第三の雇用パラダイムとしてギルド型があります。
2024年12月現在、これといった定義はありませんが、おおよそ以下の特徴が見られます。
別の言い方をすると、個の集まりだと保証や立場が無くて弱い、でも従来の会社だと融通が利かない、というわけで前者に「守ってくれる組織(ギルド)」を追加するニュアンスが強いです。
サイボウズの以下記事の「ギルド的メンバーシップ」が端的な表現だと思います。
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m006090.html#chapter4
マトリックスで整理すると、ギルド型は次のようになります。
雇用パラダイムのマトリックス
接続する、と表現しています。従来の雇用パラダイムは所属を前提としていましたが、この所属の概念を崩すのがギルドです。
接続の概念はすでにコミュニティの視座において見られます。以下記事がわかりやすいと思います。
https://note.com/wildriverpeace/n/n690f5b50a1ff
小さな会社であれば、単に優秀かつ「合う」人を集めればいいだけなのでどうとでもなりますが、これでは再現性がありません。
たとえば何千、何万と様々な従業員が存在する大企業においても実現するためには、どうすればいいでしょうか。三点で整理します。
上述しましたが、個の立場だと脆いので、これを組織的に保護する必要があります。
一言で言えば正社員的なフリーランスです。フリーランスは仕事がないと死んでしまいますが、正社員であれば固定給があります。それでありながら、フリーランスのレベルで融通を利かせる――ギルド型なら可能です。
※もちろん誰もがフリーランスのように自律的に動けるとは限らないので、自律性を鍛える仕組みや、どうしてもできない人のための支援なども必要です。
というより、これを可能とするようなあり方にするのがギルド型だと思いますし、もしこれを実現できているなら、もうギルド型と呼んで差し支えないとも思います。
現代は「固定的なポジション」を用意する文化となっており、
という欠陥があり、選ばれる人材が偏りがちです。
たとえばまだ存在しない、言葉もないポジションは誰からも相手にされませんし、あるポジションで極めて有能であっても、2: をこなせない人材は無能とみなされます。これらは「チームワークが大事」「一緒に働けるかどうかを吟味する」といった形で正当化されます。
このあり方をソリッドキャリアと呼んでいます。ギルド型でも同じです。ソリッドキャリアの限界を越えられません。
ここを越えるには、固定的なポジションにとらわれない、新しいパラダイム――リキッドなあり方が必要です。
リキッドなあり方を取り入れると、直接業務以外の活動も行いやすくなります。当サイトでもいくつか言語化しているので、参考にしてください。
要するに探索や変革を行えるようになります。
組織パラダイムというと階層的なものが主流ですが、これは融通が利きません。脳の構造や対人関係がそうであるように、人にとって自然かつ融通が利く構造はネットワークです。
ネットワーク型のあり方にシフトしなければなりません。これができないと、どこかでボトルネックになります。たとえば会社が階層パラダイムのままだと、どこかの上位者がボトルネックになったり、支配的になって格差が生まれたりします。
大きな組織をギルド型に変える場合は、すでに支配側に立っている人達の是正が必須です。
ネットワーク型のあり方では、誰であろうとネットワークの構成要素にすぎません。もちろん、重要な要素は多くの要素から接続されており、やはりボトルネックとなりえますが、この問題は単に冗長化をすれば済みます。そうでなくとも、ネットワークが発達しているのならば、上手く連携・協力しあってどうとでもなります。
さて、このネットワーク型のあり方をどうやって実現するかですが、現状最も近いのはティール組織でしょう。
要するにギルド型はまだまだ発展途上であり、新しいパラダイムを持ち出さねばならないほど難しいものでもあります。
これを支援するため、当サイトでも様々な仕事術を開発していますので、よろしければ参考にしてください。
いくつか軽く紹介します。
DEIBの文脈でビロンギングが語られますが、チームワークに寄りすぎです。個が軽視されつつあります。これを食い止める概念を一つつくりました。
エンゲージメント、ビロンギング、サティスファクショナビリティ
織田信長の兵農分離は当時は革新的だったと思いますが、同じアプローチは現代でもできます。
ゲームの力は言わずと知れていると思います。これを仕事に持ち込めると強いでしょう。