ネガティブな返事をしたいときがあります。つい後回しにしたり、スルーして逃避したりしますが、事態は改善しません。
たとえネガティブであろうと、明示的に返事を出すことが重要です。
明示的な否定(Explicit Negative)とは、ネガティブな返事をはっきり出すことを指します。
たとえば部下が出した新規事業案に応える気がない場合、明示的な否定としては以下 5~8 を使います。
以下、それぞれを掘り下げます。
そもそもネガティブな返事をしなきゃいけないような場面自体が火種です。これをスパーク・シチュエーション(Spark Situation)と呼びます。長いので単にスパークと略します。
スパークを放置していても、あとあと問題になりますから、明示的な否定により早めに摘んでおきます。
その場のやり取りが盛り上がる可能性もあります(よくあります)が、それでもあとあと爆発するよりはマシです。火種であることは変わりはないので、だったら早めに処理してしまえばいいのです。
もちろん、無闇に激化しないよう、答え方を工夫するのは、返事をする側の仕事です。何度も言うように、スパークは後々爆発するものですから、面倒でもちゃんと対応していきましょう。
※率直に伝える技法としてアサーティブ・コミュニケーションがあります。伝え方に関する仕事術は多いので、調べて・練習しておくと便利です。
爆発して後悔しても遅いのです。多少面倒でも、早期から回避できるのだとしたら、大きなメリットですよね。
スパークが生じているということは、頭を悩ませる質問やメッセージが来ているということです。
それらを送った側は、受け取った側への期待を込めています。あるいは実力を推し量っています。応えられないと失望されます。
現代はもう盲目的に献身する時代でもありませんから、応えてくれない人のもとでやる気は出しません。良くて退職、悪ければ静かな退職をされて、じわじわと組織を削ります。ひどい場合は報復もありえます。
明示的な否定の形で、しっかりと返事を出せば、失望を回避しやすくなります……と言われても、直感的にはわかりづらいかもしれませんので、もう少し補足します。
スパークを起こした側にとって、最も失望が大きいのは求める特殊解が来なかったときです。
特殊解が来ないことのショックは非常に大きいものです。殴られても、あるいは刺されてもおかしくないくらいのショックです。たとえ明示的な否定であっても、本人から返事を出したのであれば、このショックは回避できます。
返事の内容や、その後のやり取りで結果的に失望されることもありますが、それでも特殊解自体が来なかったことによる失望よりはダメージが少ないです。
明示的な否定は、返事する側自身を守る攻撃手段でもあります。
明示的な否定により、自分がどういう基準でどんな否定を出すのかといったことが可視化されます。
これにより、以下の恩恵が生じます。
メリットの 1: でも書きましたが、再度取り上げます。
明示的な否定が有効となるのはスパーク・シチュエーション(単にスパーク)です。
スパークとは「正直ネガティブな返事を出すことは確定してるんだけど……」のような状況であるとも言えます。通常、このような質問は飛んできませんが、やたらやる気があったり、物わかりが悪かったり、あるいは変人だったりすると、回答に困るような質問を投げられるわけです。
パワハラが横行するような、原始的な職場では「うるせえ黙れ」で鎮圧できるでしょうが、現代では通用しません。
かといって、日本的なハイコンテキストに従って、言わずとも分かれと察してもらうのを期待するか、とりあえずスルーして逃げるかしていても、問題は終わりません。それで諦めるくらいなら、そもそもスパークは起きないのです。
スパークを起こすような人材(スパーカー)が居る時点で、運が悪いのです。受け入れるしかありません。
その上で、せめてもの被害を食い止めるために、明示的な否定で早めに対処していくのです。後々の大きな被害や中長期的な侵害を止められるのだとしたら、大きなメリットと言えますよね。
明示的な否定により、後々爆発してしまう問題は回避できますが、その場で多少爆発するのは避けられないかもしれません。また、最悪を回避できるといっても、スパークが何度も起きるのは、さすがに困ります。
というわけで、明示的な否定の先として、ちゃんとスパーカーからの質問と向き合う必要があります。
当サイトでも、使えそうな仕事術を取り揃えているので、ぜひ読み漁ってみてください。
以下、軽く紹介します。
そもそもじっくりと向き合えるだけの余裕が欲しいところです。多忙主義は現代に蔓延る宗教の一つですが、余裕がないとイレギュラーに対処できずに詰みます。
フィクションではお偉いさんが暇をしている光景がよく描かれますが、あれもイレギュラーにすぐ対応できるためです。あれほど極端な暇は無理でしょうが、見習いたいものです。
後回しや先送りの癖があるなら、解消しましょう。
1on1の文化があるなら、そこで話し合ったり、発散させたりしてもいいでしょう。
実はスパーカーの凄さを見抜けていないだけかもしれません(よくあります)。革新的な人材かもしれない、と考えて、一度向き合ってみましょう。やらせてみましょう。
皆と同じあり方を課そうとするからこじれる、はよくあります。スパーカーを多様性の一つと認めて特別扱いをすると、驚くほどあっさり解決することがあります。
おそらく人並以下の貢献しかできていませんが、それはそれで良いのです(問題を起こされるよりはマシですし、周囲もそういう腫れ物として扱えばそれで良いです)。中長期的に許容できないにしても、ひとまず時間稼ぎはできているので、じっくり対処や活用を考えればいいのです。
他にも多数ありますが、このくらいにしておきましょう。