難しいことです。
冒頭の記事では書籍『経営学の技法』にて、経学的にエビデンスをどう読み解けばいいかという路線で汎用的な手段を表現しているようです。本記事では別の表現にします。
仕事術です。
何かから脱却するためには、ひとりでしっかりと熟考することが不可欠です。しかし現代人は多忙ですし、現代はチームの時代ですから、ひとりでいれる機会もなければ、熟考する力すら持たないことが多いのです。
この現状をカバーするために、当サイト仕事術2.0では、いくつかの仕事術をつくりました。
内省。
内省自体は既存の言葉ですが、ビジネスにおける熟考として捉え直して、整理しています。
ソロワーク。
チームワークは本番試合のようなものです。本番試合ばかりしていては脆いですよね。個人練習や練習試合も必要なはずです。それをソロワークと呼んで、捉えました。
スラック。
スラックとは余裕を指します。ひとりで考えるためには、物理的なゆとりが必要です。たとえば一日一時間、業務時間中に、誰からも何にも邪魔されない時間を取れますか?毎日取れますか?
この程度もできない現状が、控えめに言ってもイカれています。イカれていることさえ自覚できません。だからこそ、余裕そのものを概念にして、啓蒙しなければならないのです。
トランスジェクト。
プロジェクトと対になる概念です。
プロジェクトは何もかもが決まっていて、そのとおりに進めて確実に前に(Pro-)進めるものですが、トランスジェクトは Trans- のとおり、越境的なニュアンスがあります。
Work and Busy ではなく Play and Slack です。肩の力を抜いて、立場や責任にもとらわらず、余裕をもってあそびます。ひとりでの熟考も、トランスジェクトだからこそできることですし、熟考したことをみんなに共有して議論するのにも、やはりトランスジェクトが必要です。
プロジェクトの考え方では限界があるのです。
プロジェクトとトランスジェクト(Project vs Transject)
人は弱い生き物であり、安易に何かにすがりたくなります。宗教は典型例であり、エビデンス至上主義も、言ってしまえばエビデンス教です。
そうではなく、文脈を知る自分たち自身で考えることによって道は開けます。そのためには、それを継続的に行えるだけのやり方と考え方を知り、実践せねばならないのです。
当サイトでは様々な仕事術を紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。