workhack2.0

LINEヤフーが2025年4月から出社日を設けるそうです。

https://www.lycorp.co.jp/ja/news/announcements/016684/

開発部門などは月一ですが、それ以外は週一。それも「原則出社」と表現しています。

あのヤフーが出社日!?

前身ヤフー株式会社と言えば、大企業でありながらも働き方の面で優れていました。

1on1ブームはヤフーから始まったものですし、ニューロダイバーシティにも取り組んでいます(経産省レポート)。

リモートワークについても、2020年10月に無期限リモートワークに移行していますし、約2年後の2022年9月には居住地や交通費上限といった縛りを撤廃して、ハイブリッドワークの柔軟性を拡大しています。

それほどのパイオニアが、なぜ原則出社などと逆行してしまったのでしょうか。

Ans: 調和主義の存在でしょう

おそらく調和主義によるものと思います。

この手の話でよくあるのは以下ですが、

今回は割愛します。

調和主義

調和主義とは調和性を重視するスタンスを指します。

調和性とはストレングスファインダーが扱う資質の一つで、衝突を嫌い、かつ一致を探ろうとする傾向です。

日本人に最も多い資質とされていますが、この資質をそれなりに持つ人は世界的に見てもそれなりにいます。

単純な話、衝突が好きな人なんてそうはいないですし、大して興味がないことや我慢すれば何とかなるものは衝突する方が面倒ですから妥協しがちです。こういったことを許さないのは「調和性資質が最下位近辺にある人」だけであり、全体で言えばマイノリティです。10人、いや20人に1人もいないでしょう。

調和主義は単一のあり方を好む

問題の根源は、調和主義が単一のあり方を好むことです。

あり方が複数あると原理的に衝突が発生するので、一つにするしかありません。ルール、プロセス、ガイドラインなど理が一つになりがちなのもそのためです。

さて、これは働き方にも波及します。つまり調和主義は単一的な働き方を好みます

出社に倒れる

リモート vs 出社の構図があります。

単一に倒したい調和主義がどちらに倒すかと言えば、出社です。対面で非言語でコミュニケーションすることは原始的な欲求ですし、非言語が豊富だと衝突の解消もしやすいからです。

つまり調和主義者が多いと、出社が増えます。すでに述べたとおり、調和主義者はそれなりにいます。特に大企業にもなると、人材のよりすぐりは不可能(※1)ですから、調和主義者の割合も増えます。つまり出社が増えるのは必然に近く、もはや現象とも呼べるものです。

※1 階層的な組織パラダイムによる組織力学です。ある程度規模が大きくなると、どうしても「無知で怠惰な一般人」が混ざってきます。それがマジョリティとなってしまい、組織全体がマジョリティに引っ張られます。この現象を食い止めるには、ティール組織の本質は3Pなど別のパラダイムが必要です。

加えて、意思決定権を握る経営層に限っても、やはり調和主義者はそれなりにいます。何なら、上に必要な資質が調和性となっているケースも少なくないと思います。異文化理解力の8つの指標と、特に日本の傾向ことです。

というわけで、大企業という規模を待たずに、出社に倒れることもよくあります。

あるいは、再編により経営層のメンツが変化して調和主義者の配分が増えることもあるでしょう。もしかしたら今回はこれかもしれませんね。

ハイブリッドワークは公平じゃない

よくある反論として「そもそもハイブリッドワークじゃないか」があります。今回のLINEヤフーの例でも「言うて週に1回だけじゃないか」といった意見は頻出するでしょう。

違います。

大前提として、ハイブリッドワークは公平ではありません。以下記事でも解説していますが、

「フレキシブル・ハイブリッドワーク」でさらに融通を利かせる

「出社」を課されている以上は、それは出社ワークなのです。

リモートワークというからには、フルリモートでなくてはなりません。あるいは少なくとも上述のようにフレキシブルにするべきです。ハイブリッドワークで公平だと思っている人は、出社の価値観に毒されているので矯正してください。

出社に倒れるのを防ぐには

以下の3つを心がけましょう。個人や少人数で組織全体を変えるのは不可能ですが、原理的にはこれらを心がけることで防げると思います。

1: 調和主義による現象を理解する

何が起きているかを理解しないと何もできません。

ここまでで解説しました。

2: 働き方の多様性を知る

もう一つ、新しい考え方が必要です。

当サイトでは「働き方の多様性」を提唱しています。また、前段として、そもそも各々の働き方こそが最初にあるべきだよねという考え方も言語化しました。

ワークスタイル・ファースト

時代VUCA 改め VUCARD の時代です。VUCAであるだけでなく、RemoteとDiversityもあるのです。

現代の生活水準はそれだけ上がっています。一度上がったものは下げるべきではありません。昭和の遺物から「パワハラ・セクハラは当たり前だったんだぞ」と言われても困りますよね。

3: 仕事術を知る

最後に、n通りの働き方が共存するためには相応の道具が必要です。仕事術(仕事のやり方や考え方)です。

仕事術と聞くと、ある種の胡散臭さや意識高い系のノリ、あるいはビジネス書のような感じを浮かべるかもしれませんが、違います。これらを含む上、もっと広範囲ですし、(専門家でなくても)必要に応じて新たにつくれます。また、仕事術は本質的に個人的なものであり、何がどうマッチするかはわかりません。

ですので、一蹴せず、木こりのジレンマにも陥らずに、言語化や試行錯誤といった行動をいかに行えるかが重要となります。

当サイトでは仕事術2.0という形で、VUCARDな現代にも通用する仕事術を開発しています。ぜひ読み漁ってみてください。

仕事術の例を挙げます

リモートで仕事をするためには「非同期コミュニケーション」が必須です。これに関する仕事術をいくつかご紹介します。

非同期コミュニケーションとは、お互いを拘束せずにコミュニケーションを行うというものです。概要は以下記事で書きました。

非同期コミュニケーションの本質と必要性

非同期コミュニケーションをするためには専用のツールが要ります。Teams や Slack などビジネスチャットはよく知られていますが、正直その程度は全然足りません。

当サイトではチャット(C, Chat)以外にもあるのだという点をQWICとして端的にまとめました。

対面口頭以外の情報共有とコミュニケーションは「QWIC」

また「情報を出す」ためのとっかかりを持っていない人もたくさんいらっしゃいます。ここを支えるための、わかりやすい概念が「下書き」です。

下書きの営みを身近にすることが、非同期コミュニケーションの推進に繋がります。

継続的下書き

実は、非同期コミュニケーションにおける最大のハードルが「メンタルモデル」です。

考え方が変わらないと、いくら方法やツールがあってもどうにもならないですから、まずはここを自覚していただき、非同期コミュニケーション用のものを新たにインストールしてもらう必要があります。

コミュニケーション2.0

少し話が逸れますが、実は「管理」も絡んでいます。

現代の仕事はまだまだ管理過多となっているので、もっと現場に裁量をもたせたり、そもそも管理の比重を下げる必要があります。要は、非同期コミュニケーションが進まないのは、管理過多であり、管理するために集まる必要があるからです。ということは、管理を減らせば、集まる必要も減ります。

できます。単にやり方と考え方を知らないだけです。

探索的な仕事の仕方を言語化しました。

ウォーターフォール、アジャイルに続く潮流 「エクスプロラトリ」

管理を減らすということは、自分で自分の仕事を管理するという「タスク管理」も要ります。これができない社会人は非常に多いです。だからこそ「皆で集まって」「場の圧力で腰を上げよう」とします。

タスク管理も色々ありますが、比較的万人に使いやすいものとしてデイリータスクリストがあります。

タスク管理の適性を知りたいなら「デイリータスクリスト」を見よう

と、軽く紹介してみましたが、いかがでしょうか。

これはほんの一部です。仕事術を知り、実践すれば、出社という原始的な働き方などどうとでもできます(もちろんすぐできるようになるものではなく大変な道のりですが、それでもできます)。

できない・やらないのは、単に知らないからです。